ICUで保護された「迷い亀」の行方を追った

9月19日夕方、ICU構内のオスマー図書館の前で亀が見つかった。ICUのポータルサイトに掲示されるなど、学生の間でも話題になった「迷い亀」であるが、現在はどこにいるのだろうか。現在亀の世話をしている上遠教授の研究室の学生である藤田真利奈さん(ID16)と濱中陽子さん(ID16)からお話を伺った。
(※インタビュー内容は再構成済)

——9月19日にICUで亀が保護されたということですが、保護の経緯を教えていただけますか。
藤田さん:9月19日の夕方、学生からオスマー図書館と旧ロータリーの間あたりで亀を見つけたという報告が保安グループに入りました。しばらくは保安グループで保護されていましたが、生物学メジャーの上遠教授が引き取って世話をしてくださることになり、現在は上遠教授の研究所にいます。

——現在亀の世話は誰がしているのですか?
濱中さん:主に上遠研の卒論生が交代で世話をしています。現在ウミガメの研究をしている上遠研OBの方にアドバイスをいただき、甲羅の4倍ほどの大きさの水槽に足場の石を置いて、温度と明るさの調節が可能な部屋で飼っています。甲羅の変形を防ぐために、晴れている日は毎日日光浴と散歩をさせています。上遠研では「かめ吉」と名前をつけて呼んでいます。

▲甲羅の4倍ほどの水槽。
▲甲羅の4倍ほどの水槽。
▲日光浴中のかめ吉。歩くのは意外と速い。
▲日光浴中のかめ吉。歩くのは意外と速い。

——この亀は何という種類ですか。
藤田さん:この亀はミナミイシガメといい、もともと石垣島や中国に生息している種類です。口角が上がっており笑っているように見えるので、愛好家たちの間で人気があります。

▲口角を上げて微笑むかめ吉
▲口角を上げて微笑むかめ吉

藤田さん:また、野生の亀は爪が削れて短いのですが、この亀は爪が長いので、おそらく誰かに飼われていたのでしょうね。

▲爪が長くとがっている。しかし爪自体は柔らかい。
▲爪が長くとがっている。しかし爪自体は柔らかい。

——今後もこの亀を上遠研で飼っていく予定ですか。
濱中さん:拾得物は、発見から3ヶ月経つと正式に「落し物」という扱いになるので、その後引き取り手が現れたらお譲りするつもりです。現れなかった場合、愛好家サイトで引き取り手を探し、それでも見つからなければ警察にお渡しすることになってしまいます。もし飼いたい方がいらっしゃればご連絡ください。

——ICU内で引き取ってくれる方が見つかるといいですね。亀の飼育は難しいのでしょうか?
藤田さん:それほど大変ではありません。水槽を窓辺に置いておき、こまめに水を替え、暇な時に散歩をさせてください。エサは、ペットショップなどで人工のエサが売っています。亀の保護のため安易にお見せすることは残念ながらできないのですが、晴れの日はほぼ毎日、理学館裏の駐車場で散歩をさせているので、もしかしたら散歩している姿が見られるかもしれません!

——ありがとうございました。