ELAって? ―ELA徹底解説―

 

 受験生諸君の中にも、充実した英語教育を理由にICUを志望した人はいるだろう。ICUには、英語を母国語としない学生を対象としたEnglish for Liberal Arts Program(ELA)というプログラムがあり、4月入学の1年生は必修となっている。ELAとはいったい何なのか? その概要を説明しよう。

 

▼習熟度別課程分け制度

 まず入学前に、現在の英語力とこれまでの海外経験、英語でのライティング経験についてのアンケートが配布され、入学式の翌日にはTOEFL ITPを使ったプレイスメントテストが行われる。このテストのスコアとアンケートの結果をもとに、Streamと呼ばれる各課程に振り分けられる。というのが例年の流れであったが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で従来のプレイスメントテストの代わりにライティング課題と英語によるオンライン面談課され、その結果をもとにStreamが振り分けられることとなった。来年度についても、感染拡大の状況次第で、Stream分け試験の形式は変わってくるだろう。

また、Stream内にはセクションというものが存在する。これは高校でいうとクラスのようなものである。各々のStreamのおおよその人数と授業数は、以下の2つの表を参考にしてもらいたい。     

      

StreamSectionsStudentsTOEFL iBT RangesTOEFL PBT Ranges
1120100+600+
248080-100550-600
31734045-80450-550
4612020-45350-450

▲各セクションに関する情報

  

▲ELAのカリキュラム(セクション別)

  

▼ARW(Academic Reading and Writing)

全てのStreamの学生が履修する。ARWでは、専用のテキスト“ELA Reader”を使用し、学術的な英文の読解や書き方を学んでいく。また、その内容についてのディスカッションも行う。テキストといっても、高校時代に使った英語の教科書とは大違いで、その実態は学術論文集である。大量のリーディングを課され戸惑う新入生も多いと思うが、予習さえしっかりしていれば、そこまで恐れることはないはずだ。

  

▼RCA(Reading and Content Analysis)

 Stream3, 4の学生が受講することになるRCAでは、速読に重点を置くARWとは異なり英文をじっくりと精読する方法を学んでいく。この授業でも前述のテキストを使い、文章の構成や構造を明らかにする訓練に取り組む。さらに英文の要約や言い換えといった能力を磨くライティングの課題も出される。

  

▼AS(Academic Skills)

 Stream2, 3, 4の学生を対象に開講される。この授業ではリスニング、スピーキング、ノートの取り方、プレゼンテーションといった実践的な技術を学んでいく。Stream3では、ディベート、文法、発音などの技能を強化する選択必修科目もある。いわば、ASは英語開講のICUの授業を受けるためのスキル育成を目的とした授業なのである。「読み書きはできるけど、会話はちょっと……」という人には、英語力を鍛える良い機会になる。

  

▼RW(Research Writing)

 Stream1, 2では1年次に、Stream3, 4では2年次に設定されている。ELAの集大成となる科目で、アカデミックなテーマに関する論文を作成する。初めて英語で長文(1500~2000語)を書く機会になるだろうが、授業を終える頃にはICUで学んでいくのに十分な英語力が身についているはずだ。またStream4では、FRW(Foundations of Research Writing)というRWへの準備科目が2年次の春学期にある。

 

▼IELTS

 1年生のELAのカリキュラムを全て修了後、希望者はIELTSを受験する。IELTSには、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングのテストがあり、総合的な英語力を試すことができるよい機会になるだろう。受験料25,380円は大学側が負担する。公式のテストなので、留学などの際にスコアを活用することができる。

 

▼コロナ禍のELA

 コロナ禍の今年度は、ELAの授業もオンライン形式で開講することを余儀なくされた。秋学期からは、1年生が受講するELAの授業に関してはハイブリット式という授業形態がとられ、学生自身が授業をオンラインで受講するか、対面で受講するかを選択できるようになったが、それでも従来の対面式のELAとは全く異なる方式となってしまった。

 次の記事では、今年度実際にオンラインでELAを受講したID24の二人の学生が、授業を通して得た経験や率直な感想を語っている。【グレイ・アール・うじ】

 

▼オンラインELAの悲喜こもごも(1/21(木) 20:00 掲載)

http://weeklygiants.co/?p=9530