学内メディア団体インタビュー~第二弾~
Voice Up Japan ICU支部

 ICUに点在するメディア団体にインタビューを行う企画の第二弾として、Voice Up Japan ICU支部にインタビューを行った。Voice Up Japan ICU支部は、ミスコンとジェンダーに関する問題点など、ジェンダーやその他の社会問題について取り組む団体である。共同代表である服部翼さんと村田楓華さんにお話を伺った。


ーー Voice Up Japan ICU支部を「OO団体」で表すと……?

村田:ちょっと思ったのが、アットホーム(な団体)だなって。特に私が共同代表として大事にしていることとして言えば、団体全体を見るだけではなく、やはり一人一人と向き合うことをとても大切に思っています。代表だからこそ一人一人に目を向けることを凄く意識しています。交流会チームとかに任せてクリスマスパーティーなどの交流会を頻繁に開催してもらったり、定期的なミーティングでも写真を撮ったり、皆のモチベーションアップに役立っていると思います。団体が行っていることが真面目でかちっとした感じだからこそ、緩くいけるとこは緩くいこうって感じで。そういったアットホームな場を提供できるようにと思っています。まあ、他の団体が実際どのような感じなのかはちょっと分からないんですけど、自信をもって言えることとしては、アットホームなのかなって思います。

服部:僕的には、「個々が集まる団体」という感じかなと思っています。共通する部分はあるけれども、本当に一人一人が活躍できる環境作りや、全体に対して発言できて、思いが全体の、団体の思いとして反映できるような団体作りに取り組んでいます。実際、そんな団体になっていると、代表をやっていて感じます。アットホームではあるけれど、そこに追加として、各個人が輝けて活躍できる団体という部分もあるかなと思います。

ーー 他のメディア団体と比べるとどの点がユニークか?

服部:まずメディア団体という部分をみると、圧倒的に僕たちは見た目にこだわっています。ビジュアルっていう部分にある程度こだわりを持っています。また、一番の強みはVoice Up Japanというネットワークがあることです。ただ単に一つの団体というわけではなく、僕たちの背後には本部であったり、他に29の大学に仲間がいる。このネットワークの強さというのが、やはり強みなのかなって思います。

村田:加えて、ユニークな点としては、本当に色んな社会問題に取り組んでいるなと思います。他の団体をみると、色々な事を記事としては取り上げるけれど、それをプロジェクトとしてやるところは凄く少ない。やるとしても、例えば性教育に力を入れてる団体ですって感じでのプロジェクトはよく見るのですが、そういった団体は他の社会問題を深く取り上げることはあまりないなと思います。それに対してVoice Up Japanは団体のなかでも本部や他の支部がいるから、様々なプロジェクトも発足しやすい。また、元々興味がある人達が集まるので、そこにさらに興味がある人が集まったり、ちょっと興味があるけど中々出来ないなっていう人が、そういう(興味があることをやる)チームが出来てちょっとやってみたいなという感じで、その様なことについても結構フランクに行っています。やはり学生一人一人が何かを始めようと思うと勇気が必要だったり、人を集めることも必須。凄く大変だけど、Voice Up Japanという団体を通してであれば色々な事がすぐ出来る感じがして、そこが強いのかなって思います。

ーー運営陣だからこそ見えるVoice Up Japan ICU支部の魅力とは?

服部:メンバーが本当に凄い人ばかりということ。共同代表より活躍してくれるメンバーが本当に多くて。問題意識高く活動してくれるし、言語能力や鋭い視点をもって今の社会や問題を観察しています。また、一人がやりたいって言ったのに絶対に賛同できる、フォロワーシップですかね、仲間意識の強いメンバーが揃っています。本当にVoice Up Japan ICU支部のメンバーが僕たちの一番の魅力だと運営陣からみて思いますね。

村田:本当にそうなんですよね。私たちの団体に入る時に、試練でもないですが、面接みたいなことをしていて。小論文みたいなのも書いたりとか、しっかり一時間ぐらいのインタビューなどもして、全員それを乗り越えてメンバーとして入ります。凄いアクティブな団体だからこそ、そういった意識がないとやって行けない。興味があると言っていても私達の方針などに賛同できなくて辞めてしまったり、自分には出来なさそうだと感じて、断念してしまったりする人たちも何人かいます。やはりそれを乗り越えて入ってきたメンバーだからこそ、ずば抜けた問題意識を一人ひとりがもっている。そのため一人一人が問題に声を上げようして、私たちがそれをサポートする形です。どちらかというと共同代表が行動して皆がサポートするというよりかは、他のメンバーが何かやりたい、じゃあ私たちもサポートするよ、声を掛けるよ、みたいな感じです。

服部:そうだね。本当にこれやりたいっていう意見を僕たちが全力でサポートして、一人のものがどんどん大きくなって団体のものになっていく、というのが出来る団体で。それこそ、僕が取り組んでいる三つくらいの活動は、ほとんどメンバーの一人がこれやりたいからっていうのを俺が全力でサポートして、団体の柱となるまでやっているって感じです。本当に一人一人が活躍出来て、誇らしいメンバーに支えられて成り立っている団体かなって思います。

ーーSNS とウェブサイトというようにメディアを複数利用されているが、それぞれ投稿する内容に違いは?どのような方針があるのか?理由は?

服部:SNSとして僕たちは主にTwitter、Instagram、Facebookの三つを使っていて、メインはInstagramです。僕たちの発信のほとんどはInstagramで行われていて、メンバーの問題意識とかがもろに反映されるプラットフォームです。Twitterではどちらかと言うと、僕たちのリーチの外にいる人たちに何かを届けたいときに使っています。今主にTwitterで動いているのが、HPVワクチンの話。こっちは積極的にTwitterで発信をするようにしています。僕たちは実際Twitterの方で男性にも無料でHPVワクチンを打てるようにしてくださいっていう署名を行っていて、今二日目で4,000くらい、今日中(11月17日)に 5,000 いくかなって感じです。Facebookはどちらかと言うとコミュニティーの中に知らせたい時に使っています。例えば、ICUのコミュニティー全員に知らせたいことがあった時とか。

村田:SNSとかは興味ある分野を持っていたり、投稿したいっていう意識がある人たちが自分の思いとかを情報をサポートしつつ載せることがメインです。フォロワー的にもやっぱりInstagramは多いから、影響力は凄くあるかなって思います。一方で、FacebookとTwitterはInstagramで上げたものをFacebookにはそのまま同じものを宣伝して投稿したり、Voice Up Japan ICU支部が行っているイベント情報をFacebookとかTwitterでも流す形で使い分けているのかなって思います。主にInstagramは色々な私たちの思いを発信する場で、それをさらに拡散するのがFacebookやTwitterです。

ーーイベント・投稿の効果はどのようなもの・どれほどのもの?

服部:僕たちはICUでは一番発信力があるんじゃないかなって思いますし、自負しています。

村田:うん、思っていますね。

服部:特にインスタではフォロワー数が凄く多いので、ICUの学生団体の中でいったら、とても強いプラットフォームを持っている。そのため、それなりに影響力は強い団体の一つなのかなって思っています。少なくとも、ジェンダー、社会問題を扱う団体の中では一番強い発信力を持って、影響力も強い団体だなと感じています。

村田:元々私たちが引き継いでからも結構フォロワーとかはいたのですが、一年前とか二年前と比べると何十倍もいいね数は増えているし、コメントしてくれる人も沢山います。私がこういう活動をしていて、特にこの団体がジェンダー・セクシュアリティを中心にやっているからこそ、そういった問題が何か起きたら、友達が教えてくれたり私の思いを聞いてきてくれたりします。自分にもそういう意味では効果があります。団体としても、私が入る前のイベントの参加者数と最近の参加者数を比べると、普通に二倍以上にはなっているかなって感じで、凄くやりがいを感じながら活動しています。でもこれからもっと活動したいと考えていて、試行錯誤する予定なので。今後にも期待してください。

ーー引継ぎ後にフォロワー数が増えた理由は?

服部:まずは、応援してくださっている方が増えた時に偶々僕たちが代表を引き継いだ、タイミングが良かったと思います。ですが、楓華(村田さん)が言ったように友達から話をふってもらえたり、学内のメディアに取り上げていただいたり、本当に色々な形で応援してくださる方が最近増えているので、それが一番大きな理由だったんじゃないかなと思います。その背景にはこれまで良い内容であったり皆が欲しい情報っていうのをしっかり届けてこれた、っていうのが大きいと思います。これからもジェンダー問題に関して色んな発信を続けていき、もっと多くの方に応援してもらいたいです。

村田:ICUの学生は昔からジェンダー問題に関してInstagramで発信してきた方です。ですが、新型コロナもあって情報発信でSNSの影響力が凄く強くなってきている中で、様々な団体が立ち上がり、発信する人たちが増えています。やはり他との差別化を図らないとっていうことで、ジェンダー問題をただシェアするのではなくちょっとアカデミックな方向性にも掘り下げたり、あまり取り上げられていないようなトピックを取り上げたりしています。フォロワーの多くはジェンダーだけに興味をもっている人たちでしたが、見てくれているフォロワーさんを飽きさせないようにするためにも色んなアプローチを取ってきました。だからこそ、ジェンダー以外で興味を持ってくれて、フォローしてくれた人も多分沢山いるんだと思います。

ーー一番手ごたえ・効果(読者の反応など)があったイベント・記事は?

村田:色んな社会問題を取り扱ってますが、なんだかんだ、ジェンダーとかセクシュアリティに関する投稿のいいね数が凄く多いなってのはあります。

服部:Instagramで、ミスコンの背景にあるジェンダー問題は何かっていう構造的な問題を説明した記事を投稿したときに、賛否両論はありましたが、いいね数では一番反響が多かったです。セーブとかになってくるとまた違います。セーブ数が一番多いのは有害な男らしさっていう投稿です。この二つとか他の伸びている投稿がそうですが、他の団体だと凄くジェネラルでイントロダクトリーな説明で終わる問題を、ちょっと一歩踏み込んだときにとても大きな手ごたえだったり反響を得られるなって思いますね。

村田:特にミスコンの投稿のいいね数がとても多い理由としては、勿論凄く掘り下げたっていうこともありますが、投稿をした時期も関係があると思います。ミスコンとかミスターコンが始まりかけて世間が盛り上がっているなかで投稿したものだからこそ、響くものが多かったのかなって思います。もう一つの有害な男性らしさも、他のInstagramの団体でも結構取り上げられているほうですが、やっぱり一歩踏み入れた内容で差別化を図っています。私も、ある方が書いてくださったこの記事を最初の方に見て自ら学ぶことが凄く多かったので、他とは全然違う学びが出来たなって思います。そういうところを私たちも今後強くしていきたいなって思っています。

ーー読者に向けて一言お願いします。

服部:まず、この記事を読んでくださってありがとうございました。僕たちの団体は主にジェンダー問題を取り扱う団体ですが、どうしても発信力に限界があるというか、全員に届くことが出来るメディアではないというのが実情です。ですが、そのなかでも最近凄く多くの方に応援いただいていて、より多くの方に読んでいただけている団体です。皆さんも興味を持ったら、是非とも僕たちのInstagramやTwitterなどのSNSをフォローしていただいて、今後応援をしていただければなと思います。また、僕たちが扱うジェンダー問題や社会問題は誰しもに関係があるトピックです。僕たちだけでなく、他の学内外の学生団体等も様々な発信をしているので、是非そのような団体の記事なども見ていただいて、少しでもジェンダー問題に関心を持っていただければなと凄く強く思いますね。

村田:まず、Voice Up Japan ICU支部を知りたいなら、Instagramを見てほしいです。また、主観的には自分事じゃない社会問題も勿論人によってはあると思いますが、被害を被っている人は周りにもいるし、もしかしたら自分も被害者かもという問題も多くあります。まずその違和感に日常からでも良いから気づいてほしいなって思います。それを考えるきっかけが私たちのSNSの投稿だったりすると思います。社会問題に取り組んでくださいとかではなくて、ちょっと記事読んで、考え方の変化として私達のプラットフォームにまず入って欲しいなと願います。それを元に何かアクションを起こしたいっていう思いがあるけど一人では無理っていうことだったら、私たちはいつでもお待ちしておりますので。是非私たちと一緒に活動しましょうって感じです。それを全力でサポートするのが私達の役目でもありますし。

服部:そうね。僕たちが皆さんの最大のサポーターなので、そういう風に思っていただければ良いかなって思います。

【青木】

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