【新入生歓迎特集】
新版・ICU生の一日
| 新版ICU生の一日
WGで度々掲載してきた、社員の一日を紹介する「ICU生の一日」のコーナー。今回は、コロナ禍によって大きく変化した前年度の生活を中心に、3人の社員に記してもらった。
ICU構内に生息する場合
寮生活を始めてから、少しずつ生活サイクルの定まらない状態に堕落してきた筆者であるので、こういう記事を書く資格があるのかわからない。まだマシだった2020年度冬学期の日常を思い出しながら、「ICU生の1日」(寮生Ver.)なるものを認めようと思う。
朝、1限ないし2限の授業に合わせて1時間前には起床……していたのは春学期と秋学期の最初だけで、冬学期は早くて授業開始40分前、遅くて3分前に飛び起きて授業に出ていた。遅刻は「そんなに」しなかった。オンライン授業様様である。大抵ELAがその日の最初の授業で、午前に1つは空きコマがあるのが普通だった。ちなみに朝食は、りんごやバナナなど、準備が楽なものを、業務スーパーで調達して食べている。
空きコマでは、スタディという寮の自習室で課題をやったり新聞を読んだりすることがほとんどだった。Stream 4だった筆者は、ELAと他の授業の学習時間比率が7:3くらいであった。筆者としては1年を通して、特に学期中の平日は、読みたい本を読むことや、興味のある勉強をすることに時間を割けなかったのが割と苦痛だった。ELAは適度にサボるのも大事だと冬学期になって悟った。
なお、筆者はたまたま2人用の部屋を1人で使い続けていたが、結局部屋だと気が散ってしまうので、専らこのスタディもしくはすぐ近くのガッキ(大学食堂)で自習をしていた。ガッキは夜9時まで空いているので便利。
昼食も夕食も、業務スーパーで買った冷凍野菜などを使って作り置きのおかずを拵え、それに加えて即席の味噌汁、カレー、魚の缶詰などを食べる。筆者の食事は専ら効率と栄養重視である。ソーシャルという共用スペースにあるテレビの前で、NINTENDO 64のスマブラによる熱い戦いが繰り広げられているのを横目に、キッチンに向かって夕飯の準備をするのがほとんど日課になっている。
筆者は4つ団体を掛け持ちしているので、放課後についてはそのどれかの活動に参加するか、そうでなければガッキで課題などをしていた。
夜は、早寝しなければと思いつつ、12時頃にキッチンで友達と会い、ダラダラ1時間も喋ってしまったり、たまに寮の浴場に友達と行って長湯したり、スタディで勉強していたらソーシャルから家トレに励む寮生の声が聞こえてきたりと、「まさに寮生活」と感じられる出来事が多い。
こんな感じで、時に退屈、時に刺激的なのが、筆者が感じるありのままの寮生活だ。 【怠惰な卵】
教職課程履修者の場合
ウイルス禍を忘れさせてくれるかのように咲き誇っていた桜花もいつしか散り、キャンパスでは早くも新緑の息吹が感じられる。新入生諸君におかれては、大学生活にもう慣れた頃であろうか。残念ながら、交友関係に乏しい筆者には君らの様子を窺い知る術はない。
さて、今回は「ICU生の一日」を書けとのことで、気乗りのしない筆者は重い筆をとっている。そもそも、コラムを書くこと自体に慣れていないのはさること、こんな凡百な学生の生活を知ってどうするのかと思うわけだ。ただ頼まれた手前、深夜のTFM(80.0MHz)に耳を傾けながら仕方なしに取り組んでいる。
小稿では、法学と政治学を専攻し、英語科・社会科教職課程を履修しているICU生の一日(2020年度冬学期)を取り上げたい。
1限の「憲法Ⅰ」を受講するため、授業開始の30分前に起床。朝食をとったのち、眠い目をこすりながら自室のPCを起動させる。Zoom授業の良さを繰り返し実感する朝だ。学生発表が授業の大半を占めるので、多くの場合は画面を見つめることで1コマが過ぎていく。
昼食まで、次の授業に向けて資料の下読みをする。本来であればもっと余裕を持っていたいところ、他の授業でレポートや発表を抱えることが重なり、そううまくはいかない。まあ、おおよそ授業前に読み終えてしまっていたので、受講においての支障がなかったことは幸いだった。
5限から2コマつづきの「地誌」は対面授業に参加。ハイブリッドの授業ではあったが、オンライン組の授業は完全な通信教育と化し、対面組との学習進度に明らかな差が生じていた。なので、どれほど気だるさを覚える日であっても、学びを得るには対面授業しか選択肢がなかった。
7限からの2コマは「世界史概観」に出席する。これが一日の最後に受ける授業だ。オンラインで参加する学生も交え、テーマに即したディスカッションをするのだが、なかなかに楽しい時間である。コロナ禍にあって、いちばんICUらしさが体現されている授業といえるのかもしれない。
授業後、静まり返った本館を出ると外はもう暗闇に包まれている。受講生らとバスに乗って家路につくのだが、短い時間ながら車内で彼らとの会話を楽しむのが毎回のお決まりだ。自宅の最寄り駅に着くころには午後10時を回っているのはいつものこと。営業自粛下、駅前には店内飲食のできる飲食店はなく、空腹を堪えて弁当を購入して帰宅する。その後は夜中の3時までくつろいだり、勉強したりするのだが、紙幅ももうないだろうからここでは割愛させていただく。
以上が筆者の一日の概観である。ことに教職課程の履修を考えている新入生にとって、すこしでも教職履修者のイメージを掴む一助となっていれば望外の喜びだ。 【棟梁】
就活中の4年生の場合
その昔、筆者が入学したての時に周りにいた4年生は、単位の枷から解放され自由を謳歌する生き物のように見えていた。しかし、いざ自分が4年生になると、その認識は大いに間違っていたと言わざるを得ない。就活、卒論、資格取得の勉強、彼女づくりと学外でやることに(?)費やす時間が本当に多い。今回は就活中である筆者の春休みの生活を紹介しよう。
筆者の朝は早い(寮生にしては)。朝の8時に目覚ましの音楽とともに起床し、野菜ジュースを啜りながらキッチンへ向かう。最近はすり潰したミニトマトと生ハムをトーストに乗せて、仕上げにオリーブオイルをかけたパンコントマテに齧りつく。全部業務スーパーで買ったとは思えないほどの美味しさなので、ぜひ試してほしい。朝ごはんの後にはオンラインの会社説明会や選考の面談の予定が詰まっているのでいそいそと準備をする。どうせ全身は映らないからという理由で上半身しか着替えずに出席する。
そうこうしていると昼になるので昼食を準備する。昼食は午後を有意義に使うために、いかに早く食べるかのタイムアタックになる。何を作るかは冷蔵庫に残っている食材で決めるが、大抵はチャーハンになる。午後は主にエントリーシートや企業に提出しなければならない書類をまとめるために使う。筆者の場合、一日一企業を目標にエントリーシート書いていたが、締め切りによっては何枚も書くことも珍しくはない。筆者はWeekly Giants Co.での活動で締め切りの大切さをしっかりと学んでいるので、怒った編集長の顔を想起すると不思議と筆の進みが早くなる。
夜は主に家事をする時間となる。部屋の掃除、洗濯、買い物を終わらせながら夕飯の準備もする。忙しい日は出前を頼むこともあるが、筆者は料理が趣味なので、できる限りは自炊を続けるようにしている。夕食を食べ終えたあとは、ようやく少し自分の時間をとれる。最近はコミュニケーションとして寮の後輩とスマブラをして遊ぶ。0時を越えたら就寝の準備をして、翌日までに終わらせないといけない仕事を考えながら微睡に落ちる。
いかがだったであろうか。このご時世ということもあるが、筆者は外へ出ることがほとんどなくなってしまったため、食生活をできる限り充実させてストレスをため込まないように気をつけている。その反動で下腹部も豊かになっているような気もするが……。読者の皆さんも健康には気をつけよう! 【ミカク】