ICU内の自然環境に焦点をあてた「ドリコン2014」金賞受賞者にインタビュー
|ICU同窓会主催の「ドリコン2014」において、見事金賞を受賞したのは、鈴木さん(ID:16)の「国際基督教大学キャンパスを『虫の目』で見る」という企画である。(関連記事:ICU同窓会主催「ドリコン2014」結果速報&受賞者コメント集)
金賞を受賞した鈴木さんに、企画の趣旨や自身が考えるICUの環境意識の問題点、今後の活動とこれからの課題についてお話を伺った。
(※インタビューは再構成済み)
――「ICUキャンパス内での自然環境を多くの方に意識してもらいたい」という企画でドリコンに参加されましたが、これはどういった趣旨なのでしょうか?
僕は福岡出身なのですが、入学した当初から、ICUのキャンパスにいる昆虫が福岡に生息するものとだいぶ違うということを意識していました。そこで、実際に調査してみたら面白いのではないかと思って始めてみたのです。そして、調査によってICUの自然環境が豊かであるにも関わらず、他の学生は自然について意識していないということに気付きました。
また、ある先生によれば、現在ICUでは環境アセスメントが行われているが、新寮やダイアログハウスを建設する際には、当初環境アセスメントは行われる予定はなかったそうです。その先生は、教員が動いたことでアセスメントがなされるようになったと仰っていました。ということは、ICUにはまだまだ環境に対する意識を高めていける余剰があるのではと感じました。
――環境研究といったメジャーや環境系サークルが多く存在するICUにおいての環境意識の問題点とはなんでしょうか?
環境研究というメジャーもICUの環境系サークルもどうしても視点がグローバルになってしまい、ローカルな視点が乏しいのが問題だと思っています。例えばICU内で何かをしたいと考えた時には、その活動がICUの自然環境にどういった影響を与えるのかといった意識を学生の全員に持っていただきたいです。
――今後予定している活動について教えて下さい。
ICU内の自然環境(特に昆虫に関して)を調査する研究手法というのはだいたい確立していて、来年度の春から実践する予定です。現在、その前準備を進めています。具体的には、設置する罠がICUの他の学生や大学に遊びに来ている子供に影響を及ぼさないように先生方と相談して、出来上がった計画を大学事務の担当部署の方に持っていくための詰めの作業を行っております。
また研究手法に関しては、ハードルの高い調査研究手法とハードルの低い調査研究手法の両方を用意しています。僕のような虫オタクだけでなくて、虫や自然環境に興味を少しだけ持っているような人も、気軽に調査ができる環境を整備したいと考えています。実際に学生によって調査が行われたという前例を作ることによって、後の学生が調査しやすい土壌を作っていきたいです。
――今後の課題はなんでしょうか?
採集した昆虫の標本やICUの自然環境に関する資料、調査研究手法についての資料を保管する場所の確保が課題です。できればサークルを立ち上げ、部室を設け、記録や資料を残しておける場所を作りたいです。こうした資料を残しておくことで、もし活動が途中で中断されたとしても、僕のようにICUの自然環境に興味を持った学生が再び調査できるような状況を残していきたいと思っています。
また、今回ドリコンに出たのは賞を獲るためではなく、同窓会の力を借りて、「人」との繋がりを作ることが主な目的でした。今後同窓会に紹介していただいた方々に連絡をとって、将来的に起こりうる問題について相談したいと考えております。
――ありがとうございました。