日比谷学長インタビュー、日本経済新聞朝刊「交遊抄」に学長が登場したワケとは

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10月3日(金)、日本経済新聞朝刊の文化欄『交遊抄』を見て驚いた方も多いだろう。「陽気な大司教」というタイトルとともに目に飛び込んできたのは、見慣れた本校の学長の名前だったのだ。

なんでこんなところに日比谷学長が? そんな疑問にお答えするため、The Weekly GIANTS ONLINEでは、日比谷学長に単独取材を試みた。日本経済新聞に掲載された経緯や、取材秘話など、たくさんの裏話をお伺いすることができた。

(※インタビューは再構成済み)

――今回、交遊抄をご執筆なさることになった経緯を教えてください。

実は、この文は私が書いたわけではありません。私は日経新聞の記者の方から取材を受け、それを元にして書かれた記事が「交遊抄」として掲載されました。

ICUの先代の学長である鈴木先生や、先々代の絹川学長も以前、交遊抄をお書きになられたそうなので、私の代でもお声をかけてくださったのではないでしょうか。

 

――なぜ、ヨゼフ・ピタウ大司教を紹介しようと思ったのですか?

記者の方にお話をする際、最初はどなたについて話そうかと、とても迷っていました。親しい友達や、他の恩師など様々な方が思い浮かんだのですが、最終的には、私の上智大学入学時から修士1年まで学長だったピタウ大司教を紹介することにしました。

また、ピタウ大司教は私自身とだけではなく、ICU関係者とも深い繋がりを持っていらっしゃいます。この事実を知った時は本当にびっくりしたのですが、彼は私の卒論生のご両親や、ICUの同窓生の方と親交が深く、家族ぐるみのお付き合いをされている方もいるそうです。実際に去年の夏、ピタウ大司教と親しくされているICU同窓生の方と、彼と私とでお食事もしてきました。「交遊抄」にも書かれていましたが、ワインを美味しそうに飲んでいましたよ。

ピタウ大司教とは、私が学部生だった時よりICUに勤めだしてからの方がご縁を深く感じていると思います。これは日経の記者の方とも話したのですが、彼を紹介することで、私の恩師と関わり合いのある方がICUにもいたということだけではなく、「ICUを通じて深まる縁」があるということをお伝えできればと思っていました。

 

――掲載された「交遊抄」を読んでの感想はいかがですか?

とても上手にまとめていただけたと思います。記者の方は「ワインについて掘り下げますね」とおっしゃっていたのですが、本当にピタウ大司教のワイン好きが全面に押し出されていたので、楽しく読ませていただきました。

あと、やはり周りからの反響が嬉しいですね。特に若い方の間では、私が「交遊抄」に掲載されたという情報がSNSを通じて、あっという間に広がったと聞いています。学生の皆さんやある一定の年齢以下の方々は、もうメーリスより、FacebookやTwitterの方が馴染み深いんですね。以前にも新聞に記載されたことがあったのですが、その時以上に、今のSNSが持つ情報伝達の速さに驚かされました。いやー、SNSはスゴい。

 

――「あなたの良心に従って生きてください」という言葉を思い出す時はいつですか?

この言葉は、おそらく卒業式の前後くらいに、ピタウ大司教がおっしゃっていた言葉だと思います。私が学部生だった当時は、ロッキード事件や公害などといった事件が立て続けに起こり、世の中の良心のあり方が問われていた時代でした。その時に、「一番大切なことは、その時々で自分の良心に従って生きることですよ」というピタウ大司教の言葉に心を動かされましたね。この一言は今でも、何に価値をおいて物事を決めるか、といった判断や選択をするときによく思い出します。

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――日経新聞はよくご覧になるのでしょうか?

学長室の一部である広報では、朝日新聞や毎日新聞といった新聞を何紙も購読しています。日経新聞も読むのですが、私は各紙を比べながら読むのがとても好きですね。日経新聞の中では、最後の方にある文化欄をいつも楽しみにしています。「交遊抄」だけではなく、「私の履歴書」も面白いですよね。

 

――「学生にとって身近な学長でありたい」とはどのような文脈から出てきた言葉なのでしょうか?

去年、上智大学が100周年を迎えた時に、上智卒業生で大学学長に就任された方々と座談会をする、という特別企画がありました。その際に、確か昔はランチタイムやオフィスアワーに学長室へ行き、気軽に学長のピタウ先生とお話できたことを思い出しました。そして、学長がもっと学生にとっての身近な存在でいられればというメッセージを込めて、最後の一文となりました。

 

――最後に、学生へひとことお願いします。

自分がSNSを通して、こんなにも話題になっているとは全然知らなかったので、本当に驚きました。学生の皆さん、SNSを通して、もっとICUと繋がっていきましょう。

 

――ありがとうございました。

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