独断と偏見で選ぶ、ICU流行語大賞2017

2017年ももう年の瀬。師走に入り、「今年の漢字」や「ヒット商品番付」を始めとした1年間を振り返る恒例企画が話題を呼ぶが、中でも毎年話題となるのが「新語・流行語大賞」だ。

「選考委員による偏向が見られる」といった意見を始めとして、何かと批判にさらされることも多い新語・流行語大賞だが、それは話題性が健在であることの裏返しだろう。今年の大賞が「インスタ映え」と「忖度」に選ばれたことに対しても様々な意見が飛び交っているのを目撃したが、今年に関しては世相を映したチョイスだったのではないかと個人的には感じている。

さて、Isolated Crazy Utopiaと評されるがごとく、外界から隔離され独自のコミュニティが形成されているICUにおいては、「ファンデ」や「ジェネード」に代表されるICU生独自の用語が生み出され、学内の仲間内の会話で使用されている。この1年間だけでも多くの「ICU用語」が誕生し、また廃れていったことだろう。そこで今回は、新語・流行語大賞から着想を得て、筆者の目から見た、ICU界隈でこの1年間で誕生し、話題に上がった言葉をピックアップし、2017年の総括とさせていただきたい。

 

・意見交換会

学内に限らず、多くの人が耳にしたフレーズはこの「意見交換会」だろう。正式には「留学に関する意見交換会」。これはICUの卒業生である秋篠宮眞子内親王と、同じく卒業生の小室圭さんとの婚約がメディアで取り上げられた際に、2人の出会いのきっかけが「東京・渋谷区の飲食店で開かれた意見交換会」であると報道されたことに端を発する。ネットユーザーの間で「意見交換会=合コンの言い換え」という憶測が飛び交う中で、多くのICU在学生や卒業生が「ICUには合コンの文化は存在せず、本当に意見を交換する会だったに違いない」と反論している姿が印象的だった。(参考:眞子さまご婚約報道で“意見交換会”に注目集まる 「合コンを上品に言っただけ?」の声も 実態をICU卒業生に聞いた

 

・ヘルサイ

コンボケーションアワーが火曜4限から金曜昼に移ったことを始めとして、2017年度は教務関連でいくつかの変更があった。その中のひとつが、Sports Science(スポサイ)とHealth Education(ヘルエド)の廃止と、Health Science(ヘルサイ)の導入である。1年次にスポサイ・ヘルエドを履修した筆者にとっては、1年生が「ヘルサイ」と当たり前のように口にしているのを耳にしたとき、「こうしてICU用語は生まれるのだなあ」と感じたものである。

 

・ウマンテン

10月上旬、「ICUがテレビに映ってる!」と話題になった。TBS系の『櫻井・有吉THE夜会』の中で、ICUを卒業したばかりのタレント・宮沢氷魚さんとお笑いコンビ・ロッチの中岡創一さんが、宮沢さんの母校であるICUを紹介するという体で滑走路、ガッキ、ばか山といったICUの各所をめぐり、ICUのキャンパスや文化を紹介した。その中で発せられた単語がこの「ウマンテン」である。ロケの中盤、ロッチの中岡さんがガッキ名物のばか山丼を食べ、その感想としてこのウマンテンという表現を使用したのだが、おそらく「うまい」とばか山丼の山を英訳した「マウンテン」がかかっているのだろう。それ以後、主にTwitter上でガッキの料理を評する際にこの「ウマンテン」という表現が使用されているのをたびたび目にしたが、一部ユーザーからは「ウマンテンっていうほどうまいか?」といった趣旨の疑問も呈されていた。

 

・鷹揚祭(唐揚祭)

4月上旬、在学生だけでなく卒業生、そして学外の人間をも巻き込んで、ある衝撃的なニュースが物議をかもした。それは、長年慣れ親しまれてきたICU祭が正式名称を「鷹揚祭」に変更する、というものだ。直後にICU祭実行委員長名義で「変更するのは『ICU Festival』というICU祭の『正式名称』であり、ICU祭が鷹揚祭になるわけではない」という弁解がなされたが、委員会外への事前告知が全くなかったこと、前述の説明がわかりづらかったこともあり、ちょっとした炎上騒動へと発展した。騒動の顛末は外部のニュースサイトでまとめられるまでに至った。

また、鷹揚という字面が唐揚に似ているという指摘から、鷹揚祭を揶揄する「唐揚祭」というミームが一部ICU生の間で流行した。

なお、こうした騒動の結果もあってか、ICU祭実行委員会は変更を撤回、テーマ投票も公募の下やり直され、「Tear Down ANY Wall! どんな壁も壊しなさい!」という新テーマが採用された。

 

・新々寮(楓寮・樅寮)

キャンパスを見渡して、昨年と今年との一番大きな違いを答えよと言われたら、多くの人が楓・樅の2寮の有無と答えるに違いない。この2寮の誕生はICUの景観に大きな変化をもたらしたほか、学生の行動パターンにも少なからぬ影響を与えている。これらの寮のキャパシティは320人。実に全学生の10人に1人が新々寮生となり、キャンパスを歩いていても「寮どこ?」「樅5」といった会話を耳にする機会が幾度となくあった。また、新々寮の一階にはセミナールームが設置され、クラブ・サークルの中にはミーティングの場所をセミナールームに移行する団体も見られ、寮生以外にも開かれた場所として活用されている。

 

いかがだっただろうか。もちろん上記以外にも、2017年に入ってから多くのICU用語が生まれては流行り、そして廃れていった。来年はどんな言葉が学内を飛び交うのだろうか。2018年末に注目である。