ICUのパイプオルガンにふれる昼下がりーオルガンワークショップに行ってみた

 

9月24日(日)、ICU礼拝堂にてオルガニストの菅哲也先生によるオルガンワークショップ「オルガン入門ーオルガンの構造解説と演奏」が開催された。ワークショップでは、オルガンの歴史や構造、個々のパイプについての説明後、実際にチャペルのオルガンに触れる機会が設けられており、会場には子供から大人まで幅広い年代の参加者が多く集まった。
外部の方にとってICUのパイプオルガンを実際に見たり聴いたりする機会はそれほど多くないと思うが、ICUの学生である筆者にしても、入学式や礼拝の時などしか記憶になく、やはり馴染みがなかった。今回は、そのパイプオルガンの歴史や仕組みを知る良い機会となった。

そもそもパイプオルガンは、どうしてあんなにも巨大なのだろうか。その答えは、「通常ひとつの鍵盤に対し1本のパイプから音が出るので、多くのパイプが必要になる」ことと「複数の鍵盤を持つオルガンは、複数のオルガンの集合体というコンセプトで造られている」から。3段の手鍵盤とペダルを持つICUのオルガンは4台のオルガンの集合体ということになり、なんと合計2977本ものパイプがあるそうだ。パイプの種類によって音のイメージはガラリと変わり、例えばしっかりとした音色の金属パイプと柔らかい音色の木製パイプでは印象が違って聴こえた。また、音色を様々に組み合わせるレジストレーションはオルガニストよって異なるので、同じ曲でも別の曲のように聴こえることもあるそうだ。

菅先生は終盤にホルストの「ジュピターのテーマ」で、次第にクレッシェンドするレジストレーションを披露された。様々な音色が雄大に混ざりあい、間近で聴いていてその迫力に圧倒された。チャペルの空間に反響する音の響きには、まるで身体が優しく包まれているような、音楽と自分が一体となっているような感覚を覚えた。あまり馴染みがないからこそ感じられるこうした新鮮さを忘れないうちに、10月14日(土)、11月11日(土)にチャペルにて行われるオルガン演奏会(ICU生は無料で入場可)にも足を運んでみたい。

ワークショップの最後に、参加者は実際にオルガンに触れた。各自が3段の手鍵盤やペダルを弾いて、どの辺りから音が出ているか教えてもらい、オルガンが単なる楽器ではなく「建造物」であることを実感していた。この貴重な機会に、筆者も実際に鍵盤を弾いてみると、ふわりと柔らかく繊細な音や威厳のある音がチャペルに響き渡り、あらためてパイプオルガンの魅力を実感した。3段の手鍵盤とペダルをたったひとりで操り演奏するのはきっと至難の技だが、心安らぐ音楽から荘厳な音楽まで様々な音色で人々を魅了するパイプオルガンの演奏に挑戦してみたくなった。

ICU宗教音楽センターでは、学期ごとにパイプオルガンの個人レッスン受講者を募集しており、ICUの学生にオルガンを本格的に学ぶ機会を提供している。

詳しくはICU portalを参照、または本館4階宗教音楽センターへ直接問い合わせてほしい。