Youは何しにICUへ? 2021 -第一弾-
WG新メンバー編

 近年、人手不足に喘いでいたWeekly GIANTS Co.(以下、うぃーじゃん)。しかし、今年度は10名以上のメンバーが我々の仲間に加わってくれた。そこで、今回は新しくうぃーじゃん社員となったID25の5人(青木さん、入口さん、大澤さん、小室さん、南郷さん)にインタビューを実施した。大学生活が始まっておよそ二カ月、果たして彼らはどんな思いで大学生活を送っているのだろうか。

(※インタビューは再構成済み) 【取材: 氏原拳汰 (ID23)】

――志望動機・入試

氏原:まず、ICU入学の決め手を教えてください。

大澤:私の場合は、叔父がICUの大学院に通っていたため、昔からICUのことを知っていて興味がありました。受験期になって大学について色々と調べていくうちに、ICUがリベラルアーツの学びができる大学だということを知りました。当時私は、凄く色々なことに興味があって、大学で何を学びたいかというのが明確に決まっていなかったので、とても私に合った大学だなと感じたんです。実際にオープンキャンパスに行ったときに「あっ、ここだ!」と直観し、受験を決めました。

南郷: 僕は指定校推薦なんですが、推薦リストの一覧にあった大学を比較したときに、リベラルアーツに興味を惹かれて受験を決めました。ただ、受験もオンラインだったので、実は入学するまでICUに来たことは一度もありませんでした(笑)。大学を決めるにあたっては、インターネット上の情報と先輩からの話を参考にしました。

氏原: なるほど、受験もオンラインだったんですね。そうすると、受験の対策の仕方もコロナ前の世代と少し変わってくるんですかね。皆さんは、入試で特別な対策などはしましたか。

青木:私はユニバーサル・アドミッションズ*¹という入試形式だったんですが、とにかくIB*²のスコアを上げようと必死に頑張りました。ですが、それ以外に何か特別な対策はしなかったと思います。通常だと、筆記のエッセイの試験と面接試験をICUの会場で受けるのですが、それらも全てオンラインで行う形となり、強いて言えば面接対策くらいですかね。

氏原:面接といえば、ICUの面接試験ってとても独特な雰囲気じゃなかったですか?僕は二年前、指定校推薦で受験をしたんですが、日本の大学の面接試験って、すごく礼儀とかを重視すると思うんです。ドアを何回叩いて、「失礼します」と言ってから何秒お辞儀して……という感じで。僕も高校で面接対策やったときに、その作法を叩きこまれたのですが、いざICUで面接を受けてみると部屋に入るなり、「あっ、荷物そこにおいて、どんどん座っちゃって!」って言われて(笑)。その後もすごくフランクな感じで面接が進んでいったので、むしろ不安になったことを覚えています。

青木:うーん……。今回はそもそも、面接がオンラインだったので、今年はそういうことはなかったですかね……。

氏原:あっ、確かに。そしたらこれは、ちょっとしたジェネレーションギャップになりますね(笑)。

*¹ユニバーサル・アドミッションズ: 4月帰国生入学試験

*²IB: 国際バカロレア

 

――留学事情

氏原:ちなみに、青木さんは大学に入る前ラオスに住んでいたということですが、そのときの経験がICUへの入学を決めたことにつながっていたりしますか。

青木:はい。つながっていると思います。ラオスにいたとき、ほぼ不可抗力で現地のIB校に入学したのですが、日本のIB教育も提供している高校では、毎年ICUを受験する人が多かったんです。そのため、周りの友だちにも、ICUに行きたいという人が結構多くて。それに、日本語中心の環境で学ぶことが難しいと感じていた私にとって、国際性が強く、バイリンガル教育を行っているICUの環境はとても魅力的でした。

氏原:他にも留学経験のある人はいますか。

大澤:私もアメリカのオレゴン州に留学したことがあって、AO入試の小論文でもその経験を書きました。私は元々仏教高出身だったのですが、留学先で初めてキリスト教と出会いました。そのときの経験から、キリスト教精神に基づいた教育を行っているICUに対する興味がさらに深まりました。

氏原:やはり留学の経験って、学生にとってとても大きいですよね。今年はSea program*³(以下、シープロ)ってあるんですか。

入口:一応あるんですが、オンラインです。

氏原:シープロもオンラインなんですね。この中で参加する人はいますか。

入口:私はイギリスのサセックス大学に留学する予定です。

小室:私もシープロに参加する予定で、カナダのマギール大学に留学します。

入口:おぉぉぉぉ!やったぁ!

氏原:仲間が見つかって良かったですね(笑)。期間は以前と変わらない感じですか。

入口:そうですね。約6週間です。それと、サセックス大は授業が午後5時~7時に行われるので、夜は留学して午前中はバイトを入れようかなと思っています。

小室:私はその逆で、朝に授業を受けて午後にバイトっていう感じですね。

氏原:留学中にバイトをするって、不思議な感じがしますね(笑)。でも、それもコロナ禍ならではの貴重な経験だと思います。

*³SEA program: ELA履修中の一年生を対象に行われる海外英語研修プログラム。

 

――大学でやってみたいこと

氏原:留学以外にも、大学生になってやってみたいことがある人がいれば、是非教えてください。

大澤:他大学の学生とも関わりを持ちたいですね。もちろん学内の学びと同時進行で、社会とも少し触れながら学生生活を送っていきたいです。

氏原:人とのつながりが失われつつある今だからこそ、そういう関わりは大切にしたいですよね。

大澤:そうですね。ICU内部とのつながりはもちろん、外部とのつながりも積極的に取り入れていきたいです。

南郷:自分は、結構ぼんやりとした生き方をしてるのでこれといったものはないですかね。でもちゃんとした大学生になって、ちゃんと就職したいなっていう思いはあります。今のところ、授業はモチベーションを持って受けられているのですが、課題を直前まで溜めてしまうタイプなので、そろそろ変えないとなと思っているところです。

青木:私は、日本の学校でサークルなどのコミュニティに所属するのは今回が初めてなので、部室を是非利用してみたいです。

氏原:うぃーじゃんの部室は「沼」ですよ。

青木:楽しみです(笑)。

入口:少し考えているのが、卒論で東京ディズニーランドについての研究をしたいと思っています。個人的に、東京ディズニーランドでは、アメリカのマイノリティの文化が搾取されていると感じるんです。だから、それをテーマにして詳しく調べてみようかなと。ただ、この研究をするために何のメジャーを専攻すれば良いかは、まだ良く分かっていないんですが……。

氏原:興味深いテーマですね。入口さんはディズニーが好きなんですか。

入口:何だろう、ディズニーに対して昼ドラ的な感情を抱えてて……。

氏原:どういうこと(笑)?

入口:私の中で愛情と憎しみが渦巻いているんです。好きだからこそ、ディズニーにはちゃんとしていてほしいんですよ。でも結局、そうしてくれないから、私の恨みを買ってしまっているというか……。

氏原:中々、発想が斬新ですね(笑)。他にも、こういう勉強や研究をしてみたいというのがある人はいますか。

小室: めちゃくちゃ趣味の話にはなってしまうのですが、ずっとピアノをやってきたので、「MUS204 オルガン音楽入門」を履修して、ICU教会のパイプオルガンを弾きたいです。ただ、事前にオーディションがあるんですよね……。

青木:実は私もその授業をすごく取りたいんですけど、オーディションが苦手で……。

小室:でも今は、演奏をしている動画を送るという形式らしいので、苦手でも大丈夫かもしれません!

大澤:パイプオルガンってすごく素敵ですよね。私の叔父も、ICUに通っていたときパイプオルガンを弾いたことがあるらしくて、羨ましいなと思っていました。言葉に表せないくらい美しい音色で、聞く度に癒されます。

 

――授業・課題

氏原:今のところ、オルガンの授業に興味がある人が多いみたいですね。ちなみに今学期、皆さんは何の授業を履修していますか。

南郷:僕はELAの授業と、「GEX001 キリスト教概論」、それに「HST102 西洋史(イギリス)Ⅰ」ですね。西洋史の授業は、高校のときよりも詳しく学べるのでとても面白いです。

小室:私も西洋史の授業を履修してます。高校の世界史だと、主に経済などにフォーカスを当てて歴史を学ぶと思うんですが、この授業では宗教を通して歴史を学べるのが面白いです。そういう視点から切り込んだ方が、歴史って面白くなるんだなという新しい発見がありました。でも、宗教ばかりが取り上げられている感じも……(笑)。

南郷:僕はそれに加えてキリスト教概論も取っているので、今学期は宗教の勉強にどっぷり浸っています(笑)。

青木:私はELAと、「GEH023 フランス文学」、「MCC103 カルチュラル・スタディーズ入門」などを履修しています。

入口:私もカルスタとってますよ!

大澤:私もカルスタとフランス文学もとってます。めっちゃ一緒ですね!

青木:おぉぉぉぉ!

氏原:皆さんの中に思わぬつながりがあって良かったです。中間レポートとかはどんな感じですか。

入口:「ANT102 現代人類学の諸問題」という授業も取っているんですが、個人的にそのレポートがかなりきついです……。

小室:私は西洋史の中間レポートがまだ終わってないですね。南郷さんは終わりましたか。

南郷:僕はまだ全然手をつけていないレベルです(笑)。一応史料は読んだんですけど、全然頭に入ってこないですね……。

小室:私も全然分かんないです(笑)。あと「GES019 日本国憲法」も履修しているのですが、そのプレゼンの準備が結構忙しくなってきました。

青木:私は三教科分くらい中間レポートがあるんですけど、「まだ大丈夫。あと一日ある!」みたいなノリで何とかやってます。今日中に提出しないといけないけど、まだ10時だからまだ大丈夫みたいな(笑)。中には、レポートに書くべき内容が良く分からない科目もあったりするのですが、そういう場合は教授にメールをして聞くようにしています。あと、ELAが普通に大変です。

大澤:ELAの課題は大変ですよね。私のクラスだと毎授業ごとに課題があって、決められたトピックに対して300wordsくらいのエッセイを書かなければいけないんです。

青木:私も多分、大沢さんと同じ先生です。自分が書いたエッセイに対して先生が返信してくれるのですが、その返信にまた返信しなくてはならず……。

大澤:何かどんどん、クラスの中でそれをやっている人数が減っていくんですよね(笑)

 

――「高校の学び」と「大学の学び」の違い

氏原:聞いている感じだと、皆さん勉強や課題で中々忙しそうですね。やはり、高校までやってきた勉強と大学に入ってからの学びは何かが変わりましたか。

大澤:個人的に、分からなくなることが多くなったと感じます。高校のときは皆がやるような勉強を同じようにやるという感じだったと思うのですが、大学に入ってから、授業中に言っていることを100%消化しきれなかったり、ぐるぐると考えを巡らせるといったことが増えました。

南郷:あとやっぱり、教授個人の考えを直接教えてもらっている感じがします。高校までは教科書に書いてあることをそのまま勉強するだけでしたが、大学に入ってからその内容がすごく専門的で細かくなったと思います。

小室:私は「コメントシート」があることで、授業に対するリアクションが高校よりも行いやすくなったと思います。実際に私も西洋史の授業のときに、コメシでその授業の内容に関する詩を書いたことがあって、それを先生が授業で取り上げてくださったのがすごく嬉しかったです。

 

――不安なこと

氏原:大学に入学してしばらく経った今、何か不安なことはありますか。

入口:広い意味で将来が不安です。地球、今やばいし(笑)。

氏原:コロナ禍だと先が見えないですよね。大学入試ももちろんですが、コロナによって就活にも非常に大きな影響がありますし……。

小室:私は大学の成績ですね。指定校推薦で入学したこともあり、成績というものに固執した高校時代を過ごしてきました。なので、テストを受けるとなると今でも不安です。

南郷:僕も成績が気になります。何をしたら良い成績を取れるのかがいまいちはっきりしないので……。あと、大学のテストってどんな問題がでてくるんだろうという疑問があります。

氏原:指定校推薦受験の学生だったら、誰しもが共感できる部分なんじゃないかなと思います。僕も最初のころ、成績やテストについてはかなり不安でした。でも、結果的に何とかなるので安心してください。もし不安が大きければ、同じ授業をとったことのある先輩とかに聞いてみると、結構色んな情報が得られますよ。偶然にもうぃーじゃんには歴史学メジャーの先輩が多いので、西洋史の授業のことなどで分からないことがあれば、いつでも喜んで相談にのってくれると思います!

南郷:ありがとうございます。

氏原:ちなみに皆さん、履修登録は大丈夫でしたか。

入口:だまされた……。

氏原:何かあったんですか(笑)。

入口:ジェネ*⁴もファンデ*⁵もそんな変わらないから大丈夫だよって色んな人から言われて、その言葉を信じてファンデをニ科目履修したら、今めっちゃ大変で死んでます……。同級生とか寮の子とか、可能な限り情報に踊らされた結果、今とても苦労してます。それによりによって、レポート中心のファンデを選んでしまって……。そもそもELAでそんな調べる時間ねえよって(笑)。

氏原:ご愁傷様です。

*⁴ジェネ: General Education の略。一般教育科目のこと

*⁵ファンデ: Foundationの略。各メジャーの基礎科目のこと

 

――読者の方に対するメッセージ

氏原:最後に、うぃーじゃんの読者の皆さんにメッセージをお願いします。

入口:最近、暑い日が続いておりますが、読者の方も体調に気をつけてお過ごしください。

南郷:ちゃんとした大学生活を過ごして、ちゃんとした大人になるためにも色々と頑張るので、応援よろしくお願いします。

青木:言葉や文章が足りない部分があるかもしれませんが、頑張りたいと思います!

大澤:ICUのキャンパスライフを少しでも面白いものにしたり、興味が持てるようなものにしたりすることができるように力添えできればと思います。よろしくお願いします。

小室: とりあえず、見つけて読んでください。セクメ*⁶に聞いたら誰もうぃーじゃんのことを知らなかったので(笑)。

*⁶セクメ: ELAのセクションメイトのこと

 

 今回のインタビューで様々な思いを語ってくれた新しいうぃーじゃん社員たち。この他にも今年度、たくさんのメンバーが仲間に加わってくれた。新たな仲間とともに歩むうぃーじゃんの今後に、乞うご期待!【氏原拳汰】

 

▼今回の取材の様子はこちらから!

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