ハルトプライズ―日本初上陸のアイデア戦にICU生が挑む

ハルトプライズ(Hult Prize)とは、全世界の大学生が出場するソーシャルビジネスをテーマにしたビジネスコンテストである。優勝チームが賞金100万ドルを使って社会にどれだけインパクトを与えられるのか、という観点で競うものだ。2017年から日本の各大学でも本格的に大会が始まっている。2017年12月16日、ICUでも学内大会が行われ、そのうちの2チームがそれぞれドバイ、メキシコで行われるリージョナル大会(地域決勝)への出場権を獲得した。 今回はメキシコでのリージョナル大会へ出場する予定の石原さん(ID21)と村上さん(ID21)にお話をうかがった。   

   Image Credits: The South African

――どういった経緯でハルトプライズに出場されたのですか?
石原: 私は稲葉先生の経営と経営学の一般教育の講義で、グラミン銀行などのソーシャルビジネスについて学んだことで、ビジネスへの興味が湧きました。その時はハルトプライズについては知りませんでした。9月くらいに大きなグループラインでハルトプライズの情報を得て、ビジネスをするのに加えて社会問題を解決するのが面白いと感じ、出場したいなと思いました。また、発表までの準備をする過程や人前で発表するという経験を得られるというのも魅力的でした。出場するにあたってチームメイトを探したのですが、自分の周りにビジネスに興味のある人があまりいませんでした。しかもかなりコミットしなきゃいけないということで、周りの人の反応はイマイチでした。3週間ほどかけて探し、最終的に高校の同級生でもある村上さんとチームを組みました。

――村上さんは石原さんに招待されたことがきっかけだったんですね。
村上: もともと石原さんから話を聞く前からフェイスブックのICU生のグループで情報が流れてきていたので、ハルトプライズの存在は知っていました。最初は強く興味を持っていましたが、よく調べてみると説明会がいくつもあって、気楽に参加できるものではないと感じていました。自分がビジネスにあまり詳しくなかったこともあって、自分にはレベルが高いかなと思って説明会にはいかなかったんですけど、その後にたまたま石原さんから声をかけてもらいました。私はもともと社会問題や国際関係に興味があったので、それを知っていた石原さんに社会変革ビジネスに誘ってもらえたということですね。

――ハルトプライズのリージョナル大会でのプレゼンの概要を教えてください。
石原: まず、開会のテーマが既存のエネルギーを利用して1000万人の生活を向上させるというものでした。私たちは、大会のテーマに沿って、エネルギーを使って社会問題を解決するという中で騒音問題に絞り込みました。具体的には、騒音問題を解決するために新たな商品を考えるということをやります。

――なぜ騒音問題に焦点を当てたのでしょうか。
石原: 最初に自分たちのテーマについて考えるとき、一緒にいた人たちが全員文系だったということもあって、エネルギー自体に関する知識があまりなかったんです。いろいろ模索するうちに音エネルギーに着目し、そこから騒音問題を解決しようという流れになりました。2020年に羽田空港の新ルートができるとされています。その際に、飛行機が渋谷や新宿の上空を飛ぶことで、騒音問題がより深刻になると考えられます。それはテレビなどでよく報道されていたので、今回の新たなエネルギーの利用方法のテーマとしてぴったりでした。

村上: 追加すると、騒音問題って私たちICU生にとって身近な問題だと思います。ICU内で飛行機の音が聞こえることがありませんか。おそらく近くに調布飛行場があるからだと思いますが、すごく音が大きいと感じていました。それと同じように、羽田空港からの飛行機の騒音問題も、深刻になってくると思います。

――いつ出国予定ですか.
石原: 私たちは3月14日に日本を出て、16日に大会に出場します。

――意気込みをお聞かせください。
石原: ハルトプライズは2017年から正式に日本にきたもので、その際にハルトプライズジャパンができて、初めて日本の大学が正式に参加するようになりました。私たちが参加するメキシコ大会には70チームくらい集まります。もし大会を突破できたら日本で初の快挙みたいな感じになりますね。本気で勝ちに行きたいと思っています。

――ありがとうございました。

 

▲メキシコシティへ出場を果たした石原さん(ID21)、津崎さん(ID18)、村上さん(ID21)

今回ハルトプライズに参加するにあたって、彼らはリージョナル大会が行われるメキシコシティへの渡航費・滞在費等の資金を集めている。

クラウドファンディングにご協力いただける方はこちらから

Tags:,