【連載】大学部署インタビュー 国際交流室編
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今回はICUの「I」を司る部署、国際交流室にお話を伺った。SEAプログラムなどICUの国際的な教育活動を支えている国際交流室は一体どのような組織なのか、インタビューを通じてご紹介する。
―――国際交流室は何をしている部署なのですか?
国際交流室は学生の留学を支援する部署です。海外の大学にICU生を派遣したり、協定校からICUに「OYR」と呼ばれる一年本科生を受け入れたりしています。
―――留学の斡旋を行うときに、難しいことは何ですか?
難しいことはたくさんあります。
単位編入が可能になるような制度の確認や成績評価基準の違い、ICUは3学期制なので海外の2学期制大学との学期の違いなどがあります。
また、アメリカなど15週間をもって一学期とするなどの決まりがある大学があるので、ICUの1学期11週間という1学期あたりの長さの違いなど、国による制度の差を埋める必要があります。
―――留学の協定を結ぶときに大切にしていることは何ですか?
一番大きなポイントは、持続可能な協定になるかどうか、です。
協定を結んでも形だけで実際には学生が利用しないようなものは意味がありません。ICU生が行きたいと思う大学で、向こうにも日本から来やすい環境があるかということも重視しています。
具体的には、ICUはリベラルアーツ教育を行う比較的小規模の大学ですので、学生の留学の目的としてはICUで学んでいる専門をさらに深めたい、その分野で強みをもっている大学で学びたいということが挙げられることが多いです。ですから、ICUで人気のある分野の授業が充実している大学を選ぶようにしています。
また、ICU生はブランド志向が強いようで、知名度の高い大学も人気です。地理的な条件でいえば、都市部にある大学が好まれています。安全性や教員の質、大学の雰囲気などがICUと合うかどうかも大事にしています。
一方、留学生を受け入れるときの視点としては、留学生の所属校は日本研究やアジア研究が盛んなところなのか、その大学からICUに来るときにどのようなメリットがあるのか、少人数教育や日本語教育、ICUでしかできない平和研究などのような授業が向こうのニーズにマッチするかということを大事にしています。
これまで協定のない地域の大学からの受け入れを増やしていくことを目指しており、スペイン、イタリアやアフリカ諸国の大学との協定を実現したいと思っています。
―――協定を結ぶ際に学生の意見を大切にしているとのことですが、それはどうやって調べているのですか?
3年次の調査や卒業時の調査、留学ガイダンスの際の簡単な調査などもありますが、窓口に来る学生とのコミュニケーションのなかで「えー、スペインないんですか」といった声があると、ニーズの把握に役立ちます。
また、学生の留学希望先には先生方とのコミュニケーションが大きな影響を与えますので、先生方からの声も大切にしています。
―――「国際教育交流グループ」から「国際交流室」に名前が変わったのはなぜですか?
あまり学生に影響がある変更ではありませんが、2012年に「グローバル人材育成推進事業」に採択され、 2014年には「スーパーグローバル大学創成支援」に採択されました。
そのような背景で今までよりも一層国際化を進めていくため、組織の改編を行い、その一環で名前が変わりました。
―――最後に、学生に向けて一言お願いします。
せっかく世界中の大学との協定があるので、一度は留学にチャレンジしてほしいです。
ICUの留学は学内での選考がとても厳しいですが、それは充実した留学にするためのものです。1、2年生の段階から着実に準備を進めて、ぜひ3年生の交換留学や短期プログラムに挑戦してほしいです。
―――ありがとうございました。