【新入生歓迎特集】ICU用語
|ICUでは、今学期を通してすべての講義がオンライン上で行われる。他のICU生とも会う機会がない日々で、大学生活に不安を覚える新入生も多いだろう。微力ではあるが、ICUのキャンパス内で度々使用される特殊な用語をまとめることで、皆さんのお役に立てればと考えた。講義の合間にでも、肩の力を抜いて楽しく読んでいただきたい。
学生生活
アイ-シー-ユー【ICU】
「国際基督教大学」の略称。ICUと聞けば「集中治療室(Intensive Care Unit)」を思い浮かべる人が大多数であるが、あながち間違っていないためこの略称が定着した。
アイ-シー-ユー【Isolated Crazy Utopia】
「国際基督教大学」の正式名称。陸の孤島・三鷹市大沢にある独立国家。領土の大半を森林が占める。人口は約3500人。計画的に国民の入れ替えが行われるが、出国要件は細かく規定されている。日本国とは友好関係にあり、パスポートなしで出入国できる。鉄道は通っていないが、領内と日本国を結ぶバスが通っている。また、自転車が広く普及している。公用語は英語、日本語、ルー語。
キリ-だい【キリ大】
「国際基督教大学」の略称。おもに横文字に不慣れな日本国民が使う。
フレッシュマン【Freshman】
1年生のこと。ELAという名の洗礼を受けて徐々にフレッシュさを失っていき、6月あたりから秋学期にかけて、くたびれた大学生へとジョブチェンジする。ジェンダーの観点から不適当な名称だと指摘されることもしばしば。
セク【section】
セクション。ICUに入った多くの学生が、他大学との隔絶を感じる最初の原因。
――メ【――mate】
セクションメイト。あなたのELAの命綱。
――コン【――company】
セクションコンパ。命綱を手放さないための社交場。
エイプリル【April Student】
4月入学生。主に日本国内から、推薦・AO・一般入試などの手段を用いてICUに移住してくる人々。住民の大部分を占める。
セプテン【September student】
9月入学生。基本的に海外の学校の修了に合わせ移住してくる人々。所属する環境によってはほとんど生態を把握できない。
トランスファー【Transfer student】
他大学からの転入本科生。セクションが同じでもIDを異とする者。
オー-ワイ-アール【One Year Regular】
1年本科生。颯爽と現れ、風と共に去っていく。
ゴニヤ【Gonior】
大学5年生。シニア(Senior:4年生)と数字の5から名づけられた。詳しい生態は不明だが、5年目を迎える理由は人それぞれとされる。
〈類語〉ムニヤ(6年生)、ナニヤ(7年生)、ヤメヤ(8年生)
ろくそつ【6卒】
エイプリルの種族のひとつ。1学期間だけ余分に在籍し、セプテンとともに6月に卒業することからこう呼ばれる。
ハイ【ICU High School】
国際基督教大学高等学校。三鷹市ではなく小金井市にある。ICU国内に所在しているが、特別地域に指定されているため、ICU国民が自由に出入りできるわけではない。標準服のデザインには(ある意味)定評がある。
――あがり【――上がり】
ICU高校から進学してきた人々。独自のコミュニティーを持つ。
イニシエ【initiation】
①イニシエーションの略。寮生の伝統として行われる仮装及びその期間。
②毎春入学式後に出現する服装倒錯者達の口実。1週間程度で飽きてやめるので触れないのが吉。
リトリート【retreat】
新入生のための矯正合宿。ID22まではエイプリルのみを対象に5月に開催されていたが、ID23よりセプテンを含めた10月開催へと変更された。しかしその結果、エイプリルは既にフレッシュさを失い、リトリート参加への活力を残しておらず、大量のドタキャンが発生する事態となった。ディスカッションなどを通じてICUへの理解を深めるという趣旨だが、セクメと朝まで語り合いながら親交を深めることこそが重要という説もある。
リトリート-マジック【retreat magic】
2日間のリトリートの間に恋を育み、カップルが成立するという、一般に「吊り橋効果」と呼ばれる現象のこと。「別れるまでがリトリートマジック」である。類語に「SEAプロマジック」があり、そちらの方が学内ではよく知られている。
ボール【ball】
寮生たちの社交場。雰囲気に呑まれると後に引けなくなるので注意。
らーめん【拉麺】
ICU生の主食。依存性があり、武蔵野一帯に拉麺窟が蔓延している。
学業
イー-ハンドブック【ehandbook】
①http://ehandbook.icu.ac.jp/home
②情報化時代のICUで生き残るためのバイブル。読解には語学力以上のものが要求されると評判。
イー-エル-エー【English for Liberal Arts Program】
①立派なエイプリル入学生となるための矯正プログラム。単なる英語強化学習とは一線を画す教育計画。
②Entrance of Lunatic Abyss。
イー-エル-ジー【English Language General】
ELA講師陣が提供する、ELAの発展コース群。2019年度まではELA科目として開講されていたが、2020年度より選択講座9講座のみが分離。新たに1講座がELG科目として新設され、全10講座。全てE開講ではあるが、ELA科目時代同様に通常のE開講科目としては扱われない。
イー-エル-ピー【English Learning Program】
①2011度までICUエイプリル生が受けていた矯正プログラム。
②Extremely Long Punishment。
ストリーム【Stream】
英語力を基準に区分される身分制度。ICUの英語カーストの象徴。ELP時代は3段階の「プログラム」制であったが、ELAになって4段階のストリーム制度に変わり、より厳格な身分制が敷かれることになった。「ストリームいくつ?」という言葉は上位カーストが下位カーストにマウントを取る一手段である。
レジ【registration】
①履修登録。
②各自の能力から判じ、来学期の自らの「勤勉さ」にコミットすること。
――び【――日】
レジの行われる日。および、アドヴァイザーと顔を合わせる日。成績が良くないと彼らの話が長くなり、履修にケチをつけられることもある。寝坊して行けなかったら? 罰金を取られるぜ。
アドヴァイザー【Advisor】
毎学期、学生の履修計画に助言を行う人物。英語弱者にも日本語を話せないアドヴァイザーがつくことがある。そんな時は、「Yes」の連呼で切り抜けよう。
ジェネード【General Education Courses】
一般教育科目。ジェネ、GEとも。リベラル・アーツの名の下に、内容に関わらず幅広く受講することが推奨されたコース群。制度改革により、後に残しても以前ほど障害とはならないが、当然卒業までにすべて取れなければ卒業できないので注意が必要。
キリ-がい【Introduction to Christianity】
①キリスト教概論。唯一全学生が必修のジェネード。
②ミッション系としてのアイデンティティー。落選率もそこそこ高いので早いうちから積極的な登録を。各学期の同名講座の難易度の差が影響しているのか、秋学期開講の倍率は入試より高いとの噂も。
ファンデ【Foundation Courses】
基礎科目。メジャーの選択要件を兼ねていることが多いため、よく考えて履修しないと希望するメジャーに進めないこともありうる。早期からの計画的な履修が求められる。
メジャー【Major】
大学生活というモラトリアムを有意義に活用した結果、自然と導かれるべきものであり、そう上手くは決まらないもの。幅広い分野に興味を持つ者は「メジャー難民」として彷徨い歩くことになる。
ピー-イー【Physical Education Courses】
保健体育科目。2017年度から、講義科目「健康科学」と実技科目「PEエクササイズⅠ・Ⅱ・Ⅲ」のみが必修となった。2年次以降は、各自の要望に応じて、各種の実技科目を履修できるが、70分で1/3単位と非常にコスパが悪い。
エレクティブ【Electives】
①メジャー外の選択科目。
②ELA、GE、PEを除くその他の科目の総称。
よびとうろく【予備登録】
受講定員のある科目(GE、PEを含む)の抽選に応募すること。人気のある科目、特にPEのいくつかは競争率が高く、当選した者には羨望と呪詛の視線が注がれる。4年生になれば当選確率が上がると噂されている。
ロンフォー【Long Four】
①スーパー4限の俗称。4限目に開講される、通常より35分間延長された授業形式。13時15分開始。
②3限後のランチタイムを奪い去り、通常よりも長いタームで睡魔を仕掛けてくる昼下がりの悪魔。受講者はほぼ昼食および睡眠のことしか考えていない。
ご-ろ-ち【567】
5限から7限までの連続授業のこと。選択するメジャーによってはさらに延長される。7限以降は気力との戦い。
しゅっせき【出席】
①大学生活最大にして最強の敵。
②最も誠実な授業評価指数の1つ。
デュー【due】
徹夜の翌日。何故かエッセイの提出期限であることが多い。
ミッド【mid-term examination】
中間考査。授業によってあったりなかったりする。
ファイナル【final examination】
期末考査。しばしばその後の飲み会とセットで語られる。
ジー-ピー-エー【Grade Point Average】
①各コースAからEの評価を4点から0点までの数値に換算し、それらを平均したもの。留学制度やメジャー選択にて一定値を求められる。
②勤勉度あるいは狡猾度の指数。総じて「単位取得への意欲」が数値化されたもの。
ディーンズ-リスト【Dean’s List】
①成績優秀者を表彰する制度。何かが貰えるわけでもなく、名誉称号的な側面が強いが、励みになるのは間違いないだろう。
②グレード原理主義者の作り出した妄想上の産物。
ロー-グレ【low grade】
学期GPAが1.00を下回ること。3学期連続で成し遂げるとユートピアからの国外追放処分を受ける。
シー-プロ【SEA Program】
①Study English Abroad Programの略。1年次あるいは2年次向けの、夏休みを利用した短期留学制度。1年次に既に参加した者は、2年次には応募できない。
②エイプリル生1年目の人間関係における最大のブラックボックス。海の向こうで何があったのだろう。
クリティカル-シンキング【critical thinking】
①批判的思考。意見や学説などを鵜呑みにせず、まずは批判し、より洗練された論理へと昇華させるための手段。
②本書の読解の際にも要求される一種のユーモアリテラシー。その真髄は反論を許さぬ揚げ足取りにある。
③別名:屁理屈
アカデミック【academic】
①常に権威に責任転嫁することで、疑いの目を自分に向けさせないレトリック技法。
②あてなるきんだちにのみゆるされたやんごとなきおことば。
リーブ【leave】
①教授方に7年毎に与えられる研究のための長期有給休暇(sabbatical leave)。
②雑務と学生から逃れ、他教授の視線が気になる1年間。
環境
ほんかん【本館】(英: University Hall)
幾度となく建て替える建て替えない論争を巻き起こしてきた、理学系以外のほぼすべての授業が行われる校舎。基礎は戦前に建てられた中島飛行機三鷹研究所。リフォームされた外壁からは見えぬ老朽化が心配される。2011年3月11日の震災で壁にひびが入った。
ほんぶとう【本部棟】(英: Administration Building)
①大学本部棟。学生グループ、保安グループなどの部署で構成されている。
②頻繁に利用する人と、どこにあるのかも分からない人とに分かれる建物。
アイ-エル-シー【Integrated Learning Center】
①総合学習センター。ELAの授業の一部がここで行われる。ELA教員と仲良くなると談話スペースで恋愛相談に乗って貰えるらしい。
②本館の渡殿。しばしば足を運ぶこととなるであろう薄暗い迷路のような建物。
オスマー【Mildred Topp Othmer Library】
①オスマー図書館。図書館本館に隣接する。
②使いたいときには大概埋まっている巨大なネットカフェ。ただし飲食は一部を除いて厳禁。
エヌ-かん【N館】(英:Science Hall)
①理学館。学内最大のN-220教室を擁する。
②理系の人以外にとっては未知の領域。
イー-アール-ビー【Education and Research Building】
①教育研究棟。教員のオフィスが入っている。
②建物の中は迷路のようになっており、誰もが一度は迷う。アドヴァイザーのオフィスに向かう時は、場所を確認してから行こう。
――ツー【――Ⅱ】
第二教育研究棟。あまり言うことはないが、とりあえず奥まったところにある。ICUの最奥と言っても過言ではない。
エス-シー-エイチ【Sports Club House】
スポーツクラブハウス。ジムに隣接して建てられた、スポーツ系サークルの部室棟として利用される建物。
ディー-かん【D館】(英:Diffendorfer Memorial Hall)
①旧D(ディッフェンドルファー記念館東棟)と新D(同西棟)の総称。いわゆる学生会館で、主に文化系サークルの部室棟として使われている。そのほか、旧Dはオーディトリアムを、新Dは多目的ホールや三省堂、郵便局、銀行ATMなどを擁し、あらゆる人に利用される。
②人によっては本館より滞在時間の長い建物。
ダイアログ-ハウス【Kiyoshi Togasaki Memorial Dialogue House】
①アカデミックプランニングセンターや留学生寮、会議室などを含む複合施設。2010年8月完成。
②ガッキのでかい屋根。
ガッキ【和製語 学生+kitchen】
①学生食堂。ダイアログハウス1階にある。
②雰囲気はおしゃれだが、提供される食事があまりおいしくないので評判はいまいち。ただ、パンとコーヒーは美味。名物はタイル丼。
きゅうりょう【旧寮】
現存する寮では第三女子寮、第四女子寮、カナダハウス、グローバルハウスが該当する。かつては、第一女子寮、第二女子寮、第一男子寮、第二男子寮が存在した。歴史ある寮が多く、独自の文化が発達しており、それぞれのクセが強い。
しんりょう【新寮】
欅寮、銀杏寮、樫寮が該当する。旧寮より規模が大きく、設備も整っているという。一方で、門限や監査の厳しさを嘆く声も聞かれる。
しんしんりょう【新新寮】
楓寮、樅寮が該当する。2017年度に完成した最も新しい寮。本来なら「新寮」と呼称されるところだが、欅寮、銀杏寮、樫寮が「新寮」の名称で定着しているため、このように呼ばれる。
チャペル【University Chapel】
①大学礼拝堂。礼拝中は教会周辺で音出し禁止令が敷かれる。
②多くの人間がほぼ毎日目にしているにもかかわらず、そのほとんどが入学式と卒業式でしか利用しない、名実ともにICUの象徴たる建物。
メルボ【Mail Box】
①本館1階にある。サークルのフライヤーや催し物の広告などが詰め込まれるが、大抵回収されない。待ち合わせ場所の定番。
②2017年度から、2年次以上の学生は希望者のみが利用できる。
ばか-やま・あほ-やま【ばか山・あほ山】
①本館前の2つの丘。とても日当たりが良く心地よいので、学生が授業をサボって昼寝をしてしまい「ばかになる」「あほになる」というのが名前の由来といわれている。本館に向かって右側があほ山で、左側がばか山。しかし以前は逆だったとの証言も存在する。
②自由人達の墓場。
ほんかんまえしばふひろば【本館前芝生広場】
「ばか」や「あほ」という言葉を嫌い、自分を卑下することのできない「ばか」や「あほ」が、ばか山とあほ山を呼称するときに使われる。
まぬけ-やま【まぬけ山】
新D館のすぐ側にある、ばか山・あほ山よりも更に小さな丘。2つの丘に比べて日当たりが悪く、芝生が禿げているので、利用者が少ない。そもそも存在があまり知られていない。
はなみち【花道】
ばか・あほ両山の間隙を抜ける細道。そこには譲る者と譲られる者、譲らせる者の3種類の人間しかいない。
かっそう-ろ【滑走路】
①正門からチャペルまで続く桜並木、マクリーン通りの俗称。
②バス1区間分のその長さにより、多くの「起床に不自由な人々」を苦しめてきた一本道。遅刻の理由に使われることがある。
エネ-もん【エネ門】
正式名称裏門。大学の南東に位置する、東八道路へと出るための門。門を出てすぐのところにENEOSがあるため、こう呼ばれる。侮れない交通量を誇る、東八道路での消費物流の要。旧称JOMO門。旧称は、かつてそこにあったモニュメントにより命名されたという。
ハイ-もん【ハイ門】
ICU高校の東側に位置する門。通用部は非常に狭いが、武蔵境駅へのゲートウェイとして盛んに利用されている。閉門時間に注意。入試期間には、一時的に車止めが撤去される。
ハイ-うら-もん【ハイ裏門】
ICU高校の北側、大学から見て高校の裏側に位置する門。東小金井方面に向かう際もっとも効力を発揮するが、原住民のトレイルと化している。
キャンプ-じょう【キャンプ場】
グラウンド奥、アーチェリー場に隣接する小さなバーベキューサイト。SCHにて予約することにより利用可能。夏は言わずもがな、秋も焼き芋で賑わう。
のがわ-こうえん【野川公園】
ICUに隣接する巨大な公園。元々は、ICUのゴルフ場だった。
かるいざわ【軽井沢三美荘】
①自然豊かな避暑地に位置する宿泊施設。学生サービス部にて予約されたし。
②行きし者のうち、帰りしものはみな黙して語らず。
なす-キャンパス【那須キャンパス】
かつて多くのサークルやゼミが合宿を行っていた研修施設。老朽化と東日本大震災の影響により、施設は一部損壊しており、利用できない。2015年に、太陽光発電所が建設され、そこで発電した電力を東◯電力に供給している。発電した電力で仮想通貨のマイニングをしているという噂も……。
棲息動物
からす【烏】
ICU全域に生息。日中に遭遇すること多し。人類に先んじて世界に放たれた歴史を持ち、わずか10グラムの脳に人類を翻弄する知性を秘めし生物。頭の緩い、ばか山民の上位捕食者。
ねこ【猫】
ICU全域に生息。終日遭遇。年中昼寝ばかりしている。勉強に疲れたICU生の癒し。つれない態度もまた愛らしい。
たぬき【狸】
ICU全域に生息。主に夜間遭遇する。
アナグマ【穴熊】
生息域不明。しばしば狸と見間違われる。「◯ーウィンが来た」で紹介されて以降、名前を冠したワインが発売されるなど着実にドル箱への道を歩んでいる。
じてんしゃ【自転車】
ICU全域に生息。1810年代にドイツのドライスが考案し、多くのICU生の足となるべく生まれたアルミニウム製の馬。武蔵境駅への最短経路には、その道程を示す注意看板が立っている。
ランダム-ファイブ【random five】
一般入試の不合格者の中から5名が復活合格する制度があるという都市伝説。5名ではなく、5%だとする説もある。
ウィークリー-ジャイアンツ-コーポレーション【Weekly GIANTS Co.】
新聞発行団体。通称WG(ウィージャン)。日々詭弁を弄し、退屈と戦う。興味が湧いたなら、いつでも新D372号室までおいでませ。
E-Mail:weeklygiantsco@gmail.com
【織村紅羅璃】【社畜のアルマジロ】【痴人】