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英語試験TEAPはICU一般入試の英語科目にどんな影響を与えるのか?

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1.はじめに

ICUでは、入試の際に英語力を評価する指標として外部の英語試験の活用が広がっている。来年度の一般入学試験より、これまでと同様に大学独自の英語試験を課すA方式に加えて、TOEFLまたはIELTSを英語の成績として利用するB方式を設ける。

また、ICU特別入学選考(AO入試)や4月入学帰国生特別入試などでも英語力は、TOEFL、IELTS、TOEIC、英検のいずれかによって評価されている。英語科目に外部試験を活用することで、早い段階から英語力を高めようという受験生のモチベーションが高まることが期待される。また、受験までに何度もチャレンジして、よりよい成績で入試に望めるようになる。

一方で、外部試験には問題点もある。そもそもTOEFLやIELTSは海外の大学に入試する学生を対象とした試験であり、日本の大学が要求する英語力を測る上で必ずしも適当であるとは言えない。また、TOEICはビジネスコミュニケーション力を主に見るもので、英検は英語の総合力を測るためのテストである。

高い水準の英語力を求める一部のグローバル系大学や学部であれば、TOEFLやIELTSを導入していてもむしろ海外の大学との併願者を獲得できるかもしれない。しかし、一般的な受験生を対象にこれらの試験を課すのは現段階では非現実的であろう。実際、ICUでも入試の中でも大きな割合を占めている一般入試A方式においては、独自問題を採用している。

 

2.TEAPの可能性とICUに与える影響

ところがICU以外の大学では、TOEFLやIELTSとは異なる独自の英語試験を入試に活用しようとする動きも出始めている。それが、上智大学と日本英語検定協会によって作成されたTEAP(ティープ、Test of English for Academic Purposesの略)である。

この試験は、TOEFLやIELTSと同様にリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つのコンポーネントから成り立っており、「日本における『大学教育レベルにふさわしい英語力』」(1)が目標とされている。

2015年度から上智大学の全学部、立教大学、関西大学、立命館アジア太平洋大学、中央大学の一部の学部・学科で入試の選択肢の1つとして導入され、2016年度からは立教大学全学部でも入試方式の1つとして使用される。またTEAPの公式サイトによれば、試験の活用について筑波大学でも意向があるそうだ。

ICUと一部の大学のように入試でリスニングを課している事例を除き、これまでほとんどの大学ではリーディング、しかも受験において評価されるのは難解な英語長文読解の技能が中心であった。

しかし、TEAPが導入されたことによって、ICUのような小規模校でなくても英語力全体のスコアが高い受験生を獲得できるようになる。TEAPには、大学のグローバル化が叫ばれている中で、高校の英語教育においてリーディング偏重から一気に脱却しうる可能性が秘められている。

これまでICUの一般入試試験には、英語において日本の大学では珍しくリスニングが大きな割合を占めているという独自性があった。リスニングの実施は、4月入学生の1年次に英語教育プログラムであるELAを課し、日英バイリンガリズムが求められるICUならではであろう。

しかしTEAPの広がりは、リーディングに偏らないという入試におけるICUの優位性を失わせ、ライティングやスピーキングが評価されないという欠点を露わにすらしてしまうのである。

 

3.ICUの一般入試でTEAPを活用するメリットとデメリットは?

ほとんどの大学は、近年まで入試では自校独自問題を使用し、外部試験の導入はあまり考えられてこなかった。ICUの一般入試でも、リスニングとリーディングによる英語試験や総合教養(ATLAS)、日本語の超長文やユニークな理数問題など、入試問題を工夫して多様な人材が確保したいという大学側のメッセージが読みとれる。

とりわけICUのセンター利用入試の廃止は、国公立大学と併願するような優秀な受験生よりも、大学に対する志望度が高く、独自の試験をクリアした学生が欲しいという方針の現れであろう。

しかし、ICUと並んで日本の外国語教育を代表する学校である上智大学は、自校の問題に代わって、日本英語検定協会と手を組んだ外部試験に評価を委ねる道を選んだ。また、TEAPに賛同した、あるいは賛同しようとしている立教大や立命館アジア太平洋大、筑波大はいずれも外国文化研究やグローバル化の分野で実績のある大学だ。

これらの大学がTEAPを決断した背景には、自校だけで問題を作成していては、大学が求める人材を確保できないという危機感があるのではなかろうか。

入試の英語科目において外部試験を使用すれば、外国語能力に関して大学側が直接関与して受験生を選別することができなくなってしまう。一方で、TEAPのスコアがICUでも使えるようになれば、受験生はわざわざ英語試験を受け直さなくても他の大学と併願できるようになる。TEAPの採用によって、ICUはセンター利用入試に代わる新たな併願先になりうるのである。

全授業を英語で行うような他のグローバル大学とは異なり、ICUの教育の象徴であるELAや日英バイリンガリズムに対して素質のある学生を選別する際に、TEAPを導入するか否かについては他大学以上に慎重に検討する必要がある。

しかし、一般入試が独自問題であるがゆえに、英語科目は試験から短期間で合否を判定できる、リスニングとリーディングの問題をマークシートで解答する方式が続けられてしまっているのも事実である。そのために、ICUは時代から取り残されつつあるのではなかろうか。

現行の制度のままで、大学間の受験生の争奪戦を生き残れるのか、TEAPという大きな流れに同調していくのか、ICUの入試における英語のあり方について、大学側はもう一度考え直すべきであろう。

 

引用
(1)公益財団法人日本英語検定協会「TEAPの特長とメリット」、公益財団法人日本英語検定協会『TEAP』。
http://www.eiken.or.jp/teap/merit/index.html
(2014.12.15閲覧)

 

参考文献
公益財団法人日本英語検定協会「TEAP」。
http://www.eiken.or.jp/teap/
(2014.12.15閲覧)
公益財団法人日本英語検定協会「TEAPの特長とメリット」、公益財団法人日本英語検定協会『TEAP』。
http://www.eiken.or.jp/teap/merit/index.html
(2014.12.15閲覧)
国際基督教大学「入試」、国際基督教大学『MENU』。
http://www.icu.ac.jp/admissions/
(2014.12.15閲覧)

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