“ICU Festival”が「鷹揚祭」に?――ICU祭実行委員長インタビュー

4月6日の履修登録日、学内では例年どおり青い法被を着たICU祭実行委員が開催のための署名を集める姿が見られた。しかし、それによって開催が決まるのはいつもの”ICU Festival”ではなかった。2017年度ICU祭の正式名称が「鷹揚祭」と決定したという書類が署名の際に委員によって提示されていたのだ。

2017年度ICU祭の正式名称について知らせる書類

なぜ名称を変更することになり、なぜ「鷹揚祭」に決まったのか、そして学祭自体はどのように変わるのだろうか。2017年度のICU祭実行委員長である、ID19の山田健太郎さんにお話を伺った。

ICU祭実行委員長の山田健太郎さん

――正式名称を変更することになった経緯について教えてください。

正式名称が変更されたのではなく、毎年設定されていたICU祭の正式名称が今年は「鷹揚祭」になったということです。

正式名称を「鷹揚祭」とした背景には、地域との交流をさらに進めていくという今年のICU祭実行委員会の意向があります。

昨年「ICU生ゴヨウタシ横丁」というエリアをICU祭で設け、そこにICU周辺、吉祥寺から東小金井、調布あたりのお店13店舗にお願いして、実際に出店してもらったりICU祭実行委員会に委託という形で商品の販売をしたりしました。今年はこの試みを拡大して、ICUの周辺地域と交流を深めるという目標のもと、「おいでよ みたかの森〜Mitaka Crossing〜」というテーマを設定しました。

その一環で、これまでのICU Festivalという英語の名称は距離を感じるという地域の方からの声があったため、日本語の名称にすることとし、ICU祭実行委員会によっていくつかの案の中から「鷹揚祭」が選ばれました。

昨年の「ICU生ゴヨウタシ横丁」の様子

――「鷹揚祭」という名称にはどのような意味が込められているのでしょうか?

三鷹の「鷹」の字が入り、鷹揚という単語が自然豊かなICUのおっとりした雰囲気を表しているという意味を込めて「鷹揚祭」を選びました。

――ICUには留学生など「鷹揚」という字が読めない人もいると思うのですが、英語表記はどのようになるのでしょうか?

いまのところ、ローマ字で”Ouyou-sai”と表記することを考えています。

――この名称は来年度以降も使われていくものなのでしょうか?

それは名称が今年どれだけ定着するか、地域交流という方針が続いていくかというところ次第です。

ICU祭はさらに地域密着型に

今年のICU祭は

  1. 地域交流の促進
  2. 規模の拡大
  3. ICU祭全体の演出統括

の3つを目標としています。

学外でのイベント開催も

そういった目標のもと、ICUでの学祭開催以外にも、ICU外の地域でのイベント開催などもしていこうと考えています。具体的には、これまでにも3月に「地域と大学これからカフェ」というイベントを三鷹駅前中央商店街の一角をお借りして開催し、地域と大学の関係性について意見交換をしました。ICU祭で地域交流をする、という形よりは、ICU祭をきっかけに地域交流をするということを目指していきたいと思っています。

「地域と大学これからカフェ」の様子

ICU祭には例年13,000人ほどの来場者数があり、三鷹市の人口は約18万人です。それを考えればICU祭は地域にとっては一大イベントだといえます。今回の名称変更には、日本語の名称にすることでさらに地元からの来場者数を増やせるのではないかという意図もあります。

ーーICU祭実行委員会がICU祭の期間外に、ICU祭自体とは別の「地域交流」をすることは委員会の目的からすると妥当なのでしょうか?

先ほども言いましたように、ICU祭は規模的に地域の一大イベントであると同時に、ICU祭は「公式に大学が外に対して開かれる年一度の機会」です。大々的に大学が地域に開かれる特殊な機会とも言えることから、ICU祭が地域と大学の交流の場となることもちろん、その交流がICU祭の期間だけで終わることのないよう「ICU祭をきっかけとして」ICU祭期間前後も地域の交流をしていきたいと思っています。

地域の人たちとの相互理解を深めるため、また、ICU祭実行委員会に何ができるのか明らかにするため、地域と大学の関係性のあり方を探っているところですので、そのためのイベント開催は妥当だと考えます。

出店の手続きが簡単に!

2つ目の目標、「規模の拡大」に関しては、出店のためにこれまで必要だった煩雑な手続きを簡略化することを検討しています。たとえば、ICU祭実行委員会が事前に保健所の許可を取ったり、皿やガスボンベなどの機材の手配をセットにするなどして、これまでよりも手間を減らす予定です。

「ICU祭」が「鷹揚祭」になったわけではない

――「鷹揚祭」という名称は、ICU祭実行委員会規約(学生ハンドブック参照)が「ICU祭」の開催についての規則であるということと矛盾しないのでしょうか?「ICU祭」という名称ではない学祭をICU祭実行委員会が開催することはできるのでしょうか?

「ICU祭」というのは通称で、今回変わったのは例年”ICU Festival”としている正式名称の方です。「ICU祭」が「鷹揚祭」に変わったわけではなく、今年はICU祭実行委員会が正式名称「鷹揚祭」として通称「ICU祭」を開催します。もともと”ICU Festival”も規約で決められているものではなく、毎年幹部で話し合って決めてきたものでした。

具体的には、パンフレットやWebサイトでこれまでICU Festivalと書かれていたところが鷹揚祭に変わるということになります。ICU祭実行委員会という団体の名称もそのままです。

――ありがとうございました。
署名当日に初めて公表され、一般の学生にとっては寝耳に水だったであろう「鷹揚祭」という名称がどのように定着していくか、そしてICUの学祭がどのようなものになっていくのか、これからも注視していきたい。