P-Weekが秋休みに?! 就職相談グループに聞く、P-Weekの活用法
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Placement Week(以下P-Week)が従来と異なり、就活生だけでなく全学年の参加をより意識したイベントとして、春休みから秋休みに前倒しで開催されることになった。突然就職活動のスケジュールが早まったかのように感じているICU生も多いのではないだろうか。なぜ秋休みに行われることになったのか、今までのP-Weekとの違いはあるのか、そもそもP-Weekとはどういったイベントなのか……さまざまな疑問をお持ちの方もいるだろう。
そこで、ICUの学生たちの就職支援をおこなう、ICU就職相談グループ・グループ長の稲田聡さん、白石俊哉さんに、P-Weekについてお話を伺った。
(※インタビューは再構成済み)
ーーなぜ秋休みという時期にP-Weekを開催することになったのか、お聞かせいただけますか?
稲田さん(以下稲):就職活動は、3月広報開始、6月選考解禁という経団連の指針はあるものの、実際には3月より前倒しで始まっているという現状があります。
実際、今年3月に行ったP-Weekになかなか人が集まらなかったという事実があり、その解決策を探っていました。ですが、ICUのルールとして学期中にこういったイベントは開くことができないんです。3学期の終わりにやっていたイベントをそれより前にやるとしたら、秋休みと年末年始休暇のどちらかしかなく、そのどちらにするべきかを検討した結果、秋休みに前倒しで開催する運びになりました。
ーー従来の春休み期間に開催されていたP-Weekと、今回からの秋休みのP-Weekの違いについてお聞かせください。
稲:大きな違いとしては、以前は採用情報が提供される「企業説明会」といった形で開催していましたが、今回は「業界研究セミナー」というキャリアイベントの位置付けに変更した点です。内容に関しましては、春休みにやっていたP-Weekはやはり就活生が主なイベントの対象者でした。しかし、今回秋に移すことによって、対象になる学生はさらに広がります。
そして業界研究セミナーですので、1、2年生も早くから業界や企業を知ることができるイベントになっています。平たく言えば、「業界や企業を知ろう」という意味合いが強いですね。
ーーP-Weekの進行の方法を教えてもらえますか。
稲:最終日(12月2日)を除き、各日とも「第1回セミナー」(10:00~13:50)と「第2回セミナー」(14:20~18:10)の二部構成になっています。それぞれのセミナーでは10~11社が出展し、個別に割り当てられた教室を使って、50分間のセッションを4回繰り返します。セッション間のインターバルは10分です。
ーーつまり、学生は、10~11社の中から4社を選んでお話が聞けるわけですね?
稲:そのとおりです。一日フルに出れば最大8社。最終日の12月2日だけは一部構成で、13社が出展し、12:00~16:50の間に各社が5セッションを実施します。いずれにしても単独で行動するより、友達と協力して情報を集めることをお勧めします。3人で別々の企業を周れば、ほぼ全社の企業情報をコンプリートできますから。
ーー参加したい学生はどうすればよいのでしょう?
稲:各セミナー開始時刻が10:00と14:20ですから、遅くとも15分前には、会場となる本館2階に到着してください。各教室の準備が整い次第、入場案内を開始します。3階(351・352教室)には学生休憩室を設けますので、できたら早めに来て、友達と作戦を練っておくとよいですね。ちなみに服装ですが、スーツの着用は義務付けていません。とはいえ、清潔感はポイントですから、その点だけは気を配ってほしいと思います。
ーー現3年生以上(ID19、18September)の学生にとってはどのような位置付けのイベントになることをねらっていますか。
稲:それこそ就職活動における企業研究の一環と考えてもらって構わないです。また、経団連指針に縛られない外資系企業などは、採用情報の提供も予想されます。今まで3月に行われていたP-Weekでは、若干他大学の学生よりも就活の開始が遅れてしまっていたという面も考慮すれば、その点は改善されたと言えるのではないでしょうか。興味ある業種や企業へのファーストコンタクトと捉えてもらえれば、3月から開始の個社面接へスムーズに移行できるのではないかと思います。
白石さん(以下白):3月1日の解禁後、エントリーの締め切りが早い企業も増えていて、某就活サイトで一番早かった会社の締め切りは3月3日だったとのことです。なので、3月になる前の下準備が非常に重要になってきます。ID19以上の学生にはぜひ就職活動の一環として活用していただきたいです。今までのんびりしてきた学生にとっては、この時期に就活イベントに参加することで意識付けができて、スムーズな就職活動のスタートを切る助けになるでしょうね。
ーー現1、2年生(ID21、20の学生)がP-Weekに参加することのメリットをお聞かせください。
稲:早くから業界を知ることができますし、企業によっては秋冬のインターンシップ情報などを提供している場合もあります。まず、世の中にどういう仕事があるかということを俯瞰する意味でも面白いはずです。このP-Weekは、まさに「リアル業界地図」(※1)のようなイベントと捉えていただければ幸いです。「会社で働くっていうのはどういうことなのか」ということをイメージできますので、今後のビジョンを考える上で役に立つと思います。
ーーP-Weekの参加前のガイダンスについてのご案内をお願いします。
白:2017年11月10日(金)のコンボケーションアワーの12時45分から13時45分に、理学館N-220教室で行われます。(編注:昼食は持ち込み可だが、ゴミは持ち帰るように注意してほしいとのこと。)
2部構成で、前半は就職相談グループからハンドブックを配布して、参加にあたっての注意事項のご案内をします。そして、後半には東修三氏(※2)による講演が行われます。P-Week活用術や、今回参加する117社の企業について、「この会社の説明も聞くと視野が広がるかもしれない」などといったお話をしてくださいます。できるだけ時間差がないように動画をアップしますので、どうしても都合が付かない方はP-Week参加前に視聴しておいてください。そして、基本的にはP-Week参加予定者はハンドブックも必ず受け取っていただきたいです。ハンドブックの方は、就職相談グループのオフィスでも配布しますので事前に必ず受け取って、理解を深めておいてください。
ーーガイダンスでの注意事項などには、服装やマナーなどについての説明は含まれますか。
白:そうですね、そういったお話もします。正式な説明会ではないとはいえ、企業の方、社会人の方とリアルに接する場となりますので、今後のビジネスマナー習得に向けて、それを実践する場として使ってほしいと思っています。
ーーP-Week開催にあたっての意気込みやコメントがあればお聞かせください。
稲:ICU生って、ちょっと普通とは違った大学を選んで入学してきていますよね。その時点で「選択」を経験しています。そして、2年次の終わりには31のメジャーの中から自分の専攻を選択しています。他大学ではないような選択という経験を2回もしているんです。でも就職や進路選択になると、その経験にリセットボタンを押して、一から考えないといけないとか、また新たな経験をしなければいけないといった感覚を持っているのかなという印象があります。ですが、せっかく今まで自分で選択をしてきた経験値は活かしてもらって、今までの経験を生かすようなP-Weekにしていただければと思います。是非この機会を活用してください。
白:3年生以上のみなさんは、他の就職活動の予定がない限りは、この1週間大学に足を運んでもらいたいです。場合によっては参加しないセッションがあっても仕方ないとは思うんですけれども、とにかく本館に滞在していただいて、P-Weekに参加してほしいです。
また、個人的には、ここで皆さんの支援をしていて、イメージだけで志望企業を絞っている方とお会いすると「もったいないなあ」と思うんですよね。学校の中で「ビジネス」というものに接する数少ないこのイベントを通して、「自分の価値観にフィットする仕事ってなんだろう」と検証する機会として活用してもらえればと思います。ぜひ、ひと通りの会社を見るためにも、がっつり参加してもらいたいですね。
――ありがとうございました。
就職活動の解禁日の前から、前もって準備をしておかなければならないとはわかっているものの、何もできていない学生は少なくないだろう。今回のP-Weekに参加することによって、何をすべきかもわからないという状況から脱するための第一歩にできるのではないだろうか。もちろん、3年生以上の学生にとっては本格的な就職活動へ突入するために企業や業界を知ることができる機会であるし、2年生以下の学生にとっては、そもそも自分は何に興味があるのか、そうした根本的なことから考えることができる機会になりうるだろう。春休みに行われていたP-Weekは行われず、学内で行われる企業との接点は今回のP-Weekだけになる。貴重な機会を逃さないようにされたい。
※1
業界地図
ある業界の主要な企業や企業同士の関係性、業界の基礎知識、最近の動向を視覚的に理解しやすくまとめた本。東洋経済新報社など編集。
※2
東修三氏 プロフィール
あさがくナビ(朝日学情ナビ)を運営する株式会社学情の学校企画部マネージャー。
・入社後10数年、大手企業の新卒採用コンサルティングを担当。
・その後現在までの10年少し、大学生の就職活動・キャリア支援を担当。
昨年度の講演本数は、年間約140本。
・また、この間、飲料、外資食品、外資制約、電気機器、自動車部品、商社、政府系金融、エネルギー、IT、サービス等の大手企業の、面接官およびエントリーシート審査官を担当。面接実績は50000名超。