ICUの環境を守る!SUSTENAの活動に迫る
|ICUの環境問題に取り組むSUSTENAが主催する環境週間、E-Weeksの開催も今年で5年目になる。このイベントでは、毎年様々な団体とのコラボが企画され、その規模はだんだんと拡大している。SUSTENAの活動でよく知られているものにリリパックの導入やE-Weeksがあるが、他にどんな活動をしているのだろうか。E-Weeksについて尋ねるとともに、あまり私たちの目に触れることのないSUSTENAの活動の実態に迫る。今回はSUSTENAのメンバーであるID18木村進之介さん、ID20大川瑞稀さんと、さらに匿名で1名の方にお話をうかがった。(内容は再構成済)
1.E-Weeksとはどんなイベントか
——まず、E-Weeksとは何か、簡単にお聞かせください。
Environmental Weeksつまり環境週間のことです。ICUの学生及び教職員の方に環境について考えてもらい、さらに問題解決のために実際に行動に移してもらうきっかけを与えることを狙いとした2週間となっています。
——そこではどんな企画が行われていますか?
毎年行っている企画が2つあります。生物学の上遠先生が催す自然観察会と、音楽系団体の協力により開催されるキャンドルナイトです。その他の企画は毎年様々に変わります。今年初の試みとしては、読書会、Table for two様とのコラボによる、規格外の地元産野菜を使った料理イベントを開催しました。
——E-Weeksが始まったきっかけは何ですか?
元々は、2012年に学食に導入されたリリパック周知活動の一環として始まりました。現在では、外部団体様のご協力もいただきながら、学生・教職員の方々に環境について考えていただくきっかけになればいいなとの思いで毎年続けています。
——どんなテーマで開催されているのですか?
メインテーマは毎年変わります。今年のテーマは「いつもの暮らし+1」です。いつもの暮らしの中で環境に配慮した行動ができている人も、そうでない人もいます。E-Weeksの各企画が「+1」となって、環境に配慮できている人はさらに自分の行動を発展させ、全くできていない人は少しでも行動を起こすきっかけを作ることができたら良いという目標がこのテーマに込められています。
——今後の新しい企画はありますか?
現在行われている春のE-Weeksの好評な企画として上遠先生の自然観察会があるのですが、例えば月見・クラオリに連動して秋にもE-Weeksを開催するとした場合、その一環としてきのこの観察会を実施できたらいいと思っています。この企画は、きのこ好きな学生さんには楽しんでいただけるかなと思います。
2.SUSTENAとはどんな団体か
——SUSTENAは普段、どのような活動をしているのですか?
普段の活動は、週1回のミーティング、リリパックの回収、毎年のE-Weeks開催、12月に開催されるエコプロダクツ展やエココンテストなど外部イベントへの参加などが主要なものです。昨年は、『Campus Sustainability Guide』という冊子の作成も行いました。また、今年からは定期的に勉強会や読書会を行うことも考えています。メンバーはICUの学生が中心で、布柴先生と上遠先生にサポートしていただきながら活動をしています。環境問題に関心がある人が多いですが、興味を持ち始めた時期やきっかけは様々です。
——『Campus Sustainability Guide』という冊子を読みました。
ありがとうございます。あの冊子は、ICUのキャンパス内の学生や教職員の皆さんに、ICUのキャンパス内の環境問題について考えてほしいという思いで作られたものです。環境に関して実際に行動を起こしてきた学生の思いがインタビュー形式で書かれています。
——SUSTENAが誕生した経緯はどのようなものだったのでしょうか。
もともと 一般教育科目「環境研究」をきっかけに始まった団体です。「環境研究」で行う学生食堂でのポスターセッションで、リサイクル可能なテイクアウト容器、「リリパック」を導入する案を目にした日比谷学長や他の教授の賛同のもと、学食にリリパックが導入されました。その後、リリパックの周知や管理のためにSUSTENAが生まれました。
——現在のSUSTENAの活動をどのように感じますか?
現時点では十分とは言い難いです。今、SUSTENAが行っている活動は大きく2つに分けられ、1つがE-Weeksを通じたICUの構成員への環境啓発、もう1つがリリパックの回収と企業への返却です。この2つだけでは足りないと感じていて、さらに大学を運営している立場の職員と協力して、ICUをより環境に配慮したキャンパスにするためにどうしていけばいいのかを話し合っていきたいです。
——現在のSUSTENAで変えたい点はありますか?
自分たちが、そもそもSUSTENA以外の学生からどういう風に見られているかということについての認識が甘いと思っています。SUSTENAをはじめとする環境系の団体に、皆さまは警戒心を抱くことも多いかと思います。でも、現在のSUSTENAは、そのイメージをどう変えていくかという展望がないんです。そのまま毎年、自分たちの活動が広がればいい、だんだん広がるだろうという期待で留まっているんですね。この点を変えることができたらもっといいと思います。
——では、ICUの中でどのような存在となることを目指しますか?
ICUというコミュニティを構成する私たち学生、そして教職員の皆さま方に環境及び持続可能性の問題について少しでも意識を向けてもらえるように働きかけ、問題解決のためにたとえ些細なことであったとしても実際に行動を起こしてもらうことを目標としています。でも、SUSTENAが指図する形ではなく、一緒に問題解決に取り組むことが理想です。そして、これから勉強会などを重ねていく上でメンバー自身も環境に対する理解を深め、SUSTENA自らが意識を変えていくことができたらよいと思います。
——今後新しい企画があれば教えてください。
先程もお伝えした通り、SUSTENAは、メンバーではない皆さまにも開かれた読書会や勉強会を計画しています。また、今年からはICU内でどういう問題が起こっているのかについて、学生だけでなく教職員の方にもインタビューやアンケート調査を行い、問題点を把握して、どう改善していくのかしっかりと議論する活動をしたいです。そういう活動をまとめて、また冊子にして報告できればと思っています。加えて、環境系の団体に所属していない学生に対する意識調査をしたいです。
——最後に、ICU生へ向けてメッセージをお願いします!
環境や持続可能性の問題は、どこか堅苦しいイメージや、自分とはあまり関係がないと感じてしまう方も多くいらっしゃると思います。しかし、環境とは皆さま方がいつも過ごす環境そのものです。そしてそれが安全で喜びに満ち溢れたものであり続けるためには、皆さま方自身の行動が不可欠なのです。どう行動できるのか、またどう行動すべきなのか、ICUキャンパスや三鷹地域というコミュニティについて考えてみる人が増えていけばいいと思います。そういう気持ちをほんの少しでも持っていただけたら、ぜひSUSTENAへお越しください。私達SUSTENAも一人一人がより主体的に、環境や持続可能性の問題に関わることができるように精進して参りたいと思います。
——ありがとうございました!