合言葉はCONVIVIAL! 今週末、ICUに上陸予定のカルチュラル・タイフーンとは
|今週末の28日、29日にICUでカルチュラル・タイフーンと呼ばれるカルチュラル・スタディーズの学会が開かれる。学会と聴くと、研究者や教授が大勢集まり、研究発表を行う場だと思いがちだ。しかし、今年のカルチュラル・スタディーズの学会はConvivialという合言葉と共に大々的な周知活動を行っているようである。そこで、このカルチュラル・タイフーンについてICUでカルチュラル・スタディーズを教えている有元健准教授(以下有)と、カルチュラル・タイフーンの実行委員である栗栖由喜(以下栗)さんにお話をうかがった。
(※インタビューは再構成済み)
――カルチュラル・タイフーンと一般的な学会の違いは何ですか?
栗:教授や研究者を対象とした通常の学会スタイルとは違い、カルチュラル・タイフーンでは、一般の方や中高生などの子どもまで幅広い年齢層の人たちを巻き込んでいくことを目的としています。
――なぜカルチュラル・タイフーンという名前がついているのですか?
栗:これは、1回目のカルチュラル・タイフーンを開く時に、大きな台風が来たことがきっかけとなっています。台風はいろいろなものを壊してごちゃごちゃに混ぜ、その中からまた新しい何かを生み出す性質を持っていると思うのですが、その性質とカルチュラル・スタディーズにある既存の概念を破壊するという性質がよく似ているため、カルチュラル・タイフーンという名前になりました。
――カルチュラル・タイフーンをICUで行うことになった経緯を教えてください。
栗:今年で11回目のカルチュラル・タイフーンは、元々カルチュラル・スタディーズ学会員である教授のいる大学を転々とする形で行われてきました。数年前も有元先生と、もう1人のカルチュラル・スタディーズ教授である田仲先生がICUにて開催しようとしていたみたいです。
有:ICUに限ったことではないのですが、学会を開く際には様々な下準備が必要です。その準備を僕と田仲先生で行い、大学側を説得した結果、カルチュラル・タイフーンという少々特殊な学会を開いていただけることになりました。
――学会に学祭やイベントの要素が盛り込まれていることで、大学側に何か言われたりしませんでしたか。
有:特にありませんでしたね。学会とはいえ、地域に開かれた交流の場となりえるということで、大学側はとても協力的でした。
――今までのカルチュラル・タイフーンではどういったことが話し合われてきたのでしょうか?
有:うーん、実は僕もあまり行ったことがないのでなんとも言えないのですが、今までの学会では、研究発表やポスターセッションなどいわゆる学会的なことをしてきたと思います。しかし、今回はせっかくICUでカルチュラル・スタディーズ学会を開けることになったので、そういった発表だけの学会をいったんリセットできればと考えています。
――様々な方がゲスト出演されるようですが、どのようにして集めたのでしょうか?
有:カルチュラル・タイフーンのWebサイト等で公募はしているのですが、こちらから特に招いた方はロンドン大学のレス・バック氏だけですね。カルチュラル・スタディーズ研究においてとても重要な方だと思ったのでお招きさせていただきました。
栗:カルチュラル・タイフーンやカルチュラル・スタディーズに興味のある方が、自ずから集まってきたという感じです。
――Convivialの意味を教えてください。
有:今回のテーマ、“Convivial”には共生とか饗宴といった意味があります。例えば、今回の重要なイベントの1つとしてサッカーがあります。通常、サッカーはチームに分かれてする分断性のあるスポーツですが、今回はチーム編成もルールも無視したはちゃめちゃなサッカーをします。審判は他者へのリスペクトがあるかどうかという基準のもとで国際審判員が務めますので、老若男女関わらず全員が楽しめるサッカーになると思います。まあ、このように既存の枠組みが意味をなさなくなる空間をいかに作り出せるか、という思いを込めてConvivialという言葉をテーマに選びました。
――実行委員として大変だったことは何ですか?
栗:私は広報担当なので、今がまさに大変な時です。カルチュラル・スタディーズ学会員の方にポスター等を送ることはもちろん、今回は実行委員の中にICU祭実行委員の方がいるので、そのつてを使って中学校や高校、塾などにも案内を送らせてもらっています。1週間後のカルチュラル・タイフーンに、いろいろな分野の方が沢山いらしてくれればと思っています。
――カルチュラル・タイフーンの見どころを教えてください。
栗:全部が見どころです!と言いたいくらい面白いイベントや講習が満載です。サッカーもライブも映画上映会も、中高生向けの勉強会も全て面白いので、学会だと固くならず、沢山の方にぜひ楽しんでもらいたいと思っています。
有:ICU内に屋台のホットドック屋が出没します。通常のICUではありえないようなことが沢山起こる予定ですので、楽しみにしていてください。
――では、最後に一言お願いします。
栗:やっぱり、Convivialですかね!
カルチュラル・スタディーズは他の分野と比べてまだ新しく、学内に研究室を持つICUの学生であっても、その研究内容や研究目的はあまり知られていない。ICUで行われるカルチュラル・タイフーンをきっかけに、今まで知らなかった概念や人に触れ、自分の持っているアイデアを深めてみるのはいかがだろうか。参加者の心の中に、台風が去った後のような晴れやかな青空が訪れるかもしれない。
カルチュラル・タイフーン2014開催要項
日時 | 2014年6月28日(土) 10:30-19:30 (9:30から受付開始) 2014年6月29日(日) 10:30-18:30 (9:30から受付開始) |
開催地 | 国際基督教大学(国際基督教大学へのアクセスはこちらをご覧ください) |
参加費 | 高校生以下 : 100円(パンフレット実費) 一般および学生 : 1000円 専任教員 : 5000円(学会員は4000円) |
公式サイト | http://cultural-typhoon.com/2014/ |
公式Twitter | @CulturalTyphoon |