旧D館「DOCOMOMO Japan選定作品」選出! 記念プレート贈呈式と見学会開催
|11月25日(土)、ディッフェンドルファー記念館東棟(以下旧D館)オーディトリアムにて、旧D館が2016年DOCOMOMO Japan選定作品に選ばれたことを記念するプレート贈呈式が開催された。DOCOMOMO Japan は、ポルトガルのリスボンに本部を置く国際団体DOCOMOMOの日本支部で、20 世紀の建築における重要な潮流であったモダン・ムーブメントにかかわる歴史的・文化的に重要な現存建物・環境の記録、調査および保存のための活動を行っている。
式は、選定にも携わる東京工業大学准教授の山崎鯛介さんの講演で幕を開けた。山崎さんはスライドを用い写真も交えつつ、旧D館の歴史や意匠を紹介するとともに、旧D館が設立段階から学生と大学職員、そしてヴォーリズ建築事務所との対話を経て誕生したことの意義を強調した。
山崎さんによると、旧D館には建築事務所が設計した初期案を学生の要望を踏まえて大きく改定した経緯があるという。「部室と講堂を隣合わせにしないでほしい」といった使用者としての要望や、「部の垣根を超えて学生が集まることができるラウンジがほしい」といった希望などを踏まえて現在の旧D館の形が決まったと話す山崎さんは、様々な要望が学生から出される中で、ヴォーリズ建築事務所がそれを「大人の対応をみせてまとめあげた」と評価した。講演の最後、山崎さんは「今後もこのD館がICUのシンボルとして使い続けられていけば」と締めくくった。
講演終了後、DOCOMOMO Japan幹事長で東海大学教授の渡邉研司さんからICUの日比谷潤子学長に対し、記念のプレートが贈呈された。日比谷学長は「最初に選定を伝える封書を見たときは、携帯電話会社から連絡が来たものだと思い戸惑った」などと冗談を挟みつつ、「大変名誉なことだと感じている。(このプレートは)『これからも大事に使います』という宣言板だと思う」と述べた。
プレートについて、学生サービス部長の岸本誠氏は本紙の取材に対し、「プレートは現在学生サービス部で保管しているが、今後旧D館内に展示することを予定している」と語った。
贈呈式の後はICU内の建物の見学会が行われ、実際に旧D館や図書館、チャペルといった学内の歴史的建造物を巡る機会が設けられた。見学会の中では、「初期の国産アルミサッシ」といった講演内でも触れられた細かな意匠に参加者が目を向ける姿がみられた。