24愛とカレッジパーカー

 ID24生のためのカレッジパーカーを作っている団体 “ICU Apparel”。今回Weekly GIANTS.Co(勝手に)24代表のゑゐが、代表者の小林純一さん、上村ひなたさんに独占取材をしました。

【インタビューは再構成済み】

 

作ろうと思ったきっかけ

小林さん:コロナ禍で、特に24生は入学式もなくリトリートもオンライン、部活も探せず、想像とかけ離れた学生生活を強いられて、友人を作りたくても方法が分からないという人も多かったと思うんです。そんな感じで一年が経って後輩が入学し、2年生なのに何もかもが不安、という状況をなんとかしたいと思っていました。僕自身そうだったんです。そこへたまたま友人から声がかかったことをきっかけにこのプロジェクトを一緒に立ち上げました。簡単に言うと、ICU24の一体感、帰属意識を作りたいと思ったんです。今年の3月ごろに僕ともう1人がそういう話を始めてメンバー集めを開始しました。この計画に関してはずっと他人に話していなかったんです。みんなに驚いてもらうサプライズにしたいという意味で、話題性を呼ぶためにもしっかり完成してから発表したい、という考えがあったからです。

 

完成までの流れ

小林さん:僕がみんなの意見を元にデザインをしました。まずカレッジパーカー、つまり大学生らしいデザインを意識し、さらには日常生活でも着れるようなかわいいデザインを目指しました。あとはジェンダーフリーであることにもこだわっています。色に関しては、グレーがいちばんベーシックなものです。

上村さん:その上で、クリームとネイビーは普段使いしやすく、キャンパスの風景に馴染みそうな色ということで選びました。

小林さん:クリームの文字に緑を選んだのもICUの自然の豊かさを表しています。

そして次に発注先の会社を色々検討しました。実際に会社に訪れて何を作るのかを確かめた結果、当初のフードとポケット付きのパーカーから現在のトレーナーになりました。また、工場も自分たちでネットで調べて実際に訪問して決めました。

 

オンラインでの宣伝

▲ 実際に使われたモデル写真

 

小林さん:写真に載ってもらうモデルさんの選び方にはとてもこだわりました。まず、24を代表する人であるべきだなと思ったので、いろんな部活やコミュニティに声をかけ、エイプリル、セプテンなど色々なタイプの人に来てもらいました。日本人だけではないし、ハーフの子だけでも外国人だけでもない。男女比もICUになるべく近づけました。

 そして話題性を呼ぶために、モデル写真をどれくらいの頻度で一度に何枚載せるのか、も考えていました。どうしたら知ってもらえるのか、どうしたら買ってもらえるのか。買ってもらうといっても僕たちは一切利益を受け取らないので、買って嬉しそうにしてくれる以外に目的はないんです。それをモチベーションにしてずっとやってました。

 

こだわりのポイント

小林さん:やっぱりデザインを決めるのにはすごく時間をかけました。本当に1ミリ単位で模様をずらしながら、着ててうるさくならないミニマルなデザインを意識し、さらに最近のトレンドなども考慮しながら作りました。実際に2週間くらいネットや古着屋さんでいろんなパーカーをみて、最終的に自分たちのオリジナルでかつICUらしいものを作りました。

 あとは値段でしょうか。発注先の学割などのキャンペーンを使いました。それは結構大変だったんですけど、とにかくみんなに買ってもらいたくて頑張りました。ICUには裕福な家庭の人が多いイメージですが必ずしもそうとは限らないので、そういう学生でも普通に買えるものを、という思いも込めています。売り上げは我々の理念である「社会とみんなに貢献」の一環として、ICUをより良くするような事業に全額寄付するつもりです。

上村さん:そして最後に発送方法のオプションです。セプテンやエイプリルでも海外や地方に住んでいてキャンパスに来れていない人ってたくさんいると思うんです。キャンパスにいる人だけでなく、みんなに届けたかったので、海外発送も含め可能な限りオプションを増やしました。実際、何件か海外からの注文があって、しかも全部別々の国からなんです。

 

読者に伝えたいこと

上村さん:あまりいい言葉が思いつかないんですけど、関わってくれたみんなに感謝を伝えたいのと、関わってくれた人、買ってくれた人、頑張っている24みんなに愛を伝えたいです(笑)。

小林さん:僕たちは24愛がとても強いんです。先輩、後輩とはまた違う横の繋がりというものを大切にしたくて。上村さんの言葉を借りると、僕は関わってくれた全員に感謝しています。もう「24である」というだけで全員関わっていて、僕たちはただ物を提供しただけだと考えています。なので今後、24のみんながもっと団結していろんなことに挑戦してくれたらな、と思います。

上村さん:コロナ禍でもオンライン経由の繋がりっていうのはあります。インスタで友達作ったりとか先生とZoomで話したりとか。でもその繋がりってあるようでないんです。大学に行って学んでいるようで実は何もないというか。けど、この前那須先生(註・歴史学の那須敬先生)にカフェテリアで通りかかった時に声をかけていただいて、「実際に目の前にいる人との会話はオンラインでは代替できないな」と感じたんです。

小林さん:僕と上村さんが仲良くなったのも元々は那須先生のリベラルアーツセミナーで知り合ったからなんです。我々のこのプロジェクトにも先生の影響は結構ありますね。オンラインではなく、触れることで他人との繋がりを感じられるものの良さ、みたいな話を那須先生がされていたんです。24と言っても例えばエイプリル、セプテン、とかいろんなグループに分れているじゃないですか。それは当たり前なことなんですけど、全体としてのまとまりもあれば良いな、と思ったんです。コロナ禍というのは将来歴史に残るものじゃないですか。その時期を一年生として乗り越えた当事者たちが作ったパーカーはその証になると思うんです。だからこそ手で触れるものにこだわりたかったんです。みんなが一緒のデザインのものを一つ持っていることで何か一つ変わるんじゃないかな、と思うからです。

 

今後の予定

小林さん:このパーカーを作り続けるのもそうですし、自分たちも手伝いたいと声をかけてくれてる25の人たちもいるので、そういう熱意のある人たちが一緒になれば、これはもう物凄いことができるんじゃないかな、と。なのでこれを24の代だけで終わらせるのではなく、しっかりしたプラットフォームとして今後も続けていきたいな、と思っています。僕たちはアパレルのブランドを立ち上げたわけではなく、ネットワークとかコミュニティを作ったんです。ただ単に僕たちが何かを作って買ってもらう、とかではなく、みんなで何かを作り上げていきたいです。

 

【取材を終えて】

 「オンライン化」が至上命題であるかのように語られるこのご時世に、オンラインでは逆立ちしたって代替できないものの存在を再確認させてくれた。個人的な意見ではあるがやはり大学生活はキャンパスを中心に展開されるべきものだと考えるので、友人と着ているパーカーを見せ合って「お、そっちの色もいいね!」なんていう会話ができる日を心待ちにしている。 

パーカーが似合う男になるためにジムに通い始めた【ゑゐ】

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