3年ぶり クリスマス燭火礼拝開催へ
|冬学期が本格的に始まり、クリスマスも間近に迫った12月16日。大学礼拝堂ではコロナ禍以来3年ぶりとなるクリスマス燭火礼拝が行われた。参加者は教職員と在学生のみに制限されたが、礼拝堂に入れず食堂のライブビューウィングで参加する人がいる程、多くの人が礼拝堂に集まった。クリスマス燭火礼拝はICUの恒例行事であり、今年はBell PeppersやCMS管弦楽団、グリークラブなどの音楽系団体が出演した。今回の記事では、3年ぶりに開催されたクリスマス燭火礼拝の様子をWeekly GIANTS Co. (以下WG)社員のレンズを通してお届けする。
クリスマス燭火礼拝に行ってみた
「今日燭火礼拝やるよ。」サークルの先輩に誘われてクリスマス燭火礼拝の存在を知ったのが開催の2時間前なのだから、本当に自分は情報収集がおろそかだと感じる。どんなことをやるのかと尋ねると、ろうそくを持って礼拝するんだとか。面白そうと思い参加することに。それにしても、大学礼拝堂に入るのは実に入学式以来。毎週水曜日に大学礼拝堂でチャペルアワーが行われていることは知っていたものの、結局時間が無くて参加したことはなかった。
教会に行ってみると、既に多くの人が入り口付近に集まっていた。中に入ると赤いガウンを着た人がたくさんいて、よく見ると知っている顔がちらほら。その内の1人に聞いてみると、これは天使の格好であり、宗務部からのボランティアの募集に応募したのだとか。ちなみにその人は、普段から礼拝に参加しており、キリスト教関連のサークル全てに所属しているそうだ。「敬虔なクリスチャンとはこういう人のことを言うのか。」そんなことを思いつつ、受付をしている天使から、ろうそく? ではなく、ろうそくの形をしたLEDキャンドルが渡される。近頃は便利なアイテムがあるなと感心しつつ中を覗くと、既に一階は満席。立ち見になるかなと思ったが、「二階へ行ってください」と案内され、二階の席に落ち着いた。
席についてすぐ、礼拝が始まった。最初にオルガンによる「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」(J.S.バッハ)、次にグリークラブによる「キャロル・オブ・ザ・ベル」(レオントーヴィッチ)とクリスマス音楽が礼拝堂に響く。更に、一階の前列付近更にはオーケストラが……。礼拝と聞くとお祈りや讃美歌のイメージがあったので、オーケストラがいることに少し驚いた。その後のCMS管弦楽団とグリークラブのコラボによる「あら野のはてに」、CMS管弦楽団による「クリスマス協奏曲」より(コレッリ)、Bell Peppersによる「もろびとこぞりて」の演奏はどれも素晴らしく、クラシック好きの私にとってはこれだけでも来たかいがあったと感じた。特に、Bell Peppersによる「もろびとこぞりて」はとても印象的だった。というのも、マレットやトーンチャイム、マルテラートリフトなど今まで見たことがない奏法で演奏されていたからだ。通常のハンドベルとは一味違った音色も素敵だった。礼拝の中盤で献金を求められたので、心ばかりの額を寄付させていただいた。
やがて会場の照明が落とされ、参加者が一斉にLEDキャンドルを点火させた。まるでイルミネーションに包まれたかのような美しい雰囲気の中、長年ICUで教えられ今年定年を迎えられたショウン・マラーニー氏(人類学・グローバル研究教授)によるメッセージが始まった。ルカによる福音書2章6節−7節から「聖なる夜:降臨をめぐって」と題してメッセージをしてくださった。私はあまりキリスト教に馴染みがないが、ご自身の体験を交えてのメッセージは大変分かりやすかった。
なんとも厳かな雰囲気の中、会堂が笑いに包まれる一幕があった。会衆一同で賛美する際に、「お手元の歌詞を見てください」とアナウンスされたのだが、その時の会堂内はそれぞれが持っている小さなLEDキャンドルの明かりしかなくとても暗かった。私は内心「この暗さでどうやって文字を見ればいいんだ!」と突っ込みを入れたが、参加者も同じことを思ったらしく会場からは微かな笑いが飛んだ。こういったプチハプニングも礼拝を楽しませてくれる薬味になっているような気がした。
礼拝が終わった後は、教会前の大きなクリスマスツリーの下に集まってキャロリングを行った。LEDキャンドルの小さな光と「もろびとこぞりて」が教会前の広場に響く。この輪に加わった時、自分が少しだけクリスチャンに近づいたような気がした。本来だったら、いつも通りWGの部室で屯し家に帰るつもりだったが、今回初めて礼拝に参加したことで、今まで関心の薄かったキリスト教に対して興味が沸いたし、何よりとても良い夜になったと思う。これからは時間があれば、行事に参加したり、教会を訪れてみたいと思う。
天使長へ突撃インタビュー!
クリスマス燭火礼拝は多くの方の支えと祈りがあって開催された。通称天使と呼ばれる有志の学生たちもその一人で、当日は赤いガウンを身にまとい、受付や会場案内、献金集めなどのお手伝いをする。もちろん天使なので、アルバイトではない。総勢10名前後の天使が集まれば、それこそ天使軍団のよう。今回はそんな天使軍団の長(天使長)であり24の平岩さんに突撃インタビューさせていただいた。
ーー3年ぶりの燭火礼拝の感想を聞かせてください。
同じ時を共有することの喜びをとても感じましたね。最後に開催された3年前は高校生で、入学前のスタートアッププログラム*¹の日だったので燭火礼拝にも参加していました。続く2年は感染症対策のためオンデマンド配信でしたが、離れていてもタイミングが違っても心を合わせられることを感じてすごく好きでした。でも今年、同じ時に一人ひとりのキャンドルが灯って、同じ時に顔をあげて同じ音を聴いて。いままで私が経験した過去のどの燭火礼拝とも違う感動がありました。知っている先生のメッセージや友人の奏楽によって礼拝が守られることも嬉しかったです。何回もアーカイブ見ちゃいました(笑)。参加してくださった方の中にも、知り合いが礼拝の奉仕をしている姿を見た、という方が多くいるのではないでしょうか?
ーー天使長の働きお疲れ様でした。ご自身とキリスト教とはどのような関係がありますか?
ありがとうございます! 私自身はクリスチャンで、ICU教会員でもあります。キリスト教主義の高校に入学したことをきっかけにキリスト教に出会い、自分自身の挫折や教会につながる人たちとの大切な出会いを経験して、高校卒業と同時に信仰を告白し洗礼を受けました。大学では、授業やC-Week実行委員会、ICU教会、教会学校など、様々な場所でICUのCにふれさせてもらっています。私にとってキリスト教は、全てが新鮮でありつつ、アイデンティティでもあるという感じです。
ーー天使長の働きをどのような思いで引き受けましたか? 働きを通して伝えたかったことはありますか?
喜び……ですかね。立候補ではなく、ICU生活にあまり先がなく(笑)、かつ献金感謝のお祈りを頼める人として声をかけてもらったので、それはもうマリア様にならって、お言葉通りに……という感じで。3年前の燭火礼拝のときはまだ洗礼を受けていなかったので、今年は天使長として礼拝に参加してるなんてなんて不思議な気持ちです。
でも、天使長の役割の一つ、献金感謝のお祈りはすごく考えました。伝えたいことはお祈りに込められていたかもしれません。クリスマスは楽しくてにぎやかだけれどその始まりは真逆。クリスマスの静かでやさしい喜びが、この世界や私たちの中の寒くて暗いところに灯りますようにという願いを込めて献金し、みんなの祈りと合わせてお祈りしました。ちなみに初めて献金感謝のお祈りをして、初めて英語で祈りました。すごーくよく考えた結果、めっちゃ噛みました(笑)。
ーー最後に、読者の方に向けてひとことお願いします!
燭火礼拝に参加・視聴してくださった方々、心を寄せてくださった皆さま、ありがとうございました! 教会はクリスマスでなくても開いています◎ 水曜日のチャペルアワーや日曜日の礼拝もぜひチェックしてみてください~。
*¹スタートアッププログラム:主に総合型選抜(旧・入試)と学校推薦型選抜(旧・推薦入試)で次年度の入学が決まっている高校生が参加する。講義や在学生によるプレゼンテーション、ディスカッションを通して、ICUのリベラルアーツ教育の一端に触れることを目的とする毎年恒例のプログラム。
ガッキのクリスマスディナー、WG社員が試食!
クリスマス燭火礼拝に伴い、ガッキ(学生食堂)では、通常のランチ営業に加えてクリスマスディナーが提供された。WG社員数名がその味を確かめるべくガッキへ。3年ぶりのディナーということもあり、開始30分前には早くも長蛇の列が出来ていた。我々取材班も、食券をあらかじめ購入して提供を待つ。
提供が始まると、ものの数分で行列となった。事前に150食限定という情報は得ていたが、早くも売り切れが出そうな勢いだ。チキンの行列は特に長く、提供口から就職相談室・国際会議室の入口あたりまで伸びていた。
大勢の利用客でごった返す中でも提供口のスタッフの皆さんの動きは素晴らしく、メニュー変更にも迅速に応対してくださった。3年ぶりのディナーは大成功だったと言えるのではないだろうか。【山の上の暇人・juche】