美術関連の職業に就きたい貴方に贈る、「ICUのアートなOB紹介」インタビュー
|ICUにはダンスや音楽、演劇といったサークルに所属する学生が多い。しかし、英語やリベラルアーツを強く押しているICUで、卒業後も芸術に関係する分野で活躍している同窓生の存在を知っている学生はほとんどいないだろう。
「アート分野で活躍するICU生たちをもっと知ってもらいたい」――そのような思いから、演劇や映画といった芸術分野で活躍している同窓生を紹介するWebサイト「ICUのアートなOB紹介」が始まった。ICUと芸術を結びつける試みとはどういうものなのか? 当サイトを運営する村田広平さん(ID 80)にお話を伺った。
(※インタビューは再構成済み)
――「ICUのアートなOB紹介」はどんな試みなのですか?
「ICUアートなOB紹介」は、ICU卒業生の中で絵画や演劇、映画や彫刻といった、芸術関係の道に進んだ方を紹介する試みです。
元々は4年前のICU祭で、私の所属するICU美術部OB会の展覧会に、アート関係のお仕事をされているOB/OGのグループ紹介コーナーを設けたことがこの活動の始まりでした。この展覧会を通してもっと「ICUのアートなOB」を知っていただきたいと思い、2年前にも「ICUアートプロジェクト」という現役学生によるアートサークルとICU美術部OB会が合同し、芸術関連のお仕事をされている卒業生の方々を15人、パネルで紹介しました。
その時に、ICU祭という限られた期間だけではなく、もっとICU卒業生のアートな部分を皆さんに知ってほしいと思い、「ICUのアートなOB紹介」というWebサイトを始めました。
――芸術関連のお仕事をしているOB/OGを紹介しようと考えたきっかけは何ですか?
この活動を始めた当初は、アート分野で活躍しているICU同窓生がいるということを同窓生に紹介することが目的でした。
しかし、ICU祭で現役学生とパネル展示をしたことがきっかけとなり、「ICUのアートなOB紹介」を通して学生の皆さんに、もっと芸術系の仕事をしている卒業生のことを知ってほしいと思いました。
私が美術分野で一時期仕事をした時は、ICUのネットワークなどは気にもしませんでしたし、多くのアート分野に進んだOB達のほとんどもそうだと思います。けれども、今思えば、自分の仕事に近い領域にどんな同窓生がいるのかを知っておくことはやはり必要だと思います。
芸術系の職業への道は、外資系やベンチャー系のようないわゆるICU生の王道とは少し外れたところにあるかもしれません。しかし、ICUは卒業生が少ない割に、芸術分野の仕事に就かれた方が多いようにも感じます。「ICUのアートなOB紹介」を通じて、学生の方が情報や人脈不足で夢を諦めることのないように、陰ながら支えられればと思っています。
――「アートなOB紹介」はどういった活動をしているのでしょうか。
主な活動としては3つあります。1つ目は、先ほどから話題にしている「ICUのアートなOB」を紹介することです。Webサイトでは、現在奈良橋陽子さんや平田オリザさんをはじめとする36人の方をリスト形式でご紹介しています。OB/OGの方からの学生に対するメッセージもありますので、ぜひ読んでみて下さい。
2つ目は「ICUのアートなOB」へのインタビューや、アートやICUに関するあまり知られていない事項に関する紹介です。先日ICU図書館で行われた「幻なければ民滅ぶ~湯浅八郎とICU~」展などを、2ヶ月に一回ほどのペースで更新しています。
3つ目は、イベントと特集コーナーです。「ICUのアートなOB」が関わっている展示会や演奏会などの情報を随時月ごとにまとめています。芸術分野で活躍されている方々が、どういったお仕事をされているのかを知るいいチャンスだと思うので、活用してみてください。
――Webサイトで紹介されている卒業生の方はどのようにして選ばれたのでしょうか。
2012年のICU祭企画で紹介させていただいたOBGの方や、このプロジェクトを手伝っていただいているID81の原田さんに教えてもらった方々が中心です。もっと認知度があれば、声がかかることも増えるだろうと思うのですが……。難しいですね。
――今後「ICUのアートなOB紹介」の活動として行いたいことはありますか?
当面の目標は、今の活動をこつこつと続け、同窓生や現役学生の皆さんに「ICUのアートなOB紹介」をもっと知っていただくことですね。今まで芸術分野で活躍する同窓生をまとめるという動きがなく、フィードバックも少ないので、今後どう活動を広げていったらいいか迷うところではあります。
また、特集ページのコンテンツももっと増やしていきたいですね。「幻なければ民滅ぶ~湯浅八郎とICU~」展など、ICUで行われている展示等ももっと紹介し、芸術とICUを結びつけることができればと思っています。
――ありがとうございました。