【夏期留学プログラム体験記】香港中文大学

ICUの2ヶ月間以上に渡る長すぎるような夏休みの間、筆者は記事の表題の通り、香港での1ヶ月間程の短期留学に参加していた。今回、筆者はICUの夏期留学プログラムの中からThe Chinese University of Hong Kong(香港中文大学)International Summer School (July Session)に参加した。この記事では、筆者の留学の様子をお伝えしたい。

 

留学先の環境

香港は非常に湿度が高く、夏の間は非常に蒸し暑いため、到着直後は、はっきり言うと香港はとても過ごしにくい場所のように思えた。また、留学先の香港中文大学はキャンパスが一つの山の中に広く位置しており、図書館や講義棟、寮まで全てが緑豊かな環境に囲まれている。その上、香港の非常に雨が多い気候のためか蚊が多く飛び、虫刺されによるかゆみにしょっちゅう襲われていた。しかし、慣れてしまえば特に問題はないと思われる。

 

また、香港中文大学のキャンパスは中心部から離れているものの、学内にはスーパーマーケットや理髪店まであるので、日常生活を送る上で困ることはほぼないだろう。山がちなキャンパスであるが、学生や教職員向けのバスがキャンパス内を頻繁に走り、日常的にキャンパス内の移動に使われていた。複雑なルートを走るバスや、午後七時以降の夜間に走るバスは便数が極端に少なくなるので、車内の混雑などに最初は戸惑ったものの、しばらくすると慣れる事ができた。

 

▲山がちなキャンパスに大規模なビルが数多く建てられている

 

香港中文大学のこの夏期プログラムに参加した学生は、おそらくほぼ全員がキャンパス内に建っている和聲書院(Lee Woo Sing College)という寮に滞在していた。寮の設備は充実しており、各フロアにはトイレとシャワーが備えられていた他、洗濯機と乾燥機も地階に複数台設置してあった。また、和聲書院にも食堂やレストランが3つあり、悪天候の際には、学内に数多く存在している他の食堂に行かなくともそのまま寮の中で食事を摂る事ができた。

 

▲寮の部屋は二人部屋で、各個人が棚や鍵のかかる引き出しも与えられる

 

寮は二人部屋で、それぞれベッド、机、棚、そして鍵のかかる引き出しが与えられる他、部屋には小さいながらも冷蔵庫が一台備え付けられていた。そして、夏の暑さが非常に厳しい香港では必要不可欠なエアコンと扇風機も部屋に設置してあった。

 

留学先での授業

授業ではBusiness and Managementや、China Studiesなどの文理を問わない幅広い領域の26種類の授業の中から、広東語を学ぶことのできる”Application of Vocabulary and Grammer I (Cantonese)”と中国映画史を学ぶことのできる”China on Screen”の二つを履修した。

 

筆者が履修した広東語の授業は初級のクラスで、今まで広東語を学習したことのない学生向けだった。そこでは、主に文法事項を学びながら、発音も練習していった。しかし、十数人程いたクラスの学生の大半を占めていた中国本土出身の学生たちは筆者よりもかなり広東語の飲み込みが早かったので、ついていけるか心配だったがどうにかやっていく事ができた。

 

中国映画史の授業は主に教員による講義と授業中の映画上映がメインに進行していった。この授業も含め、語学科目以外の全ての講義の開講言語は英語であった。この授業では1930年代頃の上海で製作された映画から、現代のドキュメンタリー映画まで幅広く中国映画について広く学ぶ事ができ、自分の知的好奇心を大いに満足させるものだった。また、短い期間ではあるが、課題として合計で3つの映画分析などに関するレポートを提出した。

 

加えて、授業は毎週火曜日、水曜日、木曜日に開講される。そのため、金曜日から翌週の月曜日まで一週間に4日間の休みがある。休みの間、筆者は授業の予習、復習や買い物や洗濯に励んだ他、香港の各地を散策したり、近隣の深圳やマカオを訪れる事ができた。香港から遠く離れた欧米圏から参加した学生の中には、4日間の休日を使って日本や台湾、ベトナムを訪れる者もいた。

 

▲留学期間中に日帰りで訪れたマカオの街並み

 

最後に

今回、香港に留学して本当に良かったと感じている。香港に留学する前は、初めての留学ということもあって少し不安な気持ちだった。しかし、各地から来た学生と親しくなる事ができた他、留学期間の間に大きなトラブルに巻き込まれることもなく、楽しみながらも自分の興味ある分野の勉学に励むことができたので、全ては杞憂だった。少しでも短期留学に興味を持つ学生に香港中文大学への留学を考えてもらいたいと心から思う。