ICUでキャンプ?ー高橋伸先生に聞くIJCC(ICU ジュニア キャンパス・キャンプ)の魅力

ICUの自然豊かなキャンパスと施設を利用して実施される、IJCC(ICU ジュニア キャンパス・キャンプ)。小中学生を対象としたキャンプで、春、秋には日帰りのDay Camp、夏には4泊5日の滞在型キャンプのスタイルで開催される。また、毎回多くのICUの学生がボランティアとしてIJCCの運営をサポートしているのも特徴のひとつだ。
今年も7月下旬にキャンパス内で滞在型キャンプが開催される。大学内では聞く機会が少ないIJCCの活動内容や目的、プログラムの詳細について、ICUの教員でありIJCCディレクターである保険体育科の高橋伸先生にお話をうかがった。(インタビューは再構成済)

━━まず、なぜ大学でキャンプを実施することになったのかお聞かせください。
以前、寮の施設を何かに利用できないかという話が出て、担当者がたまたま野尻キャンプの出身の人だったので、「キャンプをしたらどうだろうか」というアイデアをいただいたんです。来るのは子どもたちですが、ボランティアとして携わる学生たちも学べる機会になるのではないかと思い、始めました。

━━IJCCの目的は何なのでしょうか?
ICUの施設を使って、そしてICUの人たちと一緒にキャンプをすることで、リーダーを務めるICUの学生と、参加する子供たちの健全な成長を促していこうというのが一番大きな目的ですね。別の言い方をすると、キャンプを通して、子どもたちにもリベラルアーツを伝える機会にしたいです。

━━キャンプでリベラルアーツ教育を行うというのは、具体的には何を子供たちに学ばせるのでしょうか?
まず1つは、広いものの見方ですね。ICUは大学として、学生に広いものの見方をさせるようにしています。ICUで学んでいる学生がキャンプに携わることで、広い視野を持つように努めようとする雰囲気を作れると思います。
2つ目に、プログラムを通して、Body、 Spirit、Mindを育てる全人教育を行います。プログラムの中では、好きな運動をしたり、他の子どもたちと遊んだりします。また、それ自体も大きなプログラムの1つとして、キャンプが始まる前に、学生のリーダーがキャンプで子どもたちと何をやりたいかを話し合います。例えば、美味しい料理の作り方、泥団子の作り方、ペットボトルのロケットを飛ばし方、熱気球の作り方など、自分たちがやりたいことに沿ったテーマを決めます。そして、キャンプが始まると、リーダーたちは子どもたちにやりたいことをプレゼンテーションする機会が与えられる。その上で子どもたちと一緒にそのプログラムを行う。一緒に図書館に行って植物についてなど調べ物をすることもあります。そして、それぞれのグループでどのような結果になったか、成功したか失敗したかに関係なく発表会を行います。このように、とにかく実際に行動し、いろんな角度から物事を考える体験をキャンプを通して子供たちに経験してもらいます。
IJCCでは、毎回約25人のICUの学生が期間中に子どもたちと過ごし、キャンプをサポートしてくれています。学生たちの子どもたちに対する接し方、プログラムの進め方や説明の仕方には、ICUでの教育の成果が出てくると思います。なので、このキャンプは学生たちを通して、子どもたちが物事の考え方や問題解決方法を学べる環境でもあります。

━━キャンプのプログラムの内容は他にどんなものがありますか?
初日に、オープニングプログラムといって、学生のリーダーたちが事前に決めた研究内容の発表があります。そして、オープニングプログラムの後にベッド決めを行います。参加してくる子どもたちは大学の新寮で寝泊まりするのですが、リーダーたちは干渉せずに、子どもたちだけでどのベッドで寝るか、誰と同室になるかを決めさせるんです。子どもたちに好きに選ばせると、大抵誰かしら「誰々さんとが良い」と言ったりするんですが、本当にそのような自分本位の決め方でいいのかを考えさせ、自分たちだけで決定を下させる機会を設けています。
また、先ほど言及したリーダーと子どもたちが協力して行う研究の時間のほか、スポーツ、キャンプファイヤーなどのプログラムを実施します。ある年は、野川公園で水遊びをしたり、水中生物を観察する機会も設けたこともあります。また、ICUでのキャンプなので、毎朝、大学構内にあるシーベリーチャペルで朝の礼拝を行ったりもします。

━━今までIJCCを実施してきて、反響はいかがでしたか?
ありがたいことに、年々参加してくださる子が増えています。リピーターも増えました。
前回行ったDayCampでは募集人数の倍以上が応募をしてくれました。
また、一番最初の時に来ていてくれた子たちは今は高校生になっていて、これからもIJCCに携わりたいということでジュニアリーダーに名乗り出てくれる子もいます。

━━今年から新しく導入したプログラムなどはありますか?
年々応募者が増加していることもあり、毎年夏に実施する4泊5日間の滞在型キャンプを二回開催することにしました。あわせて、昨年のプログラムを一部変更する予定です。


━━ボランティアの応募を考えている学生に対してメッセージをどうぞ。
ICUの学生にはとにかく経験してほしいし、これまでに参加したことのある学生も、一度と言わず是非続けてほしいと思います。一回だけじゃ分からないことはたくさんありますが、何回もやることで状況判断や人の気持ちが分かってきますから。是非応募を考えてみてください。

━━ありがとうございました。