ICU舞台人名鑑 第1回――劇団黄河砂 Nさんの場合
|華やかなミュージカル、シリアスなシェイクスピアの悲劇など、ICUでは毎学期さまざまなジャンルの公演が行われている。しかし、そういった舞台を作っているのはどういう人たちなのだろうか。ICU演劇人の素顔に迫るICU舞台人名鑑第1回、取り上げるのは劇団黄河砂、ID20のNさん。代表作は「わたしと彼女の恋愛奇譚」だ。
−−演劇はいつから、なぜ始めたんですか?
大学から始めました。中学・高校で友達がやっているのを見てずっと憧れていたからです。ずっとやりたいと思っていて、ICUに入学したのをきっかけにやってみようと思い、劇団黄河砂に入りました。
−−今回演じられた劇は、黄河砂の新入生デビュー公演とのことでしたが練習は大変でしたか?
とても大変でした。今回の公演は9月30日から10月3日まで、全4公演ありましたが、練習自体は6月末、春学期が終わってから公演当日までずーっとありました。夏休みも、2週間の帰省休み以外は演劇づくしの毎日でした。
−−秋学期が始まってからは、授業とサークルの両立が大変ではありませんでしたか?
そうですね、やっぱりELAの課題が多いので大変でしたが、徹夜するほどではありませんでした。劇の練習は授業が終わってから大体18:40から21:30までありました。でも不思議なことに、演劇をやっている間は課題のことを忘れられるんですよね。
−−舞台は今回が初経験だったとのことですが、役を演じる上でどんなことに注意しましたか?
先輩方からは、細かいところをたくさん指摘されました。こんなところにまで気を配っていたのか! と驚くほどでした。中でも印象深いのが視線についての指摘です。何を目的に何を目に映すのか、些細な視線のひとつひとつに意味を持たせるということを教えていただきました。
また、観客との一体感という意味で、笑いどころは大切にしました。実際、観客席から反応があると、役者側のボルテージも上がってきて。すごく楽しんで演じることができました。
−−あなたにそこまでさせる演劇の魅力とは何ですか?
自分とは違う価値観に出会えることです。今回は私が演じた役も含め、劇に出てくる登場人物みんなが変わっているので私ならこうする、いや、そんなことしないというようなことを、ある人物を演じることを通して考えさせられます。色々な価値観に触れられることが演劇の楽しいところです。
−−これからも演劇は続けていきますか?
はい。練習は朝早いし夜遅くて大変ですが、それ以上に楽しいのできっと続けます。観客を楽しませることができるのはのはもちろんですが、演じている自分もとっても楽しいんです。観客と一体になって、自分じゃない誰かを演じて。辛いけど、終わった後の達成感には代えられません。辛いけどすごく楽しくて、終わったら寂しくなるというサイクルにハマって、またやりたくなるんだろうなと思っています。
−−次回公演の予定は決まっていますか?
はい。友人が色々と面白いことを企画しているようなので、それに加わろうと思っています。詳細は未定ですが、今から楽しみです。
−−ありがとうございました。