【連載】就活リアルタイム~説明会あるある編~
|3月1日に就職活動が「解禁」されてから1ヶ月が過ぎた。既に内定の出ている学生もいるが、ほとんどの16の就活生たちは今、慣れないリクルートスーツを着て会社説明会や一次面接に奔走している。かくいう筆者も就活生の1人で、先日、3社から一度に祈られるというトリプルコンボを食らったばかりだ。とてもつらい。
「就活って何?」「みんな辛そうだけど、何が辛いの?」「授業を休んでまで説明会に行く意味が分からない!」1~3年生の中には、このような疑問を持つ学生も多いだろう。特に、授業にて就活生とグループワークを組んでしまった下級生は、彼らの謎の多忙さゆえに多大な被害を受けるのはもはや常識である。下級生と就活生の溝は深まるばかりだ。
本連載では、そんな、就活真っ最中のICU生が恐らく一度は体験したであろう「就活あるある」を紹介しつつ、就活生が一体何に疲労困憊しているのかを明らかにしていこう。1~3年生はこれから迫る就活生の宿命とも言える受難の内容を少しでも理解してもらえればと思う。記念すべき第1回となる今回は、「企業説明会」でのあるあるを紹介しよう。
あるあるその1 企業説明会への申し込みで祈られる
就活生が必ず経験し、恐れおののく概念のひとつである「お祈り」。『○○さんのご活躍とご健勝をお祈り申し上げます』、『貴殿の今後のご活躍をお祈り申し上げます』といった形で、選考に落ちた際に企業から送られてくるメールで多用されることが多い。選考に漏れたことを「祈られた」と呼び嘆く学生もいるほどだ。
そんな就活生が最も恐れる「お祈り」は、選考に落ちたときにだけ使用されるわけではない。大手や人気の企業は、説明会の予約も先着順または抽選であることが多い。そのため、抽選に外れると、まだ本エントリーをしてもいないのに祈られるというなんとも萎えることが起こるのである。また、職種によっては説明会に行くためだけに「自己PR」や「志望動機」を提出しなければならない。説明会に申し込むだけでもひと苦労なのである。
あるあるその2 毎日が企業説明会
「お祈り」と同じくらい就活生が恐れているものがある。「無い内定」、すなわち内定ゼロの状態である。そのため、大抵の就活生は本命の企業以外にも20~100社程の選考を受け、会社説明会にも行きまくる。選考に進むためには会社説明会への参加が必須だったり、説明会でのみES(エントリーシート)を配布したりする企業もあり、就活生の中には「無い内定」にならないためのチャンスは逃すまいとめいっぱい予定を詰め込む者もいる。
そこまで極端な就活生でなくても、説明会ラッシュの3月~4月は1週間あたり2社か3社の説明会が入ることが多いのではないだろうか。
あるあるその3 交通費が財布を蝕む
深刻な問題である。三鷹市大沢という辺鄙な場所の大学を選んだことを最も呪う瞬間だ。説明会は都心で行われることが多い。したがって、就活にはとにかく交通費がかさむのだ。たとえば新橋で説明会が行われる場合、三鷹駅~新橋駅間の往復交通費は940円だ。1日にいくつかの説明会を巡る際は、さらにいくらか加算される。
また、スーツを着る時は汚れやテカリなどを避けるためにバスを使うことも多い。特にタイトスカートを着用した場合は、もはや自転車に乗れないので必然的にバスを使うことになる。ICU近辺のバスの値段は片道220円だ。このように、たった数社の説明会に行くためだけに、数人の野口氏が消えてなくなるのである。将来への投資と思えば安いかもしれないが、就活のためにバイトもある程度制限されてくる学生にとっては手痛い出費であることに変わりは無い。
あるあるその4 隣の人が取るメモの量にビビる
数々の説明会にいくと、様々な就活生に出会う。スーツを着こなし、話も上手ないかにもデキそうな学生や採用担当者の一字一句に全身全霊でうなずく学生、一方で高校生気分が抜けないのか、せっかくのスーツを着崩す学生まで多種多様、まさにダイバーシティーである。しかし、そのような中でじわじわと存在感を醸し出すのが「メモをとりまくる就活生」だ。
確かにメモは大事だ。各企業の業務内容や理念、求める人材などを書き留めておくと、その後のエントリーシート記入にも役立つ。しかし、熱心にメモを取る彼ら彼女らが総じて持っている綺麗な万年筆や丁寧なノート文面は、もはや芸術作品といってもいいほどの美しさである。書いている本人が楽しければそれでいいとは思うが、説明会に参加し始めた頃は、一体何をそんなにびっしりと書くことがあるのだろうと、閑散とした自分のノートと見比べて心配になった。
以上、等身大の就活生を知ってもらうべく、就活生の「あるある」を述べてみたが、いかがだっただろうか。少しでも、ごくごく一般的な就活生の実態理解に貢献できれば幸いである。次回は、説明会の後に必ずやって来る「ES(エントリーシート)」を書く際のあるあるを紹介しようと思う。乞うご期待!
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