【祝ハモネプ準優勝!】
「見ていて聴いていて楽しい」グループ、8Law

 フジテレビのバラエティ番組での企画・全国ハモネプリーグ(以下、ハモネプ)で初出場にして見事準優勝に輝いたICUアカペラグループ、8Law。Weekly GIANTS Co,はその人気の秘訣を知るべく、ベースのまさきさん(写真後列真ん中)、コーラス&リードのみくるさん(前列右)、ボイスパーカッションのじぇいさん(前列真ん中)、コーラス&リードのゆーさん(前列左)の4人にお話を伺った。

ーー準優勝おめでとうございます!

まさきさん:ありがとうございます。

ーー早速ですが、8Lawを結成した経緯や理由を教えてください。

まさきさん:僕とじぇいでグループを結成してハモネプに出たいという話になり、そのためにメンバーを集めて去年の10月に作りました。予選に応募するための動画を送る締め切りが11月1日だったので、その1ヶ月くらい前に結成して猛練習をしたという感じです。

みくるさん:私はもともとじぇいさんとまさきさんと知り合いだったんです。アカペラサークルにも入っていて、これはもう是非やりたい、と思って参加しました。

まさきさん:コロナ禍の10月に発足したので、初めての顔合わせで名前と顔が一致しない人もいました(笑)。そんな初々しい雰囲気で始まりました。

ーーそうなんですね! 練習はどのようにされていたんですか?

じぇいさん:緊急事態宣言前は、大きめの公園とかで距離を保って話しながら練習していました。また、集まる前にはまさきが作った楽譜を見ながら通話でも練習しました。最近ではラグがほとんどなく曲を合わせられるSYNCROOM(シンクルーム) というヤマハが出しているアプリを使っていました。これはとても画期的で、これさえあれば対面じゃなくても練習できちゃうな、と。このアプリを使ったことで、実際に会ったときにもあまり違和感を感じずに練習できました。

ーーまさきさんが楽譜を作られたとのことですが、ハモネプでも高評価だった編曲はどのようにされていたんですか?

まさきさん:そうですね、じぇいさんをはじめとしてメンバーの意見を聞きつつ作っていくという感じです。まずアカペラの編曲っていうのは原曲、今回だったらBTSの「Dynamite」を6人で声だけで歌えるようにする作業になります。そこで8Lawに特徴的なのは、原曲をそのまま忠実に再現するのではなく、原曲のリミックスなどを聞いてそのエッセンスを詰め込んでる所です。ここにいるじぇいさんがアジアベスト8のビートボクサーなので、そのリズムの強さを生かして歌えるアレンジにしています。

みくるさん:でも、楽譜見ただけじゃわからないですよね。たいていのアカペラの曲は楽譜を見たら曲の感じというのはわかります。しかし、8Lawに関してはまさきさんとじぇいさんのビートを楽譜には起こせないから、練習とかで合わせた時に初めて「ああ、こんな感じなるんだ」っていう発見があるんです。これは8Lawに独特の点ですね。

ーーそのBTSの「Dynamite」や決勝で歌われた「紅蓮華」に関してなんですが、選曲はどのようにされているんですか?

まさきさん:どうしても本戦に出場したかったので、万人受けする曲にしようと思いました。Dynamiteはビルボードでも全米ナンバーワンだったし、アップテンポでビートも入れやすい曲ということで選びました。

じぇいさん:あ、でも僕らがDynamiteを選んだ時はまだビルボードでも上の方じゃなかったんですよ。でもこれから流行りそうな曲を選ぼうと考えてこれにしました。あとはICUから出るグループである以上、国際色を曲に反映したくて。だとしたらやはりインターナショナルな洋楽、K-popでありながら英語で歌ってるDynamiteは良いな、と思いました。

ーーでは「紅蓮華」も有名な曲である、ということで選ばれたんですか?

まさきさん:実はそれに関しては番組側の指定で……(笑)。あんまりこれを公表していいのかわからないんですけど。予選通った後に僕らで曲を準備しようとしていたら、番組側から「8Lawさんの紅蓮華聞いてみたいなぁ」って言われて。まあ僕ら風になっちゃいますけど、と言って引き受けることにしました。

ーーそうだったんですね!大会で印象に残ったことはなんですか?

まさきさん:収録をフジテレビのスタジオで行うことができ、さらに別のグループの収録も生で聞けたのが印象に残りました。

じぇいさん:このご時世に生のパフォーマンスが聞けるというのはなんか変な感じでしたね(笑)。今まで知らなかったグループの歌も聞くことができたんですが、どのグループも表現方法が違って。「こういう表現もあるんだ」と、とても勉強になりました。具体的には東京大学の「リメリック」さんというグループが一番良かったなと思います。あと個人的には、今まで目標としてたヒカキンさんに会えたことも大きいです。

まさきさん:僕もアカペラを始めたのはヒカキンさんの影響だったので、やはり嬉しかったですね。

みくるさん:収録現場はグリーンバックでメンバーの間には透明な板があって、まるで閉じ込められたような環境だったんです。見られながら歌うことでただでさえ緊張しているのに、さらにそんな環境だったので、もう緊張という言葉では言い表せないくらいに緊張しました。使ってるマイクの音質もすごく良く、「え、自分の声ってこんなに良いんだ」って思うくらいでした。そうやって環境全部が違ってとても緊張したのを覚えています。え、みんなは緊張しなかった?

じぇいさん:いや全然(笑)。

みくるさん:あー、あやっぱり場慣れしてる人は違うね(笑)。

じぇいさん:いや、本番は緊張したよ(笑)。

みくるさん:それはヒカキンさんと会ったからでしょ(笑)。

じぇいさん:僕は観客の前に立つことには慣れています。しかし、観客があまり見えずにカメラだけがたくさん並んで照明が当たって、しかも一回きりしか録れないという環境には、「全国地上波に乗る」というプレッシャーを感じ、さっき言ったような非日常を感じましたね。

ーー出場してみて、8Lawの強みだなと感じたことはなんですか?

まさきさん:やはり他のグループの曲を聞いてもらうと「8Lawとはちょっと違うな」というのが分かってもらえると思います。我々は今までの「典型的なアカペラ」とは少し違うことをやってると自負してます。違うというのはもっとダンスミュージックみたいな、リズム要素が強いアカペラをやっているという意味です。

じぇいさん:もともと8Lawの名前は湯浅八郎様(ICU初代学長)のお名前から借りたというところもあるんですけど(笑)。同時に、今の日本のアカペラ界隈にある固定観念を取り壊して新しいものを作る「アウトロー」感を出そう、というのがあったんですね。だから、あまり一般的でないアレンジやパフォーマンススタイルを意識しました。

みくるさん:8Lawって「ライブをみたくなる」って言ってもらうことが多くて。普通アカペラっていうのは耳だけで聞くじゃないですか。でもそれ以上に、人となりやパフォーマンスの仕方とかを全身で感じたい、と言っていただけるんです。そういう「ライブ感」を出せるのが強みだと思います。あとはまあ、アジアベスト8のビートボクサーがいるので。そこはもうどこにも負けないんじゃないですかね(笑)。

 加えてやはり外国語がうまい人が多く、邦楽でも洋楽でも、それこそ「アウトロー!」っていう感じでいろんな曲に挑戦できるのも強みじゃないかと思います。

我ながら、一番見てて聴いてて楽しいグループだったんじゃないかなと思ってます。

ゆーさん:私はずっと8Lawは「個」が強いと思ってます。印象に残らないメンバーがいなくて、ライブを見たときにはどの人にも目が行くのかなと思っています。

みくるさん:基本はリードボーカルに目が行っちゃいますもんね。

まさきさん:我々は一人一人が表現してるが味が全然違うので。それってある意味バラバラなんですけどね(笑)。でもそれはもともと分かっていたので、紅蓮華のアレンジをするときにはメインボーカルを3人で回して歌うようにしました。これはやはり個があるからできることですよね。歌い方や声質も違うし。

じぇいさん:本番でコメンテーターの方も言ってたんですが、「三者三様の歌い方」というのが聞き手側にも伝わったというのは嬉しかったです。

ーー最後に、アカペラの醍醐味とは?

まさきさん:アカペラって楽器を使わず口だけでやる音楽なので、マイクとかがなくても人が集まるだけでできるのが醍醐味だなと思います。一人一人声が違うのに、みんなで歌ってみるとハーモニーが綺麗なのが面白いんです。普通のバンドだったらボーカルは一人しかいないんですけど。

じぇいさん:アカペラって人の声だけでやってるからこそエンタメ的な要素が大きいんです。

みくるさん:私もその意見に賛成です。私がアカペラをやっていて一番好きな瞬間って、ひとりが歌い始めたらみんな入ってきていつの間にか曲が完成するようなときなんです。それってやはりアカペラが人の声だけで作り上げられていることを感じるからなんですね。

あとは様々な歌い方ができるのも楽しいと思います。リードを歌っている時とコーラスを歌っている時、或いはそのコーラスの中でも目立つパートと隠れるパートとを歌っているときとでは声が全然違うんですよね。みんなの声も違うし、一人の中でも多様な声があるのがアカペラの面白さだと思ってます。

ーー今回はありがとうございました!最後に読者の方にメッセージをお願いします。

じぇいさん:そうですね、今はリモートですが、定期的に短い動画も作ってるので、各種SNSをチェックしていただけたらなと。もう少し落ち着いたら長い動画もあげたいと思っているので、今後ともぜひ見て欲しいと思っています。あとは、今回のハモネプ出場もこの大学でこのメンバーがいなかったらそもそも可能じゃなかったので、ICUにも、皆様と巡り会えたことにも感謝しています。コロナ禍の厳しい状況でここまでできたというのはもはや奇跡に近いと思ってるので、応援してくださった方にもとても感謝しています。これからもぜひ応援をよろしくお願いします。

[インタビューを終えて]

 始終笑いが絶えることなかったインタビューを通して、じぇいさんの言った「音楽の楽しさ、音楽への希望」というものの片鱗を感じることができた。「アカペラ界のアウトロー」を体現する彼らのこれからの活躍に目が離せない。【ゑゐ】

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