写真で振り返る、新々2寮竣工式

2017年2月16日(木)、「新々2寮」こと樅寮と楓寮の竣工式が寮内にて執り行われた。新々2寮は第二男子寮の跡地に2015年秋から建設が始まり、約1年半の工期をかけて竣工に至った。今回、弊紙記者も学生サービス部の許可を得て竣工式に参加することができた。

▲式次第

式は礼拝、内覧会、祝会の3部構成で実施された。第1部の礼拝においては、大学牧師の北中晶子氏の司式の下、讃美歌の斉唱や聖書の一節の朗読が行われた。礼拝の中で北中牧師は「新築の今が建物としての最も美しい時ではない。主役である学生が入寮し、初めて命が吹き込まれる」と述べた。

▲式を進行する北中牧師

記念礼拝ののち、寮入口に「定礎」のプレートが設置された。プレートの中には当日16日の新聞、紙幣、新々2寮建設支援委員会・準備委員会の名簿が入れられた。

▲中には当日の新聞や紙幣などが入れられた

 

第2部の内覧会では、竣工後初めて樅寮と楓寮の内部が関係者に公開された。まず案内されたのが樅寮の最上階の7階。主に大学院生用の居住フロアとなる予定だ。エレベーターを降りて目を引いたのが、紺色に統一されたソファーと柱である。樅寮・楓寮では各フロアにフロアカラーが設定されており、一目で自分がどのフロアにいるのか視覚的に判断できるようになっているという。

先へ進むと「ソーシャルルーム」と呼ばれる居住者の交流スペースが現れる。ソファーとテレビ台が設置されており、隣接するキッチンには食卓、キッチン、カウンターテーブルも置かれていた。また、ガラス張りの窓からは富士山を望むことができた。

ソーシャルルームからエレベーターを横目に逆方向へ進むと、居住スペースにたどり着く。欅寮・銀杏寮・樫寮の新3寮においては「ポッド」と呼ばれる区画単位で部屋が割り当てられていたが、樅寮・楓寮では部屋が縦一列に配置され、ICUの伝統的な学生寮を彷彿とさせる作りになっていた。また、ワンフロアの定員は32人であり、これは旧第2男子寮の定員と同数である。これらは寮生や卒業生からの意見を踏まえて決められたという。

▲内覧会の様子
▲窓からは富士山を臨むこともできる

 

次に案内されたのは1階。1階は寮外生も基本的に利用可能であり、施設費も寮費からではなく大学が直接負担するという。このフロアで特筆すべきは、セミナールーム。寮生以外の学生も、予約をすればサークルのミーティング等にも利用可能だ。

▲1階には寮生対象の大浴場もある

 

▲リビング&ダイニングに隣接して、和室も存在する

 

また、印象的だったのはラウンジのスペース。楓寮・樅寮の建設の際に壊された第2男子寮の床材が用いられており、壁には写真や資料が展示されていた。

▲床材には第二男子寮の床材が用いられた

 

内覧会の後、式は第三部の祝会へと移った。工事を担当した清水建設株式会社の取締役副社長や北城恪太郎理事長、日比谷潤子学長、布柴達男学生部長が、代表して式辞を述べられた。北城恪太郎理事長はアメリカの全寮制リベラルアーツ・カレッジを引き合いに出し、学内に寮があることの意義を述べた。その中で、さらなる寮の建設にも意欲を示した。また、布柴学生部長は支援委員会・準備委員会の学生との対話を踏まえて、この寮が建設されたことを強調した。

▲挨拶する北城理事長
▲布柴学生部長は、学生との対話を踏まえて樅寮・楓寮が建設された意義を述べた

 

祝会の中で出澤研太理事長補佐は「ばか山を参考に、中庭部分に小高い丘を設置した。1階のテラスとリビング&ダイニングとも組み合わせて、寸劇の鑑賞やバーベキューをすることも可能だ」と述べた。また、グローバルハウスとの間に垣根を設けなかったことに触れ、樅寮・楓寮の寮生に限らず、すべてのICU生にとっての対話の空間にしてほしいという狙いを口にした。

式に出席していた第二男子寮最後の寮長で、準備委員会のメンバーでもあった榑林笙太さんは弊紙記者のインタビューに「まず、新々寮の一部に第二男子寮の面影を残してくれたことはうれしい。この寮に文化がどう築かれていくのか不安はあった。だが、準備委員会のメンバーとして活動する中で、春から入寮予定の学生とも言葉を交わしてきた感想として、活気のある寮になるのではないかと感じている。今はただ楽しみだ」と述べた。