【新入生歓迎特集】
東京都3部リーグ昇格!
― ICUFCの進化に迫る―

 

 昨年12月、国際基督教大学サッカー部(以下、ICUFC)が、第53回東京都大学サッカーリーグ戦4部で見事優勝を果たし、東京都3部リーグへの昇格を決めた。2019/2020シーズンにICUFCのキャプテンを務めた内藤大貴さん(ID22)へインタビュー取材を行い、大会を通して感じたことやICUFCというチームの特徴についてお話を伺った。(※インタビューは再構成済み)

 

▲国際基督教大学サッカー部(ICUFC)

 

――4部優勝・3部昇格、本当におめでとうございます。3部昇格となったのはいつ以来のことでしょうか。

 3部昇格は4年ぶりになりますね。ちなみに、4部での優勝も10年ぶりのことでした。

 

――優勝が決まったとき、キャプテンとしてどんなことを感じましたか。

 もちろん優勝できたことに対する喜びや達成感もありました。しかし、やはりキャプテンとしてチームを4部から3部へ昇格させなければならないというプレッシャーをずっと感じていたので、自分の中では「ようやくホッと一息つけたな」という想いがとても大きかったです。

 

――今回はコロナ禍でのリーグ戦となりましたが、普段の大会との違いはありましたか。

 コロナの対策で、スタメンやベンチのメンバー、そして限られたスタッフしか試合会場に足を運ぶことができませんでした。さらに無観客試合であったため、今までと全く違う雰囲気のリーグ戦であったという印象があります。

 そして、大学側が構内のグラウンドの使用等を制限していたことから、大会直前まで練習を行うことすらも難しい状況でした。しかし、多くの体育会系の団体と連携しながら大学側と協議を続け、最終的に練習の許可を頂くことができました。大学関係者を含め、様々な方々から協力を得られたことは非常に大きかったです。

 

――そのようなプレッシャーやコロナ禍による制限もあった中で、見事3部昇格できた理由をどう考えますか。

 チームにとても一体感があったと思います。サッカーの練習はもちろん、チームの運営についても、学年や競技における実力に関係なく取り組める環境だったことが、今回の良い結果にもつながったのだと感じています。

 

――とても結束力の強いチームなんですね。しかし、コロナ禍で思うように練習を進められない中で、どのようにチームの一体感を保っていたのでしょうか。

 コロナ禍でサッカーができないということは、個人としても辛かったですし、チームとしても目的意識や一体感が無くなってしまう時期もあり、非常に苦しかったです。しかし、オンライン上で定期的にミーティングを開いて、選手たちとできるだけコミュニケーションをとることを意識したり、チームの目標・ビジョンを再確認するような機会を設けたりすることで、徐々にチーム全体の結束を高めていきました。

 そして、サッカーができない分、チームの運営面に力を入れました。それにより、チーム全員がICUFCをより発展させていこうというモチベーションを保つことができ、それが3部昇格という目標をチームとして持ち続けることにもつながったと思います。

 

チームの結束力が強さの秘密!

 

――なるほど。サッカーの技能面はもちろん、チームの運営にも力を入れているのですね。

 そうですね。僕は中学・高校のときも所属していたサッカー部でキャプテンを務めていました。当時から試合に出ることができない人も含め、チーム全員のモチベーションをどのように保つかという点について課題を感じていました。そのため大学では、実力関係なく、メンバー全員が高いモチベーションで活動に取り組めるような組織を作っていきたいという気持ちがありました。そういったチーム作りに挑戦する中で、仮に試合に出ることができなくても、メンバーたちが様々な面からチームに貢献できるような場を設けたいと思い、運営にも力を入れました。

 

――具体的には、どのようにチームを運営しているのでしょうか。

 簡単に組織図を話すと、キャプテンや副キャプテンの他に、SNS担当や、スポンサー契約を担当するプロモーション担当など、チーム内にいくつかの部門が存在しています。基本的にはメンバー全員が何らかの部門に所属し、役割を持って活動しています。そのため、決してトップダウン式の組織構造ではなく、チームに所属している一人一人が様々なフィールドにおいて活躍することが可能です。

 

――スポンサー契約を担当する部門もあるということでしたが、スポンサーがついている大学のサッカーチームというのは、中々珍しいですね。

 そうですね。1部リーグ等に所属している強豪チームだと企業側からお話があると思うのですが、自分たちは4部リーグに所属していました。その中で何かできることはないかという想いから、2019年度にスポンサー契約を行い、今年度もその契約を更新しました。もちろんそのような契約についても、部員自らが行っています。

 

――ちなみに、チームの規模はどれくらいなのでしょうか。

 僕たちの代のときは部員が40人ほどいて、さらにコロナ禍にも拘わらず、ID24の部員が約20人も入部してくれました。大会で優勝できた一因として、ID24の力も非常に大きかったと思っています。また部員以外にも、監督やコーチとも契約をしています。現在の監督は元々ボランティアでICUFCのコーチを務めていたのですが、責任をもってしっかりとこのチームに関わりたいとの想いを受け、昨年度に監督として正式に契約させて頂くことになりました。

 

――監督が就任してから、変化したことはありましたか。

 僕がキャプテンになったのが2年前の11月で、実は昨年の7月までは僕が主将と監督を兼任していました。当時はチームが出来てすぐだったこともあり、技術面はもちろんですが、攻撃から守備への切り替えなど、意識で変えられるところを中心に練習を行っていました。ですが監督就任後は、チームがそれなりに出来上がってきていたこともあり、より技術面にフォーカスを当てた練習に取り組むようになったと思います。

 

監督と選手たち

 

――チームのプレースタイルについて教えてください。

 基本的には、ボールを持ちながらパスをつないでいき、自分たちで試合の流れを作っていくという戦略を採っています。ただ、何か特定のプレースタイルに固執している訳ではなく、選手たちがその時々の状況について考えながら、試合を組み立てていくという点をより重視しています。

 僕が監督をやっていたときも、球際でしっかりと身体を張ることや、状況に応じて適切なポジショニングをすることなど、技術面だけでなく、意識で変えられる部分について集中的に練習していました。

 

――練習はどれくらいの頻度で行っているのでしょうか。

 コロナ禍になる前は週4日ほど。コロナが落ち着いてからは様々な事情で来れない日のある人もいましたが、最大で週5日ほど練習を開いていました。しかし、だだ長く練習するのではなく、2時間だったら2時間、90分だったら90分という決められた時間内で、集中して効率的に練習することを意識していました。

 ちなみに、コロナ禍になってからは日中に練習をするようになったのですが、コロナが流行る前までは基本朝練を行っていて、僕の代は朝の7時からの練習でした。朝早くて大変な面もありましたが、その分午後の時間は、勉強やバイト、他団体での活動等、各々がやりたいことにしっかりと時間を費やすことができました。

 そういった意味で、選手たちは時間のやりくりが非常に上手く、成績が高い人も結構いたと思います(笑)。あと、一年に2、3人ほど留学に行く部員もいて、それぞれのメンバーが自分の興味のある活動にとても主体的に取り組んでいる印象があります。

 

――メンバーの多くが様々な活動に対して熱心に打ち込んでいるのですね。そのように色々な経験やバックグラウンドを持つ部員たちをまとめる上で、キャプテンとして意識していたことはありましたか。

 僕が中学・高校でキャプテンを務めていたときは、いわゆる「日本的」なチームをまとめていたので、それらのチームと比べるとやはり、ICUFCはユニークなチームだったと思います。セプテンや帰国子女も多く、色々な価値観を持った人たちが集まっていたので、自分が今まで気づけなかった発見がたくさんあって、とても面白かったです。特にICUの学生はしっかりと自分の意見を主張できる傾向があると思います。そういう意見をしっかりと言い合える雰囲気があるのは凄く良いなと思っていました。

 だからこそ、そのような強みを活かしながら皆でチームを創り上げていくことができるように、僕から何もかも指示を出すのではなくて、できるだけメンバー側からアイデアを引き出すようにしていました。その上で、それぞれの価値観を尊重することも心がけ、メンバー全員が主体性を持って活動に取り組める環境を整えていけるようにしていました。

 

――ICUFCでキャプテンを務めた経験を、今後どのように活かしていきたいですか。

 サッカーは団体スポーツなので、チームとして一つの価値やアウトプットを目指していく経験をしたことは強みになると感じます。また、社会に出ても一人でできることは限られています。キャプテンを務める中で培った、自分に何ができるのか考えて行動する力を、今後所属する組織で発揮することができればと思っています。

 

――これからのICUFCに期待することは何ですか。

 スポンサー契約についても、東京都の4部リーグのチームとしては異例のことでしたし、そのように大学サッカーを変えていけるような力を持っているチームだと思っています。来年以降も多くのことに挑戦してもらいたいです。そしてもちろん、サッカーの結果が振るわないとサッカー部としても評価されないと思うので、サッカーの技術面にもしっかりとフォーカスを当てつつ、運営面などの違う部分でもICUらしさを活かして活動していってほしいです。僕らの代とはまた違うICUFCを見てみたいですね。

 

ICUFC: 【PV】OUR JOURNEY CONTINUES

 

――年度が変わり、いよいよ新入生が入学してきますが、ID25の後輩たちに何かアドバイスはありますか。

 僕の話をすると、中堅や強豪と呼ばれるチームで高校までしっかりとサッカーをやってきていて、正直大学ではサッカーを続けるつもりはありませんでした。やはり、ICUの体育会系の団体は比較的弱いというイメージがありましたし、恐らく僕と同じような境遇を持つ学生もたくさんいると思います。でも実際に入部することで、ICUの体育会系の団体も目標に向かって一生懸命に活動していることや、ICUの団体だからこそ学ぶこともたくさんあるということを痛感しました。なので、サッカーでなくとも何かスポーツを続けようかどうかを迷っている新入生には、是非一度体験に行って、その団体の雰囲気や活動を実際に肌で感じてみてほしいです。最近は、ICUの体育会系団体もどんどん発展してきていると思うので、きっと充実した活動ができると思います。

 

――なるほど。同じ運動系の団体でも、ICUという環境だからこそ気づく新しい発見もありそうですね。ちなみに、未経験者でもICUFCに入部することは可能なのでしょうか。

 もちろん可能です。実際に初心者のメンバーも何人かいて、あるID23の部員も、最初は技術面で悩んでいたこともあったのですが、その分チームの広報で活躍するなど、モチベーション高く活動に取り組んでくれました。そして今年度、その部員が副部長を務めることになりました。ICUFCには、サッカー経験を問わず誰でも活躍できるフィールドがあります。個人のやる気さえあれば、様々な部分で成長できる組織だと思います。

 

――ここまで色々なお話を伺ってきて、ICUFCの魅力がとても伝わってきました。最後に、読者の皆さんに一言お願いします。

 ICUはスポーツのイメージがあまりないと思うのですが、スポーツだけじゃなくて人として成長できる環境が整っていますし、スポーツ初心者でも参加できる団体も多いです。なのでもし興味があれば、実際に活動に参加してみてください! そしてもちろん、その団体に所属していなくても、スポーツをファンとして楽しんで頂ければ嬉しいなと思っています。

 

――貴重なお話、ありがとうございました。

 

 東京都3部リーグに昇格し、益々進化を遂げるICUFC。彼らの今後の活躍に目が離せない。
【うじ】

 

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