ICU入試直前!
総合教養(ATLAS)の試験形式の確認と対策

 

<独特の試験>

総合教養(ATLAS)は幅広く教養を問う、ICU独自の入試科目である。この記事では総合教養の試験形式を確認しながら、対策法を考えていきたい。

 

<試験の形式を把握しよう>

総合教養は80分の試験で、冒頭に約15分の講義を聴いて、残りの時間で問題に答える形式である。放送中はメモ用紙にメモを取ることはできるが、問題冊子はシールが貼られており、放送中は問題冊子を見ることができない。放送終了後に指示に従って問題冊子の封を解き、問題を解く。

▲ 総合教養ではメモ用紙と問題冊子がそれぞれ1部ずつ配布される

 

<放送時間と試験時間>

総合教養では冒頭に約15分の講義が放送される。放送時間は年度によって異なるため、実際の回答時間も年度によって異なる。放送時間と回答時間の関係性を示したのが以下の表である。

▼ 総合教養の年度別の放送時間と回答時間

年度試験時間講義の放送時間回答時間
201880分00秒14分43秒65分17秒
201980分00秒17分03秒62分57秒
202080分00秒14分55秒65分05秒

上記の表でみられるように、講義時間は概ね15分であるが、2019年度のように17分以上の講義が放送される場合もある。この場合は回答時間が短くなる点に注意したい。概ね放送が終了してから1時間程度の回答時間があると覚えておくと良いだろう。

 

<問題構成を確認しよう>

総合教養は4つのPartに分かれており、Part Iでは放送講義の内容に即した問題、Part IIからIVはそれぞれ人文科学、社会科学、自然科学の論文を読んで答える問題が出題される。


 

<資料の分量は?>

Part II, III, IVではそれぞれ3,000文字程度の論文が資料として出題される。2020年度の場合、論文の長さは合計で8,760文字であった。同年度の人文科学(試験時間80分)に出題された論文の長さが約10,500文字であったから、分量としてはその8割程度に相当する。総合教養の実質的な回答時間が60分程度であることを踏まえると、迅速に論文を読んでいくことが要求されている。ただし後述のようにPart IVの自然科学では読解問題はあまり出題されないので、必ずしも論文全体を読む必要はない。

▼2020年度総合教養 論文の文字数

Part II(人文科学)Part III(社会科学)Part IV(自然科学)合計
2,9302,6503,1808,760

 

<出題される問題の分類と割合は?>

2020年度の総合教養の40問を読解、知識、聴解、判断推理、演算等の5つに分類し、その構成比を示したのが以下のグラフと表である。厳密には区分が曖昧な問題も含まれるため、構成比はあくまでも目安ではあるが、概ね全体の半分の53.5%が読解および聴解の問題であった。特徴として、聴解問題(放送講義の内容を問う問題)はすべてPart Iで出題されており、他のパートでは出題されていない。また、読解問題はPart IIに多く、Part III , IV ではあまり見られなかった。これに対して、知識問題や判断推理の問題は後半のPart III, IVで多く出題されている。


▼ 2020年度総合教養 Partごとの分類別の出題数

 読解問題知識問題聴解問題判断推理演算等合計
Part I0181010
Part II9001010
Part III3304010
Part IV1502210
合計13988240

 

<出題の分類を踏まえた上で、どの順番で解くべきか?>

まずは放送された内容を記憶している内に講義に関する問題に答えるべきであるから、Part Iを最初に解くべきである。Part II以降は好みの順番で良いが、前半は読解問題が多く、後半ほど知識問題の割合が増えるため、時間のかかる読解問題を先に終わらせるという意味では、Part II, III, IVを順番に解いていくと効率がよいだろう。

 

<メモ用紙とメモに関して>

メモ用紙として配布される冊子にはあらかじめ放送講義におけるアウトラインが記入されているため、このアウトラインに沿ってメモを取っていくとよい。メモ用冊子は表紙を含めてB5サイズ換算4枚で、メモを取るスペースは十分に確保されている。年度によっては講義に関連する図などがメモ用冊子に印刷されている場合もある。放送される講義のメモを取る際に、細かくメモを取るか、ポイントだけメモを取るかは、受験生の間でも意見が分かれる部分である。実際に総合教養の過去問を解いてみて自分にあったやり方を見つけておきたい。

 

<Part IVの自然科学分野の出題に関して>

Part IVは自然科学分野からの出題であるが、ICUは文系の受験生の割合が高く、Part IVが苦手という人が少なくない。しかし、一部難しい出題が見られるものの、問題の大半は高校理科の基礎系科目の範囲から出題されている。文系の学生であっても、高校の授業をきちんと受けていた受験生ならば解ける問題が中心であり、中学理科で学ぶ範囲の常識問題も出されている。また、式を立てて答える演算の問題は例年1, 2問程度であり、計算が必要な問題の出題は比較的少ない。諦めずに1問でも多く問題に答えることが重要である。

なお、2020年度の場合、Part IVでは論文の内容を理解した上で答える読解の問題は1問だけであった。自然科学に関しては必ずしも論文全体を読む必要はなく、問題で問われている箇所だけを読むべきだろう。

 

<試験直前にできる対策法は?>

形式が独特であるため、少なくとも一度は総合教養の過去問の演習を行って、試験の形式を把握しておくとよい。昨年度の過去問はICUのWebサイトで閲覧可能である。演習の際は放送開始から80分の制限時間をきちんとはかり、時間配分を確認してから入試に臨みたい。

▼昨年度の過去問(ICUのHPより)
https://www.icu.ac.jp/admissions/undergraduate/exam/general/

 

<追加の対策は>

総合教養は形式が独特であるため、慣れがものを言う試験である。また、出題には一定の傾向と偏りがあるので、もし時間があるのであれば過去問を遡って解くとリターンの大きい科目である。ICU入試情報サイトBUCHO.NETのオンラインレクチャーでは過去に出題されたすべての年度の総合教養に加え、過去30年以上のICU入試の過去問の演習が可能である。

 

(筆者はWGOBでICU入試情報サイト「BUCHOのICU受験対策」(https://icu.bucho.net/)を運営。「ICU BUCHO」で検索。)

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