ELA Stream Adjustmentのススメ

Dimension

“Dimension” by KT King is licensed under CC BY2.0

長かった夏休みも終わり、ICU生の5月病が発症すると言われる秋学期が始まった。しかし、大多数のICU生の心持ちとは違い、筆者の気持ちは全くもって春学期のそれと同じである。なぜならば、筆者はStream Adjustmentを受けたからである。

この記事は、「ICU受験を考えている受験生向け」にカテゴライズされている。Stream Adjustmentとは何かを説明する前に、まずELAについて説明したいと思う。

ELA(English for Liberal Arts Program)とは、ICUに入学する全ての4月生が必ず履修する英語教育プログラムのことである(ELAでよく使われる用語についてはこちらhttp://weeklygiants.co/?p=3502)。このELAでは、英語の習熟度別に4つのレベル(=Stream)に振り分けられ、さらに15~20人のクラス(=Section)に振り分けられる。入学式後のPlacement test の結果でストリーム及びセクションが決まると、基本的にそのセクションで約1年間続けてELAを履修することが求められる。

 

ただし、もしあなたがICUで春学期を過ごしている中、「自分は間違ったレベル分けをされた」あるいは「ICUで英語を勉強しているうちに英語力がまわりよりも上がった」と思った時、上のストリームに入ることを申請することができる制度が、これから説明するStream Adjustment である。

Stream Adjustment の申請は極めて簡単である。5月中旬頃ひっそりとICU Portal(学生用サイト)に更新される要項を読み、なぜAdjustmentを受けたいのかをapplication formに打ち込み、ELAオフィスに提出するだけだ。申請が受理されてからの流れも簡単で、夏休み始まり頃に届く面接日時確認メールに目を通し、夏休みの終わりにICUへ来て、簡単な面談を受けるだけだ。もし申請が通っていたら、秋学期からは、一つ上のストリームの新しいセクションでELAを受ける。

Stream Adjustment のメリットは、なんといっても履修するべきELAのコマ数が減ることだろう。ELAはストリームが上がるごとに少しずつコマ数が減るので、減った分は自分の興味のある授業に充てられる。ただし、授業の量は減っても要求される英語力はより高くなる。自分の英語力をより高度に伸ばすことができるという側面もあるが、デメリットとして、授業についていけないのではという不安要素があげられるだろう。

 

ただ、一番大変なのはStream Adjustmentを受けるかどうか悩むことだと思う。Stream Adjustmentに通るということは、セクションが変わることと同義である。もしすでにセクションの仲が完全に冷えきっていたら、Adjustmentを決めるのは簡単だろう。しかしそうではない場合、たった1学期だけでも、ELAというツライ試練を一緒に乗り切った仲間と離れるという決断は厳しいものだ。新しいセクションに馴染めるか、といった不安も消せない。筆者も、application formを書いたはいいが、提出するかどうか何時間も迷った末、締切時間ぎりぎりになって提出した。また、夏休み中は、やっぱり面談をドタキャンしようかと何度も考えた。

 

ICUでは選択の自由の幅がとても広い。例えば、自分は何を軸にどんなことを学びたいのか、そのためにどの授業を履修するのか、自分の興味はどこに向かっているのか、最終的に31ある専修分野から何をメジャーに選ぶのか、留学はするのか、教職課程は取るのか、院進学は考えるのかなど、無限の選択肢が広がっている。だから、自分でどのような意思を持ち、決定を下していくかの判断をことあるごとに迫られていく。そしてその決断の責任はほかでもない、自分自身が背負わなくてはいけない。したがって、ことあるごとにたくさん悩むことになる。私は今回のStream Adjustmentと、まだ半年だけだが、三鷹に通ったことを通してそんなことを考えた。

 

私は、この記事を通してStream Adjustment を受けることを薦めようとしているわけではない。この記事を読んでいるあなたがStream Adjustment を受けるか悩んでいるICU生か、どの大学に行こうか悩んでいる受験生かはわからないが筆者の体験が少しでも参考になれば幸いである。