YOUは何しにICUへ?2021-第二弾-
春学期編

 春学期からWeekly GIANTS Co.(以下、WG)の新たなメンバーとなった新入生3人が、同じくID25の更科めいさんと菊池咲野香さんにインタビューを実施。新たに始まったICU生活についてのぶっちゃけ話とともに春学期を振り返る。

【インタビューは再構成済み】

▲更科めいさんと菊池咲野香さん

−−春学期で一番楽しかったこと、辛かったこと

小室:春学期で一番楽しかったこと、または大変だったことがあれば教えてください。

菊池:とにかく課題が多くて大変だったかな。特に履修していた講義の課題提出が被った日は辛かったです。

更科:私は授業がとても楽しかった。履修大成功でした!

大澤:めいちゃん、「MCC103 カルチュラル・スタディーズ入門」取ってたよね? 私も履修してたんだけど、めちゃくちゃ良かったよね。

菊池:めいは私にもよく憲法の講義(「GES019 日本国憲法」)について楽しそうに話してくれて、私も憲法の講義を取りたくなった。逆にめいは辛かったことはある?

更科:そんなにないかも。私、辛いことは割と忘れちゃうんだよね(笑)。結構能天気に生きてる。

小室:私もめいと一緒に憲法の講義を履修してたんだけど、日本国憲法のグループプレゼンがかなり辛くなかった?(小室と更科 は同グループ)

更科:あぁ、大変だったかも。学期を通して毎授業の始まりに、毎回違う5人くらいのグループで学術的なプレゼンをしないといけないんだよね。それぞれのグループが作るプレゼンを元にして授業が1コマあるって感じなの。プレゼン自体がかなり重要だし、その後にも30分間くらいの長さのディスカッションもあるから失敗できなくて。なのに、私のグループのプレゼン内容が前の授業のプレゼンと思いっきり被っちゃって、授業の2日前に全部の内容を直した。

全員:えー! それは辛い。

菊池:あと個人的には片道2時間の通学も大変だった。学期の初めの方は週3でキャンパスに行ってたんだけど、最後の方は週1まで登校頻度が下がったよ(笑) 。理由は、早起きと帰りの長時間移動が辛かったこと。あと、登校するとバイトが間に合わない!

更科:でもさ、往復4時間って考えたら大学に行く気がなくなるよね。

大澤:確かに。4時間は長いし、本来であれば、その時間をもっと有効活用できるよね。私もそれが理由で登校頻度が落ちたよ。最後の方は週1でしかキャンパスに来てなかった。でも実際、登校したことで今みたいに友達と話せるようになって、友好関係を広げられたのは良かった!

小室:それはそうだね。

大澤:全体的に、1年の春学期は授業の課題とか新しい生活スタイルに慣れるのが大変だったけど、新しい人と会って友好関係を広げられたのは楽しかったし、良かったかな。

 

−−ELAのぶっちゃけ

大澤:みなさんこの1学期、ELAを受けてきたと思うんだけど、ぶっちゃけELAはどうでしたか? 良かったことも悪かったことも含めて、感想を聞かせてください。

菊池:ELAではディスカッションする機会が多いんだけど、なかなか積極的に参加してくれない人がいて、困ったことは何度かありました。

更科:ELA以外の授業でもディスカッションはあるけど、1回同じブレイクアウトルームになっても、次また同じブレイクアウトになって会う確率は低い。だから、正直黙っている人がいてもどうにかやっていけるけど、ELAって黙っている人と次の授業も一緒だから、気まずく感じることはあった。

全員:なるほど。

大澤:やっぱり学生の参加度合いの違いはあるかもね。

更科:人によって違いはあるから、仕方がない面もある。特別みんなの仲が良い訳じゃないし……。でも私たちのセクションは、仲が良い方らしいよ! お昼ご飯とかも何回か一緒に食べてるし。

小室:誕生日を祝ったり、ピザパーティーをしたりするセクションもあるみたいだね。

菊池:それは楽しそう!

河野:ピザパーティーならうちのセクションもやったよ。パッパパスタっていうお店でパーティーセットを買って、ばか山で敷物しいて、みんなで楽しくだらだらと。

全員:いいな〜!

大澤:やっぱりセクションによっても、仲の良さや集まる頻度には違いがあるね。それに、まだ始めの方だから距離感が掴みにくい部分はあるよね。

菊池:あとこれから冬学期までは同じセクションだし、きっとその間にもっと仲良くなるよ。

更科:そう信じてる。

大澤:ELAの授業自体に対する感想はありますか? 例えば、課題の量や先生、満足度などについて。

更科:私はARWが結構好きです。そもそも、自分が英語で授業を受けたことなかったので、英語でエッセイを書いたり、英文を読んだりした経験がなくて、めちゃめちゃ勉強になりました。アカデミックなライティング方法も知れてよかったです。だけど正直に言うと、RCAがあまり好きではなくて。というのも、RCAの授業で行ったパラグラフごとに著者の主張をまとめる課題や、英文の内容を図式化する作業の意義があまり感じられなかったので。だから、それらをしっかりと理解した状態で授業に取り組めたら、もう少し良かったのかなと思った。

大澤:ELA自体が特殊な授業だし初めての試みが多いから、みんなも少なからず疑問に思うことはあったかもね。少し話は飛ぶけど、先生の個性による違いもあった?

菊池:うん。先生の話が長いせいでいつも授業も何分か遅れて終わってて。トイレが間に合わなくなりそうで本当に焦った(笑)。そのRCAの先生は特にクセが強かったかも。でも最終的にはいい先生だなとは思えたけど。

更科:楽しくはあったけど、私は正直に言うとELA以外の授業の方が楽しかった。理由は、他の授業では自分で新しいことを学べたし、知らないこともたくさん知れたから。ELAでは新しいことも知れたけど、今まで知っていることを学ぶ機会の方が多かったように感じるかな。勉強にはなるし、英語力を鍛えられるなっていう感じはしたけど、全体的に比較するとやっぱり他の授業の方が楽しかった。

菊池:うん。ELAは毎回新しいことを学ぶってわけじゃないし、ディスカッションでもみんながみんな言いたいことを完璧に英語で表現できるわけじゃないからね。 

更科:扱っていた内容で面白いものはあったけど、そこまで深くまで掘り下げるだけの時間と英語力がなかったのが大きいね。

大澤:確かにね。セクションやストリームによっても、満足度や改善点もそれぞれだろうね。

 

−−ICUでの生活とキリスト教について

河野:ICUでキリスト教を身近に感じることはありますか?

小室:多々あるね。C-week*¹とか、礼拝堂もすぐ近くにあるし。

菊池:私は小学校からずっと礼拝の讃美歌も聴いてきて、日曜日に地元の教会へ通っていたから、逆に感じてないかも。ICUに来てそういう機会がないから。

更科:私も高校で毎日礼拝があったんだけど、逆にそれがなくなってからキリスト教が恋しくなっちゃったな。私はクリスチャンじゃないんだけど、その習慣が染み付いてたな。C-weekの礼拝や水曜の礼拝をちらっと聞いたことはあった。

大澤:そうなんだ。個人的にはキリスト教をめっちゃ感じてる。私はあの(礼拝堂等の)静かな感じが好き。

更科:わかる。すごい好き。

大澤:あと、「GEX001 キリスト教概論」を取ってるから気づきがあるかも。

河野:私は入学式をあのチャペルでやったのが、すごい新鮮だったなーって思う。

全員:確かに。

河野:でもそれ以外は思ったより、宗教色が強くないなって感じる。

小室:確かに普通に過ごしていてキリスト教を感じる機会はあんまりないなと思う。

菊池:それがいいんじゃないのかな?

更科:そういえば、C-コード*²についても議論があるよね?

大澤:うん。WGの記事でも扱ってた。

大澤:ICU側はキリスト教の教義とかよりも、精神との関わりを大学に取り入れたいんだろうなっていうのを講義から感じるかな。

小室:そうだね。でも自分も小中はずっとキリスト教の学校へ通ってたから、それに比べると薄いかなと思う。でも他の一般的な大学と比較したらキリスト教色は濃い方かな。

大澤:そういえばC-weekがあったね。C-weekはどうだった?

更科:私は礼拝に参加した。そこでのお話が興味深かったな。

菊池:仏教と比べてどう? 何か似ている信念もあるの?(大澤は仏教の高校に通っていた)

大澤:私が通ってた学校は「利他共生」っていうスローガンがあった。文字通り他者を思いやって共に生きていくっていう仏教の教えに基づいているんだけど、そういうのってキリスト教の隣人愛と少し似てると思うんだよね。自分以外の人のことに心を向けたり、そういう人のことについて考えたり。そして結局それは自分について考えることにつながる。

全員:なるほどね。

小室:そういえば仏教の学校から、留学へ行ったの?(大澤は高校時代留学に行っていた)

大澤:そうなの。仏教校なんだけど、私の留学した学校は、カトリックだった。そこでキリスト教概論の授業を英語で受けたりして初めてキリスト教に触れた。

更科:すごい。考えが変わるかも。

大澤:そうだね。宗教について色々と考えるようになった。


*¹C-week:  キリスト教週間のこと。毎年5月に開催され、期間中はキリスト教に関する様々なイベントが開催される。

*²C-コード: ICUの常勤の教員(教授、准教授、常勤講師)は信仰を持つキリスト者でなければならないという規則。C-コードについては以下の記事を参照。

2016年5月13日掲載

【特集:C-WEEK】Cコード擁護論――ICUの常勤教員は全員クリスチャン!?

2017年5月18日掲載

連載コラム第2回 ICUのC―キリスト教への使命―Cコードは必要か

 

−−サークルについて

小室:先ほどまで授業メインの質問だったので、ここからは勉強以外のことについて話を聞きたいと思います。みなさん、サークルは入りました?

更科:私はICU祭実行委員会とディベート部(Debating Society)、それにDJのサークル(Drag Verble)や学生団体(ICU Voice Up Japan)にも入ってるよ。大体のサークルが、オンラインになってるから、フレキシブルに自分の時間と合わせて活動できています。私のサークルは、体育会系でもないし部活系でもないから、そこまで無理しないで課題ともうまく両立できているかなって感じます。あと普通に楽しい!

小室:めちゃめちゃ活動していますね。

菊池:バイトもしてるんだよ、この子。すごいよね?(笑)。

小室:ちなみにバイトは何をしているんですか?

更科:バイト介護というものです。訪問をしながら障がいのある方の介護をしています。資格もたった二日で取れたんです。

大澤:そんな資格があるんですか?

更科:資格にもいろいろ段階があって。私が取ってるのは重度の障がいのある人にもフォーカスしてるやつ。

大澤:なるほど。すごいな。

小室:始めたきっかけは?

更科:高校のときから障がい者支援とか福祉とかに興味があって。高校に講演しに来てくださった方で、私がそのバイトに興味を持つきっかけになった方に、やりたいですって声をかけたら、おいでって言われて。本当は、バイトはしちゃいけない高校だったんだけどね(笑)。そのままやってたけど、その場所がすごい遠かったから、近くでも始めたいなと思って、その資格で入れるような介護の仕事を探して、そこで今も続けてます。

大澤:それいいな。ちょっと私も考えてみます。

更科:うん、いいと思う。めっちゃ勉強になるし、自分がどんなふうに人に対して考えているのか改めて考える機会にもなるし、自分の当たり前が変わるような経験になるからお勧めです!

菊池:私、サークルはORCAしか入ってない。スキューバダイビングなんですけど、25がすっごいたくさん入って。

小室:水泳を習ってたの?

菊池:小学校でバタフライまで習ってたぐらい。でも、生物や海が好きだったのも理由の1つ。本当はウィンドサーフィンをやりたかった。あとは農業系のサークルに入りたくて。生物が好きで、農作物にもすごい興味があるから。

河野:そうなんだ!

菊池:寮に入ったらそのサークルにも入りたいな。いいなあ、寮生。やっぱり、寮じゃないとできない。

小室:部活も課題もってなると両立が大変だよね。皆さんは、オンラインと対面の活動をうまく使い分けた1学期だったのね。

更科:だから私はオンライン授業もなくなってほしくないな。

 

−−オンライン授業のぶっちゃけ

大澤:オンライン授業の感想を聞かせて下さい。

菊池:私はZoomを使ったグループディスカッションでグループに分けられた時に1番最初に話し始める人とタイミングが被ることが結構あって。それが原因で円滑に議論できないことが気になりました。

更科:私はDJとICU祭実行委員のサークルに入っているんだけど、ICU祭実行委員の方はオンライン開催だから家で参加できるのは大きい。自分のキャパシティー的に授業とサークルとバイトを両立できるのはすごく嬉しいし、生活の幅が広がったと思う。

菊池:私の場合は通学に往復4時間かかるから、通学時間を削ってその時間を有効活用できるオンライン授業は嬉しい。

大澤:このオンライン授業形式は通常に戻っても続けてほしい?

小室:ぜひぜひ!

菊池:寮生とかはどうなんだろう?

河野:自分のELAセクションには寮生が割といるんだけど、寮から本館までの距離が逆に嫌みたいで、なかなか寮生とキャンパスで会わないな。

大澤:私のELAセクションも寮生がいるけど、20人中15人が対面参加することもあったよ。講義の参加方法は学生の気分や考え次第なんだろうね。家がキャンパスから2時間離れていても対面で参加する人もいれば、寮に住みながらオンラインで授業を受ける人もいるようだし。

更科:講義にもよるかもね。例えば大きい教室を使っていた場合、質問がある時、手を挙げてわざわざマイクを回して質問をしてた習慣はチャット機能を使うことで省略できるよね。

菊池:対面でしか体感できない視線とか会話もあるけどね。

小室:視線ね。それこそオンラインだとカメラのオンオフ問題もあるよね。ガイドラインに従えばカメラオンにするべきだけど、Wi-Fiの環境問題的にカメラオンにしずらい時もあるし。

更科:私は日本国憲法の講義で、「オンライン授業のガイドラインが、カメラのオンオフや服装の自由、プライバシーの権利を侵害しているのではないか」という議題でディスカッションしたよ。あと、権利の問題をモラルとして扱っていること自体が問題なんじゃないかっていう考え方も面白かった。でもそしたら、その講義の後みんなカメラオフにしちゃって(笑)。

菊池:私はカメラオンにすると、自分が見られてるって意識するから講義にかなり集中できる。でも逆に、ほかの人の顔が写っていると集中できないから、speaker viewにして講義を受けてるよ。

大澤:なるほど……。オンライン授業についての議論はこれからも続きそうだね。

 

−−読者へ一言

菊池:自分が熱意をもてるものは必ずあると思っていて、それは出会うまでわからないはずだから、どんな時でも物事に好奇心を持とうとする姿勢が人生の満足度を高める近道だし、ICUはそれを実行するのに非常に適した場所だと思います。だから色々なことにトライしていきましょう!

更科:ICUという新しい環境に来たときに、先生や学校から言われたこととかを、受け入れて信じてしまう部分があった。だから4年間過ごしてく中でそれを簡単に信じないようにしたいなと思う。Critical thinkingって言ってしまえばすごい簡単だけど、それを常に意識するのはすごい難しいなって思っていて。初めてで分からない時や、新しいことに直面した時に、それに対して自分の意見をもとにちゃんと考えてから、それを信じられるようにしたいな。

大澤:考えを消化することが大切だよね。

更科:だから誰に対しても、自分でちゃんと考えて行動したいな。

河野:そうですね。今日はいろいろな話を聞けて本当に楽しかったです。ありがとうございました。 

【取材: 小室奏恵(ID25)河野未來(ID25)大澤あかり(ID25)】

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